10分降水量を55ミリに更新したアメダス木古内(きこない)

11月2日の豪雨

木古内駅は乗降客数が2番目に少ない新幹線停車駅です。今では北海道最南端の鉄道駅でもあります。北海道新幹線の開業に合わせて駅前には道の駅がオープンし、新幹線駅そのものより活況を呈しているようです。

木古内周辺
木古内周辺(地理院タイルを加工)

11月2日のアメダス木古内では、10分降水量が過去全国最多の55ミリを観測しました。10分降水量は木古内などの無人観測所では2008年10月からの統計対応です。

木古内(北海道)55.0ミリ2021/11/02
室谷(新潟)50.0ミリ2011/07/26
熊谷(埼玉)50.0ミリ2020/06/06
▲10分降水量ランキング

1時間降水量も道内過去最高で今年の全国1位となる136.5ミリに達して、記録的短時間大雨情報が発表されました。基本的には少雨の北海道ですが、面積が広いだけに今年の記録的短時間大雨情報は都道府県別では最多です。

木古内11月2日従来の記録
日降水量221.0ミリ152ミリ(1995/08/20)
日1時間降水量136.5ミリ64ミリ(1980/07/23)
日10分降水量55.0ミリ16.0ミリ(2020/09/04)
▲11月2日の木古内

10分降水量は従来の記録の3倍以上で、統計開始が1976年の1時間降水量は従来の2倍、日降水量も1.3倍でした。道路冠水や土砂崩れや床上・床下浸水はあったものの、幸いにも人的被害はなかったようです。

Google Mapの位置は合っているのか?

Google Mapで「木古内地域気象観測所」を検索すると、緑マーカーのところにピンが刺さります(初期状態では拡大しても表示されず、検索すると表示されます)。

2020年6月

区画の形状的には、たしかにアメダス観測所っぽさが感じられます。ほぼ正方形の区画に長い影が2本見えますので、そのうち1本が風速計なのでしょう。ただ、どうも様子がおかしいのです。

ストビューの最新は2014年7月撮影です。同年9月の衛星写真はこうです。ストリートビューでは黄色マーカーの位置に風速計があります。

2014年9月

青い屋根の建物や茶色の屋根の建物は取り壊されて、駅に続く広い道路が整備されていますが、昔からの道路はそのまま残っています。位置関係的には風速計は黄色マーカーです。緑マーカーには雨量計も気温計も確認できません。

2014年時点では黄色マーカーに風速計があり、2020年時点では正方形の区画に移ったのだとすれば、Google Mapの間違いということにはなりません。その可能性はあります。10~15m違っていたからといって目くじらを立てるほどのことはありません。

2020年と2021年の観測値

アメダス木古内の2020年観測値は次のとおりです。年降水量の10分の1以上が1時間で降ったことになります。

年降水量1131.5ミリ1090位/1293地点
年平均気温9.8℃730位/922地点
年最高気温33.0℃758位/922地点
年最低気温-12.2℃710位/922地点
年較差45.2℃282位/922地点
年平均風速2.9m/s223位/921地点
年日照時間1628.0時間537位/841地点
▲木古内の2020年観測値

道東のように気温が高くなることはなく、最高気温は34℃台が2010年に観測されているだけです。

アメダス木古内の平均気温の推移

気象庁の元データは2003年1月と2008年8月に赤線が入っています。移転なのかもしれません。平均気温以外はグラフ化しないほうが好ましいものと思われます。

2021年の観測値は次のとおりでした。

年降水量1567.0ミリ815位/1293地点
年平均気温9.7℃726位/921地点
年最高気温32.6℃806位/921地点
年最低気温-12.6℃668位/921地点
年較差45.2℃337位/921地点
年平均風速2.9m/s234位/920地点
▲2021年の観測値

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