公立中学校で講演、統一教会系「家庭再建教育研究所」所長

家庭再建教育研究所

「人名録」掲載は見送りますが、世界平和女性連合の理事が「家庭再建教育研究所」所長を名乗って公立校を含む北関東周辺の高校・中学で講演を重ねていたという実例があったようです。「国際青少年問題研究所」「家庭教育アカデミー」の類似団体(機関)はやはり実在していました。

青津氏が高校で講演したという話は聞きませんし、島根のケースは私立高校でした。水平展開は教団が得意とするところです。郷土史もあちこちに痕跡があります。公立校にも進出しているに違いないとは思っていましたが、本当にありました。

当該「所長」の講座の動画がYou Tubeにありましたので、最初の2分弱を聴いてみました。まあ、こんなものだろうという程度です。ネット上の残骸は次のとおりです。

【外部リンク】
(1)■公益財団法人栃木県国際交流協会>世界平和女性連合栃木県連合会
(2)■福島県PTA連合会>お母さんだより第2号 平成22年3月
(3)■やや日刊カルト新聞>統一教会の女性連合幹部が正体隠して中高生に“純潔”性教育(前編)2014年8月13日、(後編)2014年8月15日
(4)■おやまちニュースアーカイブ>思春期講座 2016年8月16日

(1)によれば、荒井敦子氏は世界平和女性連合栃木県連合会の「議長」です。おそらく10年ほど前のページがそのまま残っているものと思われます。

世界平和女性連合の国内での活動は、(A)文化活動、(B)留学生支援、(C)ユース活動、(D)教育再建の4本柱です。「教育再建」については、(ア)お母さん塾、(イ)読書推進、(ウ)青少年健全育成に細分化されています。

「青少年健全育成」とは「未来に向けて「今をどう生きるか」について小・中学生・高校生・専門学校生に語り掛ける講座を行っています」WFWP)ということです。当然これは学校内に入り込んでいるわけです。

2009年の福島市立岳陽中学校

(2)は2010年発行のPTA便りです。冒頭の9月16日は2009年になります。

荒井敦子先生による岳陽中での教養講座
福島県PTA連合会>お母さんだより第2号

福島市立岳陽中は福島駅からすぐ近くです。宇都宮駅から岳陽中まで新幹線と徒歩でちょうど1時間ほどです。

岳陽中学校
岳陽中学校(地理院タイルを加工)

講座の内容はYou Tubeと大差ないはずですから保健の先生でも間に合いそうなものですが、全校生徒に父兄も交えての「とても有意義な講座」だったそうです。

小山おやま~る

鈴木エイト氏がこの動きを記事にしたのが2014年の(3)です。荒井氏は1988年に6500双の祝福を受けているそうですので、勅使河原氏より先輩ということになります。鈴木氏の直撃を受けたあとも荒井氏は活動を続けていたようです。

小山市まちなか交流センター「おやま~る」
おやま~る(地理院タイルを加工)

2016年に「おやま~る」という名称の小山市交流センターで「思春期講座」を開いています。

荒井敦子「家庭再建教育研究所」所長による思春期講座
おやまちニュースアーカイブ>思春期講座

唐突に出てくる「全国の中学校、高校、教育委員会、校長会、PTA講演会、母親教室など、のべ6万人にのぼります」の意味が掴めませんが、おそらく総受講者数は6万人に達すると言いたいのでしょう。ネット上に残る「家庭再建教育研究所」と「荒井敦子」氏の足跡は以上です。

それにしても「家庭再建教育研究所」のネーミングセンスが不可解です。普通なら「家庭教育再建研究所」でしょうし、せめて「再建家庭教育研究所」ではなかろうかと思う次第です。

「世界平和連合」栃木県連合会代表を務めていた小山選出で当選13回の栃木県議は、当初は辞める理由がないと突っ張っていましたが、本部の方針に従って代表を辞任しています。81歳にもかかわらず来春も出馬表明しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました