粘着テープ巻きの手製銃、どこで試し撃ちしたのか?

試し撃ちの場所は?

粘着テープでぐるぐる巻きにした不細工な形状の銃があるとは、なかなか想像が追い付かないものです。そのことが「成功」した要因の1つだったに違いありません。対象者以外には一切の肉体的危害を加えていないという点では、きわめて「有能」なヒットマンです。

▲【19:51追記】容疑者のところに駆けつけようとした警官に押された女子高生が転んで軽症を負ったようです。

手製の銃が作れるものなのかどうか、私も検索してみました。オール・オア・ナッシングで結論だけ言えば、文系の私でも作れそうです。肝心なのは精度と威力ですので、試し撃ちの必要があります。その結果で試作を繰り返すことになるはずです。

これがなかなかの難関なのです。一定以上の音を発するわけですから、近所の公園で気軽に試し撃ちすることはできません。誰かに見つかって通報されたら元も子もありません。夜ではその効果を確認することができませんので、やはり日の出から日の入りまでの日中に限られるはずです。

考え方としては3通りありそうです。
(1)施錠できる屋内
(2)誰も来ない屋外
(3)騒音が激しい屋外

…と、ここまで書いたところで、念のために報道があるかどうか検索してみたら、もう供述が出ていました。「特定の宗教団体の関連施設で最近、銃の試し撃ちをした」ということです。

私が知っている「世界平和統一家庭連合○○家庭教会」の看板を掲げた施設は隣がコンビニで完全な市街地です。ただ、側道を挟んで鉄道が走っています。電車の走行中なら発砲音はそれほど気にならないかもしれません。

施錠可能な屋内<誰も来ない屋外

赤レンガ倉庫のようなところを貸切ることができるなら試し撃ちにはベストです。発砲音に気づいた誰かが駆け付けたとしても、施錠できるなら入って来られません。大きな音がしたと言われても、「中にいたから、そんな音には気づかなかった」と対応すればいいだけのことです。

ただ、大きな倉庫を短期間借りるのは逆に不自然です。貸してくれるところもないはずです。借りるうえでは身元を明かす必要もあります。

廃墟化した建物は、そこに入ること自体がアウトですから、その線は薄いものと思われます。それに、入れたということは施錠できないということです。結局、自前の所有物件でない限り、お手製の銃の試し撃ちができる屋内の空間は確保できそうにありません。

誰も来ない屋外はないものでしょうか。理想は無人島です。目視できる範囲に船がいなければ、気兼ねなく思う存分エンドレスでやりたい放題です。

無人島に渡る船をどう手配するのかという話になりますが、釣り漁船で送迎してもらうのがもっとも現実的です。ただ、確実に1人になれる保証はありません。そのオプションでチャーターすれば高くつくでしょうし、それなりの装備を備えていないと怪しまれるだけです。

標的をセットし数発を試し撃ちして、その効果を確かめるという行為だけなら10分で足りそうです。半径1キロ以内に人家がなく、10分間誰も通らないであろう山奥は奈良にはあちこちにあります。スペース的には20mあれば十分です。

日の出直後の早朝なら、銃声だと気づいた誰かが1キロ先から駆けつけたとしても逃げ切れるはずです。怖いのは音もなく近づいてくるチャリだけです。実際のところ効果的な実射試験は(2)のパターンだったのではないかと思われます。

木は森に隠せ、ではなかった

(3)はあり得ると思っていました。数丁の銃が押収されていることから、試し撃ちがその1回だけだったはずはありません。「関連施設での試し撃ち」は誰かを狙ったり、的を据えたりしたのではなく、単に壁撃ちではないかと思われます。

家庭教会は奈良県内に5か所あるようです。いずれも市街地の立地です。地図の3か所のほかに橿原教会と香芝市・かつらぎ教会があります。青の星印は容疑者の自宅マンションです。奈良県内5施設の中に試し撃ちの場所があるのなら、おそらく奈良教会ではないかと私は睨んだのでした。

奈良北部の家庭教会(地理院タイルを加工)

奈良教会の目の前には近鉄線の踏切があり、警報音が鳴っているタイミングで1発だけ撃てば、発砲音をかき消すことができるのかもしれません。

事件前日の7日午前4時頃に破裂音を聞いたという報道があります。午前4時なら電車は動いていませんので、私の推理は外れたことになります。私が見つけた場所から撃てば、発砲音で目覚めた住民が窓から覗き込んでも姿を見られることはなかったはずです。7日夜には容疑者は岡山に出向いています。

奈良の日の出時刻は4:50です。市街地では夜明け前でも音もなく接近してくるチャリがあるかもしれません(新聞配達はバイクでしょうが…)。リスクはどこかで負うことになるとしても、試射の時点で背負うリスクではなかろうと思う次第です。

【19:51追記】その後の報道によれば、宗教施設が入居するビルで弾痕が見つかったそうです。この建物は1階には別テナントが入居しており、2階が平城家庭教会です。「試し撃ち」と言うより「威嚇」の性質が強いと思われます。あるいは実行の衝動を抑えられなかったのかもしれません。
 市街地の場合、防カメだけでなく中高層建物の上階からの目線もあります。未明の壁撃ちはリスキーなだけで、得られるものは何もありません。この事件は自爆テロと同じで、事を起こした容疑者は逃げ切るつもりはないはずです。残念ながら「差し違えればOK」の相手を防ぐ手立ては多くありません。
【7/12追記】警備の不備が問われるのは結果責任として仕方がないことでしょうが、見覚えのある猟銃やピストルなら反応はもっと早かったはずです。手作り感満載のあの形状では、対応がワンテンポ遅れてしまうのはやむを得ない気がします。そこは同情を禁じ得ません。

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