立件見送り?
くだらない案件に巻き込まれているうちに裏金事件が展開しています。
(1)安倍派幹部らの立件見送り
(2)谷川議員が略式起訴を受け入れ議員辞職へ
本日(1/16)の読売は「不起訴とする方針を固めた」と報じています。この週末がヤマ場ですが「不起訴で調整」から1歩踏み込んでいます。もともとこの件は、郷原信郎氏が早くから「ザル法のど真ん中に空いた大穴」を指摘しており、郷原氏の見立てでは立件のハードルは高いとの評価でした。
【外部リンク】
■PRESIDENT Online>「ヤミ献金」疑惑が報じられても、捕まるのは秘書だけ…日本が現職の国会議員に甘すぎる本当の理由 2023/03/20
(以下、郷原氏のYouTubeチャンネル)
■【柿沢議員“江東区長選買収疑惑”と、急遽浮上“自民党各派閥「政治資金パーティー」疑惑”を緊急解説!】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#283
■【上脇教授と語る『岸田自民に「カネの大醜聞」各派閥が検察の捜査対象に』】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#285
■【検察の政界捜査、本当に期待してよいのか?柿沢事件捜査は河井事件よりもヒドいという見方もある!】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#292
12月に入って異様な盛り上がりを見せたことのほうが意外でした。そうなってしまうと、特捜が立件可能な証拠を掴んだのだろうと評価するしかありません。煽るだけ煽っておいて2~3切れの尻尾だけでは、世論が満たされるとは思えません。検察にとってはマイナスです。
どのみち検察が安倍派幹部を不起訴にしても、その大半は検察審査会に申立てされることになります。検察はその申立て待ちなのかもしれません。どうせこれから行われるという収支報告書の修正はフィクションです。もし数十人の裏金がそのまま金庫に残っているなら、それはそれで不自然すぎます。
あるいは、検察がもっと固い何かを見つけて、そちらの注力したいという可能性もないわけではありません。個人的にはそれほど期待値が高かったわけではなく、私は5億円なり8億円なりのリストが埋まれば満足です。
「頭悪いね」発言
さて、略式起訴を受け入れるという話が出てきた長崎3区選出の谷川弥一・衆議院議員は2003年初当選で当選7回です。Wikiには「8回目の当選」との記述もありますが、7回生です。
80歳を迎えた谷川もその煽りを受けたものの2,034票差と間一髪で逃げ切り8回目の当選。勝彦は比例復活となった。
Wikipedia>長崎県第3区(2024/01/16閲覧)
初当選同期は西村康稔氏や茂木派の加藤勝信氏になります。安部派の当選7回以上で未入閣は谷川氏だけです。長崎は10増10減で次期総選挙では選挙区の区割りが変わります。谷川氏は比例転出が決まっていましたが、議員辞職すると補欠選挙になります。
一躍有名になってしまった「頭悪いね」発言は、ちょっと気の毒な気もします。県庁前でのぶら下がり会見でしたが、あの時刻にあの場所で取材陣との受け答えに応じることはあらかじめ決まっていたものと思われます。
なにしろ82歳です。1人で建物から出てきて1人で駐車場方向に去って行きましたが、自ら運転するのだとすれば、踏み間違いが怖い高齢ドライバーです。運転手の秘書は車で待機していたと考えるのが自然です(長崎県庁のタクシー乗り場は玄関にあります)。
事前に「ペーパーを読み上げるだけで、それ以上は言わない」とのやりとりがあったのではないかと推察します。取材を申し入れたプレスの代表者としては、応じてくれたのですから、それでOKだったのでしょう。妙に詰めて撮れ高がなくなっては身も蓋もありません。
「読み上げるだけ」のつもりだったのに、聞かれたくないことを問われて「頭悪いね」になったものと思われます。「頭悪いね」は「さっきの話と違うでしょ」との翻訳が成立するのかもしれません。

【2024/01/28追記】1月22日の記者会見をフル視聴しました。不記載の理由を問われて「迷惑がかかる人がいるので言わない、私が悪いんです」と答えたのは谷川氏なりの美学なのだと思われます。略式起訴は公判が省略されて裁判所の命令が判決になります。罪と罰を受け入れているわけですので、その点は評価すべきと私は考えています。
日韓海底トンネル推進議員連盟
Wikiには次のような記述があります。
2008年3月、国家事業として日韓トンネルを建設することを目指し、自民党の衛藤征士郎、民主党の鳩山由紀夫幹事長、公明党議員、社民党議員ら9人で設立された
Wikipedia>日韓海底トンネル推進議員連盟(2024/01/16閲覧)
議員連盟は2011年に解散したということです。同ページで「メンバー」あるいは「元メンバー」と明記されているのは、なぜか自民党の6人だけです。
衛藤征士郎 | 大分2区・現職 |
谷川弥一 | 長崎3区・現職 |
保利耕輔 | 2014年引退 |
高木義明 | 2017年引退 |
保岡興治 | 2017年引退 |
野田毅 | 2021年落選 |
鳩山氏は出ていますので、残りは公明党と社民党です。人数の少ない社民党は絞られそうです。2008年当時の社民党国会議員は次のとおりです。
2004参 | 福島瑞穂、渕上貞雄 |
2006衆 | 下地幹郎、菅野哲雄、日森文尋、阿部知子、 保坂展人、辻元清美、重野安正 |
2007参 | 又市征治、山内徳信 |
渕上氏は西鉄労組、重野氏は自治労大分の出身です。正解は重野氏のようです。同じ大分の衛藤氏が声をかけたものと思われます。議員連盟ですから超党派でなければなりません。2008年当時の重野氏は幹事長です。
民主と社民が幹事長なら、公明もそのクラスでないと釣り合いがとれません。イカンザキの神崎武法氏のようです。2006年に公明党代表を退いていますが現職議員でした。
実は10人目のメンバーがいたのかもしれません。東洋経済日報(東洋経済新報社とは別企業)には国民新党の亀井久興幹事長も加入していたと記載されています。次のような記述もありましたが、まだ確認していません。
2000年9月に訪日した金大中(キム・デジュン)大統領は「韓日海底トンネル建設」の構想を森喜郎首相に提唱した。これを受けて、同年10月、ソウルで開催された第3回アジア欧州会議(ASEM)首脳会合で、森喜郎首相が日韓トンネルの共同建設を韓国側に提案した。
東洋経済日報>相互依存の韓日関係 ~日韓・韓日海底トンネル構想~ 2009/10/09
【2024/02/13追記】Wikiの「日韓海底トンネル推進議員連盟」ページが1/24に書き換えられています。「9人」とは設立時の人数だったようです。重野安正、神崎武法、亀井久興の3氏のほかに、太田誠一、仲村正治、中山成彬、東順治の各氏も明記されていますが、残念ながらソースが示されていません。
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