「預かり金」で訂正した稲田朋美氏の収支報告書

2021年の収支報告書は2万円足りない

稲田朋美・元防衛大臣が資金管理団体「ともみ組」の収支報告書を訂正したのは2月21日付です。稲田氏は自民党アンケでは5年間196万円の不記載額があったとされています。

20180
20190
20200
202196万
2022100万
5年計196万
▲稲田氏の不記載額

2021年の場合、清和政策研究会の収支報告書には「ともみ組」に対する寄付96万円が追加記載されています。

清和研の訂正(2021年)
「清和政策研究会」収支報告書(令和3年分)

ただ、稲田氏側の訂正は微妙に数値が異なります。稲田氏側の増額訂正は94万円です。

2021(2/21付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額73,138,75374,078,753940,000
(前年からの繰越額)38,586,66138,586,6610
(本年の収入額)34,552,09235,492,092940,000
支出総額43,937,49243,937,4920
翌年への繰越額29,201,26130,141,261940,000
「ともみ組」収支報告書(令和3年分)

追加記載されたのは次の2項目です。まず、「預かり金」として処理されている92万円です(A)。日付は特定されていませんが、365分の322まで絞ってあります。「不明」ではありません。

ともみ組2021年
「ともみ組」収支報告書(令和3年分)

次に、12月の「寄付」2万円があります(B)。A+Bで94万円です。

ともみ組2021年

宣誓書には次のように付記されています。

宣誓書への付記
「ともみ組」収支報告書(令和3年分)

記帳してみたら見つかった、らしい

差額の2万円がどこに消えたのかという疑問をとりあえず棚上げにして、2022年の訂正済み収支報告書をチェックしてみます。2022年は単年で約198万円の増額訂正です。

2022(2/21付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額78,799,67081,719,5602,919,890
(前年からの繰越額)29,201,26130,141,261940,000
(本年の収入額)49,598,40951,578,2991,979,890
支出総額45,506,71045,506,7100
翌年への繰越額33,292,96036,212,8502,919,890
「ともみ組」収支報告書(令和4年分)

清和研側の訂正は100万円の増額記載です。

清和研2022年
「清和政策研究会」収支報告書(令和4年分)

これに対して、稲田氏側の訂正は清和研からの「預り金」が2件で22万円です(C)。ここに計算が合わなかった2021年分の2万円が出てきます。調べた結果がこういうことなのだと思われます。

ともみ組2022年
「ともみ組」収支報告書(令和4年分)

さらに日付が特定された80万円の「寄付」があります(D)ので、これで派閥側と稲田氏側との授受は計算が合います。

ともみ組80万の寄付
「ともみ組」収支報告書(令和4年分)

これら以外に別途約96万円の不記載が見つかったようです。衛藤征士郎氏と同じパターンで、精査してみたら別件もあったということのようです。

「寄付」で処理されたBとDの82万円は現金によるキックバック、「預かり金」で計上されたAとCは口座に残っていたもので、交代した販売担当秘書が記帳して気づいたということです。

稲田氏と統一教会

稲田氏のノルマは450万で、自分で穴埋めすることが多かったそうです。政倫審ではノルマ額を問われた武田氏が2000万、塩谷氏は(衛藤氏と同額の)750万、松野氏と高木氏は540万と即答しましたが、西村氏だけは「認識していない」と明かしませんでした。

さて、「ともみ組」は同名の後援会組織もあり事務所は議員会館です。稲田氏の地元事務所は福井駅近くの手寄1丁目です。

稲田事務所

稲田氏は旧・統一教会(統一協会)との「点検」では、「関連団体の会合で挨拶」で氏名公表されています。報道されているのは4件です。

2006年4月世界平和女性連合福井県連合会の「春のつどい」で挨拶
2008年6月教団関係者が設立した後援会の設立総会で挨拶
2009年11月福井県職員会館で開催された「世界平和連合福井県大会」で挨拶
2010年4月世界平和女性連合福井県連合会の「春のつどい」で挨拶
▲稲田氏と統一教会

コメント

タイトルとURLをコピーしました