佐渡沖の割れ残り岩盤、懸念のアメダス相川は標高6m

「佐渡ヶ島」だったのが「佐渡島」に

日本海上の最大の島が佐渡島(さどがしま)です。私が小中高で使っていた地図帳では「佐渡ヶ島」だったはずです。いつの間にか「佐渡島」表記が優勢になっているようです。

太宰治は「佐渡ヶ島」ですが、柳田国男は「佐渡島」表記です。昔から混在していたようです。

つまり佐渡ヶ島は、「工」の字を倒(さか)さにしたような形で、二つの並行した山脈地帯を低い平野が紐(ひも)で細く結んでいるような状態なのである。

青空文庫>太宰治「佐渡」

佐渡島では特に烏賊(いか)の塩辛だけをキリゴメというそうだが、

青空文庫>柳田國男「食料名彙」

大相撲には1933年初土俵の佐渡ヶ嶌という力士がいたようです。当時は年2場所制で、幕内に上がったのが1940年です。1942年に応召され幕内通算成績は17勝28敗でした。

もともとは律令国の「佐渡国」ですので、島の表記は佐渡ヶ島でも佐渡島でもどっちでもいいとしても、読みが「さどしま」になるのは違うのではないかという気もします。初めて見た表記が「佐渡島」なら、わざわざ「さどがしま」とは読みません。

アメダス相川

2004年、島内の1市4町5村が合併して1島1市の佐渡市が発足しています。新潟港からのフェリーや高速船は両津港に着きますが、新市役所は中央部の金井地区に置かれました。1989年に閉山した佐渡金山がある相川地区には国や県の出先機関が集中しています。

佐渡島
佐渡島(地理院タイルを加工)

佐渡国の国府や国分寺は今の市役所より海寄りの真野地区に置かれていました。余震に伴う津波被害がもっとも懸念されているのは小木地区です。

相川測候所は1911年に設立されています。1995年7月に現在地に移転し、無人化されたのが2007年です。移転前は標高35m、移転後は標高6mです。ハザードマップでは5~10mの津波浸水地域です。

相川
相川(地理院タイルを加工)

相川の年平均気温

アメダス相川の年平均気温は次のように推移しています。

相川の年平均気温の推移
気象庁>相川(新潟県) 年ごとの値 主な要素

2023年は年平均気温だけでなく、月平均気温や日最高気温も更新されました。

日最高月平均年平均
138.5℃2023/8/0929.9℃2023/815.7℃2023年
238.1℃2019/8/1528.1℃2010/815.0℃2020年
337.8℃2018/8/2327.9℃1985/814.8℃2021年
気象庁>観測史上1~10位の値(年間を通じての値)

夏日の日数だけは2013年に及ばず観測史上2位タイでしたが、真夏日、猛暑日、熱帯夜は新記録です。

アメダス相川の夏日と真夏日
気象庁>相川(新潟県) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)
アメダス相川の猛暑日と熱帯夜
気象庁>相川(新潟県) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

2008年の熱帯夜は0日でしたが、2023年は34日です。

2021年~2023年の観測値

アメダス相川の最大積雪深は1936年2月の65センチです。最近では2002年12月に積雪41センチを観測しています。沿岸部ですので、そこまで雪は深くならないようです。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。

年降水量1741.0ミリ700位/1293地点
年平均気温14.9℃379位/921地点
年最高気温35.7℃363位/921地点
年最低気温-3.0℃133位/921地点
年較差38.7℃760位/921地点
年平均風速5.0m/s42位/920地点
▲アメダス相川の2021年観測値
年降水量1734.5ミリ492位/1285地点
年平均気温14.7℃389位/916地点
年最高気温35.3℃431位/916地点
年最低気温-2.0℃129位/916地点
年較差37.3℃804位/916地点
年平均風速4.9m/s44位/915地点
年日照時間1761.5時間546位/842地点
▲アメダス相川の2022年観測値
年降水量1833.5ミリ479位/1286地点
年平均気温15.7℃368位/919地点
年最高気温38.5℃80位/919地点
年最低気温-6.2℃345位/919地点
年較差44.7℃470位/919地点
年平均風速4.8m/s46位/918地点
年日照時間1904.7時間511位/847地点
▲アメダス相川の2023年観測値

合同庁舎の屋上に測風塔が設置されているようです。地上からの高さは33.8mということです。

アメダス相川の測風塔

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