原理研究会がCARPになったのはいつ?

日本生まれ?の原理研究会

「原理には気をつけろ」は1980年代に学生時代を送った者にとっての合言葉のようなものです。そう言われて上京して、サークルでもゼミでも同じことを言われました。当時の「原理研究会」は私の周囲では「原理」「原理研」「原研」などと呼ばれていました。

「アルキメデスの原理」とは何の関係もありません。文鮮明氏は1950年代始めに「原理原本」を執筆したとされています。その「統一原理」を学び実践するサークルです。キャンパス内やその周囲で勧誘されますが、学校公認のサークルではありません。

今は英語名称「Collegiate Association for the Research of Principles」を略して「CARP」と言うようです。いつから「CARP」が定着したのかはっきりしませんが、どうやら原理研究会は日本生まれのようです。

【2023/05/11追記】1960年代末に日本の原理研メンバーが韓国に派遣されたのが、英語表記の略称で「カープ」と呼ぶようになったのが最初のきっかけだそうです。ただ、私の学生時代は「カープ」を聞いた覚えはありません。

1964年4月日本で「全国大学連合原理研究会」設立
1964年7月日本で「世界基督教統一神霊協会」が宗教法人認可
1966年1月韓国で「原理研究会」設立
1973年米国でCARP(原理研究会)創設
▲Wikipedia「世界基督教統一神霊協会の年表」(2022/11/28閲覧)

任意団体なのに国際組織というのも不思議な話です。Wikiの「原理研究会」のページには「文鮮明が提唱する”統一原理”を研究する非営利団体」との記述があります。珍味売りを今でもやっているという話は聞きませんので、たしかに非営利ではあるのでしょう。

ただ、会費の有無については判然としません。任意団体である以上、そもそも会計に関する内部規定が法的に求められるわけではありません。国際勝共連合のような収支報告書の提出義務もありません。制約を受けない任意団体は最強なのかもしれません。名称変更に18年かかることもないのです。

民青も法的には任意団体ですが「日本共産党を相談相手に、援助を受けて活動する」旨の規約があるようです。会費が月額550円、民青新聞は月額680円と明記されています。共産党とは別組織ですが、そこを強調することもないはずです。

なお、「全国大学連合原理研究会」の設立については1969年説があります。私はまだそのソースを確認できていません。

3男の世界会長就任年は?

Wikiの「原理研究会」のページには世界会長に関する次のような記述があります。

1985年 – 創始者、文鮮明の長男、文孝進が世界大学原理研究会 (W-CARP) の世界会長に就任。
1992年 – 文鮮明の三男、文顕進が世界大学原理研究会の世界会長に就任。
2008年 – 文亨進が「世界大学原理研究会」の世界会長に就任。

Wikipedia>原理研究会(2022/11/28閲覧)

ところが、「文顕進」のページには次のように記載されています。

2000年3月31日 – 世界大学原理研究会」(W-CARP)会長に就任した。

Wikipedia>文顕進(2022/11/28閲覧)

どちらかが間違っているのかもしれませんし、いったん誰かに譲って2000年に再任されただけかもしれません。文鮮明・韓鶴子夫妻の3男・文顕進氏は1969年生まれです。名目上は大学生の組織ですので、1992年に20代前半で世界会長に就任しても不自然さはありません。1992年なら五輪連続出場(馬術)の年です。

初代世界会長の長男

実は、文鮮明・韓鶴子夫妻の長男・文孝進氏の初代世界会長就任年についても1984年説があります。

1984年、21歳で統一教会/統一協会系の学生組織「原理研究会」の初代会長に就任、1992年まで務める。

Wikipedia>文孝進(2022/11/28閲覧)

同じページの「来歴」の節では1985年です。任意団体ですので、どういう手続きで世界会長が選任されたのかわかりません。ただ単に文鮮明氏が指名しただけのことかもしれません。

1985年 – 「大学原理研究会」の世界会長に就任。

Wikipedia>文孝進(2022/11/28閲覧)

「中和新聞」の文孝進氏聖和4周年追慕礼拝(2012/03)の記事では、「1984年から94」年まで世界会長だったとの記述があります。1985年説はソースに辿り着けませんでした。長男が1994年まで務めたのだとすると、3男の1992年就任説が怪しくなります。

文鮮明・韓鶴子夫妻の7男・文亨進氏離脱後の後継者が誰なのかもわかりません。別に世界会長が空席でも支障はないはずです。「家庭連合NEWS ARCHIVE」には2010年6月の記事に「兪慶得原理研究会会長」と記載されていますが、韓国会長か世界会長か不明です。2010年なら世界会長は亨進氏の在任期間と思われます。

日本の初代会長は?

日本の会長はどうなのでしょうか。Wiki「原理研究会」のページ「沿革」には7人掲げられています。

2001年 – 統一教会副会長(当時)の徳野英治がワールドカープ・ジャパン (World CARP Japan) の会長に就任。
2002年 – 統一教会元教育局長の松波孝幸がワールドカープ・ジャパン会長に就任。
2006年 – 梶栗正義がワールドカープ・ジャパン会長に就任。
2008年 – 梶栗正建がワールドカープ・ジャパン会長就任。
2012年小畑守男がワールドカープ・ジャパン会長就任
2014年 – 本山勝道がワールドカープ・ジャパン会長就任
2021年2月 – 佐野忠国がワールドカープ・ジャパン会長就任(世界平和青年学生連合日本副会長(YSP-Japan)兼任)。

Wikipedia>原理研究会(2022/11/28閲覧)

このほか同ページには「日本の全国大学連合原理研究会初代会長の太田洪量」とする記述もあります。太田氏は1944年生まれです。「全国大学連合原理研究会」が1964年創立だとすれば、年齢的に考えにくい話です。太田氏が早生まれだとしても1964年4月の時点で満20歳です。ちょっと若すぎます。

教団の「統一運動史」には「小宮山嘉一会長、梶栗玄太郎副会長のもと全国大学連合原理研究会がつくられ」との記載があり、その第1回修練会が1964年7月に開かれたと記述されています。

小宮山氏は日本の統一教会(統一協会)初代会長・久保木修己氏の「霊の親」とされています。小宮山氏の生年はわかりませんが、久保木氏は1931年生まれであり、副会長の(先代)梶栗氏が1937年生まれです。小宮山氏が梶栗氏より若いとは思えません。

小宮山氏はハッピーワールドの前身「幸世商事株式会社」が設立された1971年に離教しているようです。後任の太田氏が初代扱いされているだけかもしれません。太田氏の就任が1969年なのだとすれば、1969年設立説に根拠があります。初代会長就任=設立と考えるのは普通です。

梶栗氏の次男

「中和新聞 速報版」のアーカイブから「CARP」と「原理研究会」でサイト内検索して日本会長の名前を抜き出してみました。

2012年4月梶栗正建・全国大学連合原理研究会会長
2013年2月梶栗正建W-CARP JAPAN会長
2013年4月小畑守男・World CARP JAPAN会長
2013年10月小畑守男・World CARP JAPAN会長
2014年10月CARPの本山勝道会長
2015年1月本山勝道・World CARP Japan会長
2015年4月本山勝道World CARP Japan会長
2015年8月本山勝道W-CARP JAPAN会長
2015年10月本山勝道World CARP Japan会長
▲ワールドカープ・ジャパンの会長(2012-2015)

小畑氏の就任はWikiにある2012年ではなく、2013年のようです。なお、京都大学新聞によれば、梶栗正建氏は梶栗玄太郎氏の次男(梶栗正義氏の弟)ということです。検索してみると、就職サポートや補助金申請代行の会社の代表取締役がヒットしますが、同姓同名の他人かもしれません。

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