学芸大付属高校前の「カップルロード」を探せ

「アベックストリート(今もあるのかな)」とは

2000年3月8日の日比谷線中目黒駅脱線事故の朝、私は渋谷駅から東横線各停に乗って学芸大学駅で下車しました。中目黒駅の手前で「何あれ?」の言葉に振り返って窓の外を見ると、床が赤く染まった事故車両が目に入りました。日比谷線ホームではレスキュー隊員が慌ただしく現場に向かっているところでした。

東京学芸大付属高校は世田谷区下馬4丁目にあります。最寄り駅は学芸大学駅です。「断らない女」として有名になった前内閣広報官に関する記事が私の興味をそそりました。

 学芸大附属高の同窓会誌には、女性初の内閣広報官となったばかりの彼女が寄稿。同校の後藤貴裕副校長によると、「当校の同窓会が昨年12月に発行した同窓会誌『泰山木』に掲載された」とのこと。その原稿はこんなふうに始まる。
〈私の人生で最も「暗い」時代が高校での3年間だった。(中略)彼氏もできずアベックストリート(今もあるのかな)を通ったこともなく、挙句に東大受験にも失敗してしまった。本当に目立たない生徒でした〉

NEWSポストセブン>山田真貴子前内閣広報官「飲み会を絶対断らない女」誕生の瞬間 3/20

私は前広報官と同世代です。私が上京したとき同校は現在地にありました。この付近は私にとってまるで土地勘のない地域ではないのですが、「アベックストリート(今もあるのかな)」を聞いたことはありません。同窓会誌への寄稿ですので、高校という限られたコミュニティの中で通用していた俗称であろうと考えられます。

学芸大付属高付近(地理院タイルを加工)

どこにある?

学芸大付属高校の最寄り駅はたしかに学芸大学駅なのですが、実は三軒茶屋駅から歩けないわけではありません。Google Mapでルート検索すると、学大から徒歩13分、三茶から徒歩18分となります。道を間違わなければそんなものです。「アベックストリート」は必ずしも東横線方面と決めつけることはできません。

「アベックストリート」は学芸大付属高校の半径1キロ以内に存在していたはずです。「アベック」であるからには2人並んで歩ける道路でなければなりません。車の往来が激しい通りでは「アベックストリート」になれません。一般的な通学路より少し遠回りになるコースでしょう。

私が最初に睨んだのは碑文谷公園でした。公園内の池にはボート乗り場もあります。ただ、公園内の周回通路を「~ストリート」と呼ぶものでしょうか。世田谷公園もありますが、当時の世田谷公園の様子を私は知りません。高校生の言う「アベックストリート」ですので、そこまで遠回りはしないと考えたほうがよさそうな気もします。

付属高校の周囲をストリートビューで回ってみましたが、私の感覚ではそれらしい雰囲気のある道路は見当たりません。ネット検索に切り替えることにしました。5ちゃんねるの過去ログに 「カップルロード(旧アベックストリート)」が見つかりました。やはりアップデートしていたようです。

「カップルロード」で検索してみると、在校生を名乗る投稿がありました。

【アクセス】
東急東横線学芸大学駅から徒歩15分ほど(人による)。
1年と2・3年でルートが分けられていて、さらにカップルロードなるものもある。
住宅街を通るので近隣住民の迷惑にならないようにしたい。
三軒茶屋駅から徒歩・バス、渋谷からバスで登校する人もいる。

みんなの高校情報>才能の芽が集まる場所

これで「カップルロード」は東横線方面に限定することができます。それほど遠回りもしないものと思われます。

正規の通学ルートは?

学芸大学付属高校Webサイトに掲載されている「案内図」にはピンクのルートが「徒歩順路」として示されています。これが正規の通学ルートなのだろうと推測されます。

通学ルート
通学ルートは?(地理院タイルを加工)

経験上、このピンクのルートは迷子になりやすいルートです。Google Mapでルート検索してもこのコースが示されますので、最短ルートではあるのでしょう。慣れればそれでいいのですが、初めて行く場合にはまったくおすすめできません。

目印が少ない住宅地では曲がる回数を極力減らすべきです。初めてなら、若干遠回りになっても黄色か緑がわかりやすいはずです。もし学年で通学ルートが分けられているのなら、ピンクが2・3年生、緑が1年生ではないかと思われます。

そうすると、黄色が「アベックストリート改めカップルロード」ではないかと推理することができます。検索を続けていくと、まさかの正解が見つかりました。嬉しい画像つきです。

帰りは、附高では「カップルロード」と言われている道を歩きました。

ミスTBAコンテスト2014公式ブログ 高井ひろえ>東京学芸大学附属高校(附高)学園祭、「辛夷祭」!

下から2番目の画像をストビューで探すのはそんなに難しいことではありません。どん突きになっている背景の木々は高校に隣接した下馬中央公園です。

2015年5月撮影のストビューを埋め込みました。上の地図では緑が「カップルロード」だったわけです。

新たな疑問も

前広報官は 「アベックストリート(今もあるのかな)を通ったこともなく」と記述しているわけですが、3年通学して1本違いの道を通ったことがないというのはちょっと信じられません。総務官僚特有の「記憶がない」病が蔓延しているとも思えず、隠す必然性もありません。三軒茶屋駅から通っていたのだとすれば納得できないことでもありませんが…。

発見した「カップルロード」をストビューで学芸大学駅方向に進んでみました。最新2020年12月撮影のストビューです。

この付近には学芸大附属高校のほかに高校や中学はありません。私は制服マニアではありませんし、12月ということでコートを羽織っていますから特定できませんが、付属高校の生徒である可能性が高い3人だと思われます。

→歌詞あなぐると>いつから「アベック」は「カップル」に置き換わったのか

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