中心市街地から離れているアメダス新宮

新宮高校と新宮商業

新宮市は1933年に新宮町と三輪崎町が合併して発足しています(2005年には熊野川町と合併)。和歌山県では2番目の市制施行です。

太平洋戦争中、新宮市内には旧制中学相当の学校が3校ありました。県立新宮中学校、県立新宮工業学校、県立新宮高等女学校です。この3校は1948年の学制改革で統合されて新宮高校が創設されます。和歌山県立新翔高校の沿革のページには次のように記載されています(必要でない部分を略しています)。

大正6年 新宮町立実業学校(3年制)として開校
  7年 新宮町立商業学校に校名変更
  15年 和歌山県立新宮商業学校と改称
昭和19年 商業課程を工業課程に変更、和歌山県立新宮工業学校と改称

和歌山県立新翔高校>沿革

統合された新宮工業の前身は新宮商業ですので、新宮高校には商業課程が設置されました。1963年(昭和38年)に商業課程を分離して、県立新宮商業高校が開校しています。1学年330名という大所帯ですが、開校半年は新宮高校の校舎を間借りする形でした。

旧・三輪崎町域の佐野に建設された新校舎で開校式が開かれたのは同年11月です。当時の校歌は初代新宮市名誉市民となる佐藤春夫が作詞したもののようです。1学年330人なら7クラスだと思われます(47*7=329)。

新宮商業は2007年に新宮高校の建設工学科を引き継ぎ、総合学科5クラスに改編して和歌山県立新翔高校に名称変更します。総合学科転換ですので「商業」は名乗れなかったのでしょう。新宮商の略称は「新商」だったはずです。よくあるパターンの改称です。

アメダス新宮

アメダス新宮は熊野川河口の中心市街地ではなく、山を越えた旧・三輪崎町域の佐野にあります。JR新宮駅からは直線距離で4.7キロほどです。新宮市内には近大新宮高校もあります。人口2万人台で高校3校は多いように思われますが、南隣の那智勝浦町には高校がありません。

新宮
新宮(地理院タイルを加工)

アメダス新宮はどうやら新翔高校の敷地内に設置されているようです。標高は18mで風速計の高さは9.4mです。

アメダス新宮

2020年の観測値

2020年の観測値は次のとおりです。降水量は多く、気温も高く、日照も多い地域です。

年降水量3633.0ミリ41位/1293地点
年平均気温18.3℃55位/922地点
年最高気温37.5℃193位/922地点
年最低気温-0.2℃87位/922地点
年較差37.7℃780位/922地点
年平均風速2.4m/s332位/921地点
年日照時間2166.2時間72位/841地点
▲アメダス新宮の2020年観測値

1976年の観測開始ですが、38℃台は2016年8月22日の1回だけです。日最高気温が氷点下となる真冬日は過去1度も観測されていません。冬は寒くならず、夏は極端に暑くならないという理想的な気候です。平均気温の推移をグラフ化しました。

新宮の平均気温等の推移
新宮の平均気温等の推移

平均気温が18℃を上回ったのは過去4回で、2020年の18.3℃は過去最高です。

潮岬特別地域気象観測所↑

コメント

タイトルとURLをコピーしました