2022参院選、75歳以上の当選率は29%

70歳以上の立候補者

1893年5月生まれの故・市川房枝氏は1980年参院選に87歳で挑み、当時の全国区でトップ当選しました(翌年2月没)。1980年当時の日本人の平均寿命は男が73.35歳、女が78.76歳です(2020年は男81.64歳、女87.74歳)。

今回の参院選で70歳以上の候補者は35名でした。75歳以上の後期高齢者は17名、80代が5名です。

年齢候補者政党選挙区当落
87斎藤 和干ごぼう比例
87山口 わか子社民比例・衆1
83佐々木 信夫新風山口
80山崎 正昭自民福井6
80仲村渠 哲勝無所属茨城
79武田 邦彦参政比例
79水落 敏栄自民比例3
79秋葉 忠利社民比例
78野村 哲郎自民鹿児島4
78鹿島 日出喜新風香川
78油井 文正無所属東京
77首藤 信彦諸派神奈川
76中条 きよし維新比例1
76中曽根 弘文自民群馬7
75猪瀬 直樹維新比例1
75組坂 喜昭諸派福岡
75黒田 秀高新風兵庫
74三輪 和雄くにもり比例
74木村 義雄自民比例1
74魚谷 哲央新風比例
74河野 憲二新風東京
74上田 清司無所属埼玉2・衆3
74辻 恵れいわ比例・衆2
72大内 久美子共産茨城
72岩城 光秀自民比例3
72宮沢 洋一自民広島3
72服部 良一社民東京・衆1
71浅田 均維新大阪2
71来田 時子共産比例
71山谷 えり子自民比例4
70富田 哲之NHK奈良
70小川 克己自民比例1
70猪口 邦子自民千葉3
70伊波 洋一無所属沖縄2
70有田 芳生立民比例2
▲70歳以上の立候補者の当落

75歳以上の17人では、当選者は5名(自民3、維新2)でした。遺族会推薦の79歳・水落氏は引退表明しながら撤回して出馬しましたが落選です。

自民党では参議院比例区については70歳定年制があります。水落氏を含めて5人が特例で出馬しましたが、4人が落選でした。支援組織自体が高齢化しているものと思われます。70代以上は60代より投票率が10ポイント下がります。

党派別の比率

各党候補者全体に占める70歳以上の比率と女性候補者の比率は次のとおりでした。

候補者70以上女性
自民821012.2%1923.2%
立民5112.0%2651.0%
公明2400.0%520.8%
維新4636.5%1430.4%
共産5823.4%3255.2%
国民2200.0%940.9%
れいわ1417.1%535.7%
社民12325.0%541.7%
▲政党別の比率

さて、選挙自体は自民党が勝ちました。最大の殊勲者は奈良の事件ではなく連合会長です。あっちを切れと言いながら、こっちをくっつけようとはしなかったのですから、当然の帰結です。

次の合区対象は福井

2016年から鳥取と島根、徳島と高知が合区され、地方区は45選挙区になりました。
(A)2020年国勢調査人口(単位:万人)
(B)2015年から2020年の人口増減率(%)
(C)Bの増減率をAの2020年人口に乗じた2025年想定人口(単位:万人)
(D)現行定数
(E)Cの想定人口をDの現行定数で割った議員1人当たりの人口(単位:万人)
は次のとおりです。

2020増減2025定数1人
北海道522-2.95073169
青森124-5.41171117
岩手121-5.41151115
宮城230-1.42271227
秋田96-6.290190
山形107-5.01011101
福島183-4.21761176
茨城287-1.72822141
栃木193-2.11891189
群馬194-1.71911191
埼玉7341.17424186
千葉6281.06353212
東京14053.914606243
神奈川9241.29354234
新潟220-4.52101210
富山103-3.01001100
石川113-1.91111111
福井77-2.575175
山梨81-3.079179
長野205-2.42001200
岐阜198-2.61931193
静岡363-1.83572178
愛知7540.87604190
三重177-2.51731173
滋賀1410.01411141
京都258-1.22552127
大阪8840.08844221
兵庫547-1.35403180
奈良132-2.91291129
和歌山92-4.388188
鳥取・島根122-3.41181118
岡山189-1.71861186
広島280-1.62762138
山口134-4.51281128
徳島・高知203-4.91931193
香川95-2.792192
愛媛133-3.61291129
福岡5140.75173172
佐賀81-2.679179
長崎131-4.71251125
熊本174-2.71691169
大分112-3.61081108
宮崎107-3.11041104
鹿児島159-3.61531153
沖縄1472.41501150
▲45選挙区の人口等

想定どおりなら議員1人当たりの人口は東京が243万人、福井が75万人となり、3倍を超えますので違憲判決が出るはずです。福井は石川、岐阜、滋賀、京都と接しています。個人的には嶺北を石川、嶺南を滋賀という分割合区があっていいと思いますが、常識的には石川との合区になるのでしょう。

それよりも、(1)参議院は地方区のみとして47都道府県一律定数2(裏を足して4)で総定数188、(2)衆議院は非拘束名簿式比例代表制のみとすれば、訴訟そのものが起こりようもないことになります。

福井の次に控える山梨と佐賀は、合区に巻き込まれるパートナーの選択が一段と難しくなりそうです。いっそのこと東京と福岡に入りたいという意向も出てくるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました