全国祝福家庭総連合会は実在したのか?

触れないことは改竄ではない

自民党の公式サイトには次のような記述があります。宇野内閣は1989年6月3日に発足し、7月23日の参院選で惨敗、8月10日に総辞職しました。

七月の第十五回参議院議員選挙では、いわゆる三点セット、すなわちリクルート問題、消費税問題、農産物自由化問題が大きな争点となり、自由民主党は、全国いたるところでかつてない苦戦を強いられ、予想を超えた敗北を喫しました。当選者は比例区・地方区あわせてわずか三十六議席と改選議席の六十九議席を大幅に下回った

自由民主党>自民党の歴史 宇野総裁時代

当時、公共放送さんは「3点セット」と報じていましたが、一般的には「4点セット」が指摘されていたように私は記憶しています。「3点」の場合は、農産物自由化ではなく指3本案件が入るのが一般的だったはずです。今さら触れるには憚られる黒歴史なのかもしれません。

光言社のWebサイトに「真の父母様と統一運動の歴史 1990-1999」というページがあります。「会長」でページ内検索すると11件ヒットします。

1993年1/7藤井羑雄氏が日本統一教会会長に就任 第3代
5月金元弼氏が全国祝福家庭総連合会総会長に就任 初代
10/10金明大氏が全国祝福家庭総連合会総会長に就任 第2代
1994年5/6小山田秀生氏が日本統一教会会長に就任 第4代
5/6黄煥寀氏が全国祝福家庭総連合会総会長に就任 第3代
1995年1/2朴普熙氏が全国祝福家庭総連合会総会長に就任 第4代
6/7櫻井設雄氏が日本統一教会会長に就任 第5代
1996年3/21日本に世界平和連合を創設(久保木修己氏が会長に就任)
6/26石井光治氏が日本統一教会会長に就任 第6代
1998年12/13久保木修己初代会長が昇華。「母奉士」のおくり名を頂く
(12/15 教会本部で世界昇華式)
1999年1/14大塚克己氏が日本統一教会会長に就任 第8代
光言社>真の父母様と統一運動の歴史 1990-1999

共通項

日本教会の第2代会長は1991年9月就任の神山威氏です。第7代会長の江利川安栄氏は1998年3月就任です。第5代全国祝福家庭総連合会総会長は1998年就任の劉正玉(​劉大行)氏です。3人とも離教しているという共通点があります。

光言社さんは歴史を捏造しているわけではありません。うっかり忘れてしまっただけかもしれません。なにしろ、光言社の年表には文鮮明氏の葬儀委員長を務めた当時の世界会長でもある7男の名前さえありません。日本会長ごときを忘れたとしても不思議ではないのです。

原理研究会の初代会長については、太田洪量氏説と小宮山嘉一氏説がありました。おそらく離教した小宮山氏に触れない配慮を加えて記述した文章がどこかにあるのでしょう。原研の初代会長・太田氏説はかなり薄くなったと言えそうです。

さて、今日の本題は「全国祝福家庭総連合会」です。組織としての実体があったのかどうか疑問ですが、総会長は次のように8人います。

初代1993-1993金元弼
第2代1993-1994金明大
第3代1994-1995黄煥寀
第4代1995-1998朴普煕
第5代1998-2007劉正玉(劉大行)
第6代2007-2009任導淳
第7代2009-2013宋榮錫(宋榮渉、宋榮徒)
第8代2013-2018宋龍天
2020-現職方相逸
▲全国祝福家庭総連合会の総会長

2018年1月11日、松濤本部で第8代総会長・宋龍天(ソン・ヨンチョン)氏の離任式が行われていますが、第9代総会長の就任式はありませんでした。「総会長」職はここで途絶えたことになります。

1991年説

旧来の総会長に相当すると思われるのが、天の父母様聖会・神日本大陸会長の方相逸(パン・サンイル)氏ですが、その就任は2020年10月29日の「神日本家庭連合新体制出発式」でした。

さて、ここで「全国祝福家庭総連合会」なるものはいったいどこに消えたのかという疑問が生じるわけです。総会長が退任して後任者は不在なのです。そもそも総会長という役職があっただけで「全国祝福家庭総連合会」の会長や副会長がどなたなのかわかりません。

2011年度の「全国祝福家庭総連合会」総会が松濤本部で開催されたそうです。参列者は150人ということです。これ以外に「全国祝福家庭総連合会」の会合が開かれたという話はありません。実体としては教団そのものということになりそうです。

【2023/11/06追記】「祝福家庭」の「総連合会」ですから、祝福結婚していない信徒は含まれないという理屈になります。「そのもの」ではありません。→「続・全国祝福家庭総連合会は実在したのか?」

初代総会長・金元弼(キム・ウォンピル)氏の就任は、光言社の年表では単に「5月」とされていて日付の記載がありません。初代の就任日が曖昧というのも不思議な話です。

金元弼氏の聖和(=逝去)◯周年追慕礼拝を伝える教団ニュースでは、その経歴が「全国祝福家庭総連合会総会長(1991年~94年)」として記載されています。総会長のポスト創設は内部的には1991年だった可能性があります。

(全国祝福家庭会総会長)
初代 金元弼 総会長 1991年(※久保木会長1991年離任)

ちゃぬの裏韓国日記>歴代 日本総会長(日本統一教会会長の実質支配者(韓国人))2022年08月19日

ちゃぬさんは久保木氏の会長退任と総会長ポスト創設はワンセットだったのだと言いたげに記述しています。「1993年5月」に総会長が突如として湧いて、その金元弼氏は半年足らずで退任したという「歴史」より納得感があります。

金元弼氏は文鮮明氏の一番弟子とされています。長女の金東淑氏は文鮮明・崔先吉両氏間の長男である文聖進氏と日本で結婚しています。というより、両親が離婚した文聖進氏を引き取っていたのが金元弼氏だったようです。

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