大分市「生涯学習指導者」登録の統一教会系?講師

家庭と未来研究所

「家庭と未来研究所」もあるようです。「国際青少年問題研究所」「家庭教育アカデミー」「家庭再建教育研究所」に続き、いろんなところに所長さんがいらっしゃいます。

所長さんの名義で出版されている著作は、私の調べた限りでは次のとおりです。これまでの3人より執筆のほうに熱心だった時期があるようです。「氏族メシヤ」とか「天一国」とか、もう出版社を見るまでもありません。

  • 2000年「賢い妻の家庭づくり―こうでなくちゃ、夫婦の仲」(光言社)
  • 2001年「氏族伝道論 氏族メシヤと天国入籍への道」(光言社)
  • 2002年「ふたりで学ぶ うまくいく夫婦仲の法則」(光言社)
  • 2003年「ほめられたい夫、愛されたい妻」(光言社)
  • 2006年「夫婦愛を育てる16のポイント」(光言社)
  • 2006年「新・熱き祈祷のすすめ (天一国の生活信仰講座)」(光言社)
  • 2012年「本物家族をつくる意外と簡単な技術」(創藝社)

このほかに、せせらぎ出版から「空手を漢字で読み解く -型が現す中国人物伝」という本が2006年に刊行されていますが、同姓同名で1940年生まれの松本雄司さんによるもののようです。「家庭と未来研究所」の所長は1947年生まれです。

創藝社

気になるのはむしろ「創藝社」です。類似商号の法人が多数ありますが、新宿区榎町に本社を置く「株式会社創藝社」です。前株で今の社名は「芸」が旧字体です。2011年に「文鮮明自叙伝」と銘打った「平和を愛する世界人として」を出版しています(当時は「創芸社」)。

この「自叙伝」が韓国で出版されたのは2009年ということです。1920年生まれの文鮮明氏はその時点で90歳目前です。自ら執筆したわけではなく、出版社がインタビューしてまとめたもののようです。

あちこちの駅頭で無料配布されていたそうで、ネット上には当時の「配布担当」者の名刺さえ公開されています。次に埋め込んだのは2016年8月撮影の熊本家庭教会のストビューです。出版から5年過ぎてまだ「無料贈呈」中です。

このような形で大量配布されたのなら、出版社的にはドル箱、打ち出の小槌、アラジンの魔法のランプのようなものです。2017年には光言社から文庫版が、2018年には単行本が出ているようですが、なぜ最初は創芸社だったのか気になります。

創藝社Webサイトによれば、代表取締役は吉木稔朗(よしき としろう)氏です。1954年生まれの吉木氏はコスモトゥーワンから数冊の本を出しています。その時代(1993-2004年)は創芸社に関わっていなかったようです。

2011年前後の創芸社が統一教会(統一協会)とかなり強固なルートを有していたということだけは言えますが、だからと言っていわゆる「関連団体」の枠に入れてしまうのはいささか乱暴な話です。

大分市の生涯学習指導者

話を戻します。「家庭と未来研究所」の松本雄司所長が青津和代氏のように教団外で講演したという痕跡を見つけることはできませんでした。自分から売り込んだりということはなかったものと思われますし、「氏族メシヤ~」という著作はさすがに警戒・敬遠されるはずです。

松本氏の肩書には、ほかに「APTF(真の家庭運動推進協議会)本部常任講師」や「大分市生涯学習指導者」がありました。APTFは教団の互助会で、一定要件を満たせば出産祝い金や入院見舞金が支給されます。月会費は家庭会員で3500円、個人会員で2500円です。

「真の家庭」と題する月刊の機関誌があり、連載コラム「愛の知恵袋」を執筆しているのが松本氏です。その実績から、教団外部での講演活動はなかなか難しいことになります。

問題は「大分市生涯学習指導者」です。私はてっきり定年退職者を対象にした自治体独自の制度だろうと思っていたら、「生涯学習指導者」は民間資格でした。通信教育で資格取得のうえ自治体に登録して、需要に応じて講演や指導に出向くもののようです。

2022年5月時点で「大分市生涯学習指導者」の登録者リストに松本雄司所長の名前はありませんでした。その代わり、松本平氏が登録されています。

大分市教育委員会社会教育課>まなびのガイドブック(人材編)

指導内容は「新しい家庭学講座ベストカップル養成講座(夫婦葛藤の原因と幸せ実現の法則、男と女の違いと結婚生活など)子育てポイント講座(親子の絆を深める上手な育て方・思春期の子供の心理と親の役割)」となっています。

「松本雄司 ベストカップル」でGoogle検索すると、中和新聞のバックナンバーがヒットします。2012年3月に神戸市内のホテルで「ベストカップルへの道」をテーマにしたセミナーが開かれていたようです。ちなみに、「光」は既成家庭(既婚入信者)向けの命名文字です。

それ以上のことは私にはわかりません。

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