衛藤征士郎「最高顧問」82歳のノルマは750万円

自民党大分2区支部

「自由民主党大分県第二選挙区支部」は1月31日付で収支報告書を訂正しています。訂正前は党費の収入がゼロでした。

訂正前の自民党大分2区収支報告書
令和3年「自由民主党大分県第二選挙区支部」収支報告書 訂正前

これが次のように訂正されました。党費を計上するのをうっかり忘れていたようです。

訂正後の自民党大分2区収支報告書
令和3年「自由民主党大分県第二選挙区支部」収支報告書 訂正後

訂正された3年分の数値は次のとおりです。自民党の党費は年4000円(家族党員なら2000円)です。1人当たりの数値を算出して第4列に付記しました。

党費収入人員1人当たり
2020年1,171,500円1,381人848.3円
2021年988,900円1,165人848.8円
2022年966,350円1,138人849.2円
▲訂正された党費収入

端数が出ていますが、1人当たりの金額はほぼ一定です。党費の全額が支部の収入になるわけではなく、一定割合で支部に分配される仕組みになっているものと思われます。

年々減っていて心配したくなりますが、大分2区選出の代議士は1941年生まれで82歳の衛藤征士郎氏です。衛藤氏は次期総選挙が最後と語っています。大臣経験は1回のみ、民主党政権下で衆院副議長を努めたせいか、清和政策研究会では最高顧問でノルマは最高額の750万だそうです。

支部の訂正は裏金とは関係のない「事務的ミス」として許容できそうです。そんなに杜撰なのかという見方もできるでしょうし、それだけ調べたという評価ができないわけではありません。「不明」で済まそうとする議員より良心的です。

新21世紀政治経済研究所

衛藤氏の資金管理団体は「新21世紀政治経済研究所」です。衛藤氏は2月1日の記者会見でキックバックの不記載額を2019年から2021年までの1070万だと語っています。一方、収支報告書は2020年から2022年まで計1280万が1月31日付で訂正されています。

還流額訂正額
20180
2019100万
2020350万350万
2021620万630万
20220300万
5年計1070万
▲衛藤氏の不記載額

2021年は安倍派からのキックバック620万のほかに日本医療法人連盟からの10万円が不記載だったようです。

新21世紀政治経済研究所(令和3年)
「新21世紀政治経済研究所」収支報告書(令和3年)

2022年は日本公認会計士政治連盟の300万円が不記載だったようです。この機会に調べてみたところ、こうした不記載も見つかったということです。

新21世紀政治経済研究所(令和4年)
「新21世紀政治経済研究所」収支報告書(令和4年)

収支報告書の支出額は訂正されておらず、繰越額が増えているパターンです。

2020年訂正前訂正後増減
収入総額127,223,199131,723,1994,500,000
(前年からの繰越額)44,170,69945,170,6991,000,000
(本年の収入額)83,052,50086,552,5003,500,000
支出総額78,930,19078,930,1900
翌年への繰越額48,293,00952,793,0094,500,000
「新21世紀政治経済研究所」収支報告書(令和2年)
2021年訂正前訂正後増減
収入総額115,078,071125,878,07110,800,000
(前年からの繰越額)48,293,00952,793,0094,500,000
(本年の収入額)66,785,06273,085,0626,300,000
支出総額76,498,50376,498,5030
翌年への繰越額38,579,56849,379,56810,800,000
「新21世紀政治経済研究所」収支報告書(令和3年)
2022年訂正前訂正後増減
収入総額123,343,154134,143,15410,800,000
(前年からの繰越額)38,579,56849,379,56810,800,000
(本年の収入額)81,763,58684,763,5863,000,000
支出総額79,162,89879,162,8980
翌年への繰越額44,180,25654,980,25610,800,000
「新21世紀政治経済研究所」収支報告書(令和4年)

かつての「勝共推進議員」

衛藤氏は警察官だった父親が赴任していた朝鮮半島で生まれています。1971年に29歳で玖珠町(くす-まち)の町長選に当選、1977年参議院選挙で国政に転じています。1983年の総選挙で衆院選初当選後、連続13回当選です。もう1期なら衆参通算で在職50年に届く可能性があります。

Wiki「衛藤征士郎」のページ「統一教会との関係」はあっさりしたものです。

2008年3月、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の創始者の文鮮明が提唱した日韓トンネルを建設することを目指し、衛藤、民主党の鳩山由紀夫幹事長、公明党議員、社民党議員ら9人は「日韓海底トンネル推進議員連盟」を設立。衛藤は議連の会長を務めた。

Wikipedia>衛藤征士郎(2024/02/12閲覧)

この「日韓海底トンネル推進議員連盟」は2011年に解散したようです。谷川弥一氏が議員辞職しましたので、議連参加者のうち最後に残った現役議員が衛藤氏になります。なお、議連解散について、衛藤氏は次のように述べています。

旧統一教会がいかにも自分たちのイニシアチブ(主導)でやっているんだということが前面に出てきた。これは我々の言う両国政府の国家的プロジェクトの思惑から外れてしまうとの事で、私どもの日韓トンネル推進議連は解散した。

FNNプライムオンライン>旧統一教会と関係深い“日韓トンネル” 信者「献金使われていると認識」かつて推進していた自民党安倍派・衛藤議員を直撃 2022年8月27日

議連解散後、旧・統一教会(統一協会)絡みの「衛藤」氏と言えば衛藤晟一氏のほうが有名ですが、衛藤征士郎氏はかつての「勝共推進議員」の1人です。

思想新聞1990年3月25日号に掲載されたという105名の「勝共推進議員名簿」に、鈴木俊一、額賀福志郎、船田元、麻生太郎、岩屋毅の各氏らとともに掲載されています。

週刊現代1999年2月27日号に掲載された「勝共推進議員名簿」によれば、教団から5人の秘書を受け入れたことがあり「世界平和連合」の設立発起人でもあったようです。まあ、過去をいたずらに掘り返す必要はないのかもしれません。

2022年の自民党「点検」では氏名公表されていませんが、2021年総選挙翌日に久留米家庭教会で撮影されたという動画では、原田義昭、鳩山二郎、藤丸敏、岩田和親の各氏らとともに南宏彦渉外部長が票数を読み上げています。選挙支援を受けていた疑いは残ります。

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