標高マイナス170mの八戸キャニオン、コンベアは10キロ

八戸キャニオン

八戸石灰鉱山の最深部は標高マイナス170mとされています。

国内有数の露天掘式石灰鉱山。展望台からの雄大な眺めは、地元の人々から「八戸キャニオン」と呼ばれ親しまれている。日本で唯一海面下を採掘している露天掘りの石灰岩鉱山で、最深部は-170mにも達し、日本一空が遠い場所としても有名。

じゃらん>八戸鉱山株式会社

太字は私が施しました。この文章がいつ書かれたのかわかりませんが、「日本唯一」についてはやや疑義があります。渥美半島の田原鉱山は海面下に達しています。田原鉱山は2020年に閉鎖されましたので、今では「日本唯一」なのかもしれません。

八戸鉱山株式会社のWebサイトから年表を作成してみました。収入なしで初期投資に3年かかったようです。

1970年8月「八戸石灰鉱業株式会社」設立
1973年7月八戸港の専用埠頭と結ぶ地下ベルトコンベアが完成
1973年8月操業開始
1981年1月「住友鉱業株式会社」に商号変更
1998年2月石灰石生産量1億トン達成
2014年4月「八戸鉱山株式会社」に商号変更
2018年8月石灰石生産量2億トン達成
▲八戸鉱山株式会社>企業情報

1億トンまで24年6か月ですが、1億トンから2億トンは20年6か月です。ペースが上がっているわけですので、まだ期待できそうです。

入場無料の展望台あり

採掘した石灰石は八戸港から主に鹿島製鉄所に運ばれるようです。

八戸港から鹿島製鉄所へ
八戸から鹿島へ(地理院タイルを加工)

八戸鉱山には展望台があります。地理マニアより土木マニア向けの有名スポットです。正午を挟んだ1時間は発破作業のため入場できません。また、私有地ですので採掘作業がないお盆や正月はゲートが閉ざされます。展望台の標高は90mほどで、ギリギリ八戸市の市域です。

八戸鉱山展望台
八戸鉱山展望台(地理院タイルを加工)

赤の星印が標高0mライン、青マーカー付近が最深部です。最深部は階上町(はしかみちょう)のエリアになるものと思われます。意地の悪いクイズに使えそうです。

総延長10キロの地下コンベア

2011年4月の航空写真です。

大きめの池?が2019年には消滅しています。

鉱山から港まで総延長10キロほどのベルトコンベアはほとんど地下に敷設されています。

八戸鉱山の地下コンベア
八戸鉱山と八戸港(地理院タイルを加工)

日本最深地点

明らかにコンベアが地上に露出しているのはこの地点です。

航空写真では怪しい箇所がほかにもありますが、そこを見通せるストビューがなく確認できません。港の近くで地上に出現します。

八戸鉱山の専用埠頭

2019年10月撮影のストビューです。

「八戸キャニオン」は正式名称ではなく通称だそうです。地上における日本最深地点のはずですが、展望台はその最深地点を眺められるだけです。なお、世界一の最深地点とされるのは湖畔標高マイナス430mの死海です。

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