宮城3区の西村明宏氏は当選3年後に議員バッジを3個購入

裏金が三塚派時代に始まったとしても…

安倍派のキックバックがいつから始まったかを問われた塩谷座長は「20数年前から始まったのでないかと思いますが、明確な経緯については承知しておりません」と3月1日の政倫審で答えています。

塩谷氏は1996年の総選挙で落選、1999年4月の補欠選挙で復活しますが、2000年6月の総選挙でまた落選しています。再復帰は2003年11月です。知らなかったとしても不思議ではありません。

一部では三塚派時代から始まったという話もあります。三塚博氏が大蔵省接待事件(俗に言う「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」)で大蔵大臣を引責辞任したのは1998年1月です。同年総裁選に三塚派から出馬したのは小泉氏で、三塚氏は12月に森氏を後継会長に指名します。

かりに三塚派時代にキックバックが始まったのだとしても、三塚氏は表で内閣や党の役職を歴任しており、この頃の三塚派は森&小泉両氏が牛耳っていました。結局、事情を知らないはずがない存命者は森氏と小泉氏の2人です。

もう1人、亀井静香氏は1998年9月に三塚派を離脱しています。もしこれ以前に始まっていれば、亀井氏も知っているのだろうと思われます。

さて、清和政策研究会の名誉会長に退いた三塚氏は2003年の総選挙で引退します。後継は三塚氏の秘書を務めていた西村明宏氏です。選挙区の宮城3区は宮城県南部になります。

200346.35%1期目
200552.26%2期目
200943.49%落選
201258.24%3期目
201454.49%4期目
201760.31%5期目
202159.27%6期目
▲西村氏の総選挙得票率
西村明宏事務所

ご丁寧に信号脇には公明党ポスターも掲示されています。

全額繰越、支出の追加記載なし

自民党アンケによれば、西村氏の5年間の不記載額は554万円です。資金管理団体「新政策研究会」(「新政経研究会」は二階氏)の収支報告書は1月31日付で訂正されています。

20180
20190
2020302万
2021146万
2022106万
5年計554万
▲西村氏の不記載額

多数派パターンの全額繰越で、支出についての追加記載は一切ありません。

2020(1/31付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額36,758,89439,778,8943,020,000
(前年からの繰越額)21,478,89421,478,8940
(本年の収入額)15,280,00018,300,0003,020,000
支出総額12,044,82612,044,8260
翌年への繰越額24,714,06827,734,0683,020,000
「新政策研究会」収支報告書(令和2年分)
2021(1/31付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額40,334,06844,814,0684,480,000
(前年からの繰越額)24,714,06827,734,0683,020,000
(本年の収入額)15,620,00017,080,0001,460,000
支出総額10,172,66910,172,6690
翌年への繰越額30,161,39934,641,3994,480,000
「新政策研究会」収支報告書(令和3年分)
2022(1/31付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額42,241,39947,781,3995,540,000
(前年からの繰越額)30,161,39934,641,3994,480,000
(本年の収入額)12,080,00013,140,0001,060,000
支出総額16,615,43716,615,4370
翌年への繰越額25,625,96231,165,9625,540,000
「新政策研究会」収支報告書(令和4年分)

衆議院の議員バッジは1万5400円

2020年の収支報告書では「議員記章」の支出があります。いわゆる議員バッジです。

議員バッジ
「新政策研究会」収支報告書(令和2年分)

国会内では身分証明書(通行証)代わりということです。バッジ着用していなかった総理時代の福田赳夫氏が職務に忠実な衛視に止められて本会議場に入れず、同行していた官房副長官の森喜朗氏に借りたという出来事もあったようです。

このため、紛失に備えて予備のバッジを購入するのはそれほど珍しいことではないようです。とはいえ、購入できるのは議員本人に限られ、秘書では難しいようです。

購入時期がちょっと不自然です。2020年の夏なら前回選挙から3年経過しています。8月に2個買って、9月にさらにもう1個買うのが紛失対策なのだろうかという疑問はあります。どうせ本物のバッジがほしいと誰かにせがまれただけではないかと邪推したくなります。

予備なのだとしても、予備が3個必要なのか、3個分を政治資金で賄うのが妥当と言えるのか、という議論はできそうです。議員バッジがあるのは日本と韓国だけだということです。弁護士バッジも少なくともアメリカにはないそうです。

仙南家庭教会

三塚博氏は「勝共推進議員」でした。三塚氏の後継者である西村明宏氏は安倍氏銃撃事件直後の内閣改造で環境大臣として入閣しています。

就任会見で問題になったのは、(1)2017年5月に衆議院議員会館で開かれたワシントン・タイムズ主催の「日米議員・有識者懇談会」と、(2)2019年6月に仙台国際センターで開催された「激動の二〇一九年 日本の行くべき道 安全保障フォーラム 宮城県大会」です。

(1)については次のように答えています。会合そのものには参加していないということです。

米国の国会議員が日本に来るということで、友人の日本の国会議員のほうからですね、「向こうの国会議員がたくさん来るので、日本の国会議員も少ないとよろしくないので、是非顔を出してほしい」という話がございました。そうした中で、ただ物理的にその時間帯は私のほうも日程がございましたので、ただ、友人の顔を立てるために、会議が始まる前にその会場に行って当時のアメリカの国会議員等々と、立ち話や名刺交換なんかはしたのではないかと思います。

環境省>西村大臣就任記者会見録 (令和4年8月10日)

(2)は「アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム」宮城県本部の主催です。西村氏は代表世話人だったことは認めましたが、「会議に参加した記憶はない、参加したかしなかったかの記録も残っていない」としています。

というわけで、旧・統一教会(統一協会)との自民党「点検」では氏名公表対象にはなっていません。宮城3区内にある教団施設は柴田町の仙南家庭教会です。

仙南家庭教会

外見上はありふれた普通の民家ですが、このような公認教会はそれほど珍しいわけでもありません。本来の意味の「家庭教会」です。玄関脇(消毒液か非接触体温計の右上)に「仙南家庭教会」のプレートが掲げられています。

2015年9月のストビューではプレートや傘立てはありませんが、ブロック塀が壊された直後のようです。移転してきたばかりなのか、あるいはこの時期に信徒の家を教会化したものと推測されます。

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