海洋気象台の1つ
1868年(慶応4年)、イギリスの貿易商で動物学者のトーマス・ブレーキストン(トマス・ブラキストン)は「箱館」の居留地で気温や気圧の観測を始めたそうです。1872年(明治5年)、開拓使の福士成豊がブレーキストンの観測を引き継ぎ、自宅に「函館気候測量所」を開設します。
名前ほどに大層な施設ではなかったものと思われます。気象庁Webサイトには1873年1月1日から気温と降水量の観測値が掲載されています。日本における気象観測は函館がその起源とされているわけです。
赤レンガ倉庫の金森洋物館に「日本最初の気候測量所跡」の看板が掲げられています。観測地点は1879年から函館駅の東側に移転して、1913年から1940年は函館港近くの3か所を転々とし、1940年9月から現在地で観測を続けています。1942年から2013年まで「函館海洋気象台」の名称です。
海洋気象台は1920年に神戸に開設され、函館のほかに長崎と舞鶴が1947年から2013年まで海洋気象台を名乗っていました。横浜が外れているのは気象庁本庁がその役割を担っていたからだと思われます。
10年ごとの平均気温と2020年の観測値
10年ごとの函館の平均気温の推移は次のとおりです。1910年代の平均気温8.7℃は2010年代には9.7℃に上昇しています。最低気温が-15℃を下回ったのは1996年2月2日が最後です。
2020年の観測値は次のとおりです(順位は降順になります)。風速の数値が高いのは、風速計が庁舎の屋上に設置されており地盤面からの高さが25.7mあることも要因の1つです。
年降水量 | 119.5ミリ | 1095位 | /1293地点 |
年平均気温 | 10.2℃ | 712位 | /922地点 |
年最高気温 | 32.7℃ | 786位 | /922地点 |
年最低気温 | -13.4℃ | 733位 | /922地点 |
年較差 | 46.1℃ | 245位 | /922地点 |
年平均風速 | 3.5m/s | 135位 | /921地点 |
年日照時間 | 1708.3時間 | 468位 | /841地点 |
コロナ6人目の死亡例
函館では25日に新型コロナウイルス国内6人目の死亡例が出ています。渡航歴なし、高血圧の基礎疾患ありと報道されています。死亡後の感染確認ですので、院内感染が懸念される事例です。
本日(2月26日),函館市内において,3例目の新型コロナウイルス感染症の患者が確認されました。当患者は,昨日(2月25日)に亡くなられております。
函館市「新型コロナウイルス感染症患者の死亡について」
1 患者の概要
(1) 年 代:家族の意向により非公表(高齢者)
(2) 性 別:家族の意向により非公表
(3) 国 籍:日本
(4) 居住地:函館市
(5) 職 業:無職
2 これまでの経過
2月16日 咳症状あり。
2月17日 医療機関Aを受診し,胸部レントゲンにて肺炎を疑う所見あり,同日,医療機関Bを紹介により受診。咳,発熱(37.5℃),胸部レントゲン・CTにて肺炎所見があり,入院治療開始。
2月25日 入院中の医療機関にて,ウイルス性肺炎により死亡。
2月26日 新型コロナウイルスの検査結果が,陽性と判明。
流行初期の段階では渡航歴がないと検査が行われず、結果的に院内感染につながるケースが多くありました。国内最初の死亡例は2月1日に入院した神奈川在住の80歳女性です。
1/22 倦怠感
1/28 医療機関を受診
2/01 肺炎の診断で別の病院に入院
2/06 呼吸状態が悪化
2/12 PCR検査
2/13 死亡後に陽性確認
モーモータクシー
北海道で見かけるその名も「モーモータクシー」という牛柄のタクシーは函館が本拠のようです。2011年8月撮影のストビューです。
私が乗ったのは茶色系でしたが、ピンクだとなかなか牛と結びつきません。それに、牛は十勝や釧路方面のイメージが先行しますので、函館や旭川や苫小牧は少し違うような気もしなくはありません。
安全運転をアピールするなら馬でなく牛なのかもしれません。観光タクシーの場合、運転手が牛の着ぐるみで身を包むという斬新なサービス?もあるようです。私には抵抗がありますけど…。
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