愛知県以外の名古屋~佐渡、猪苗代、成田、高知

唐津の名護屋城

愛知県にないナゴヤでもっとも有名なのは佐賀県唐津市の名護屋城と思われます。16世紀末、朝鮮出兵に先立って豊臣秀吉が築城したということです。関ヶ原の戦い後、名護屋城は解体され代わりに唐津城が建てられます。

名護屋城跡
名護屋城跡(地理院タイルを加工)

日韓トンネルの試掘坑がある国際ハイウェイ財団唐津事務所の所在地は「唐津市鎮西町名護屋2102-1」です。

国際ハイウェイ財団

唐津には名護屋小学校や名護屋郵便局もありますが、「名護屋」の地名は大分県佐伯市(さいき-し)にもあります。

佐伯警察署名護屋駐在所

佐渡と猪苗代の名古屋

音だけでなく漢字も完全一致の「名古屋」が佐渡島にあります。佐渡市立真野小学校や真野中学校の所在地は「佐渡市名古屋…」です。佐渡島のくびれの南側が真野湾です。

佐渡市名古屋

ストビュー画像では電柱にうっすらと「名古屋」の文字が見えます。佐渡島は東北電力管内です。

猪苗代町の「名古屋町」は現役の地名ではないのかもしれませんが、名古屋町は猪苗代小学校の学区として記載されています。

猪苗代小学校の学区
猪苗代町>小・中学校の学区指定

かつては名古屋町商店会という商店街があったようで、街灯の銘板に「名古屋町」の文字を確認できます。

猪苗代町の街灯

成田と土佐/須崎の名古屋

千葉県成田市にも「名古屋」があります。

成田市の名古屋駐在所

高知県土佐市と須崎市の市境には新名古屋トンネルがあります。土佐市側から見たストビューです。左が廃止された旧トンネルになります。

新名古屋トンネル

327mの旧トンネルは1958年開通、378mの新トンネルは1994年開通ということです。名古屋坂という峠の名前から名古屋トンネルになったようです。

さて、名古屋市の「名古屋」の由来について、さまざまな説があります。
(1)平安時代の荘園「那古野荘」から
(2)中世の武士の館「根小屋(ねごや)」から
(3)平らな地形「なぎ」の野原でナギヤ→ナゴヤ
(4)漁夫を意味する「魚子(なご)」から
(5)「なご」は方言で霧、昔は霧が多かった
(6)なごやかな気候風土だから

名古屋の由来

(6)は大喜利の世界です。(5)も薄そうです。名古屋地方気象台は必ずしも名古屋の中心部に設置されているわけではありませんが、霧日数は2022年が0日、2023年が2日です。昔は多かったと言われると否定はできませんが、頷けるものでもありません。

(3)と(4)も決定的なものではなく、有力なのはやはり(1)か(2)です。

「名古屋」は中世の武士の館を意味する「根古屋」に由来すると言い切っていいでしょう。名古屋および尾張一帯には無数の根古屋が点在していました。

中日新聞>【地名の由来2】「名古屋」はなぜ3文字なの? 2012年6月18日

中世より平安が古いわけですから「言い切っていい」ことにはなりません。で、気になるのは名古屋駅と名古屋城の間にある「那古野(なごの)」という地名です。中村区と西区にまたがっています。「なごの」読みは明治以降ということです。

那古野郵便局

名古屋城外堀の南側に那古野神社があります。こちらは「なごや」読みで、明治初期は天王社の名前で城内にあったということです。

那古野神社

ということは、(1)の荘園由来と考えるほうが妥当ではないかと思われます。

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