解体された札幌管区気象台のミイラ男タワー

高層気象観測塔

札幌管区気象台には、私がミイラ男タワーまたはミシュランタワーと呼んでいた塔がありました。画像の中央です。影の長さでそれなりの高さだということがわかります。

2020年8月(解体前)

札幌管区気象台の風速計は地上59.7mに設置されています。地盤面からの高さは広島、岡山釧路に次いで全国4番目です。私はてっきりこのタワーのてっぺんに風速計が設置されているのだろうと思っていました。ところが、このタワーは2021年に解体撤去されています。

札幌の風速は2020年と2021年でそれほど変化はありません。

0.1分=6秒差の西

最新(2022年7月1日時点)の「地域気象観測所一覧」を確認してみました。

気象庁>地域気象観測所一覧

上段が気温や雨量の計測地点、下段が風速です。北緯43度3.6分は同一ですが、経度が0.1分だけ小さくなっています。風速計は気温などの観測露場より西に設置されているわけです。観測露場は画像の右下の芝生の矩形部分です。

ただ、この緯度経度は露場ではなく庁舎の緯度経度なのだろうと思われます。露場の南側にはブリリアタワー近代美術館前という高さ59.4mの高層ビルがあります。2007年築のこのビルは、経度については気象台とほぼ等しいとしても、緯度が小さくなるはずです。

解体されたタワーは庁舎より西に建っていて、位置関係としてはほぼ妥当でした。2021年4月の航空写真では、隣の北海道開発局の鉄塔の影が気象台の庁舎まで伸びています。この鉄塔以外には60mほどの高さの構造物はありません。

2010年8月撮影のストビューです。

札幌管区気象台の風速計は、左の鉄塔に設置されているということです。そうすると、解体されたミイラ男タワーはせいぜい50mほどの高さだったものと思われます。

もともとはレーダー塔

ミイラ男タワーは1977年築ということです。もともとはレーダー塔として建てられたものですが、周辺の高層化が進んだために気象レーダーは1995年に毛無山に移転しています。

札幌気象台と札幌レーダー
札幌気象台とレーダー(地理院タイルを加工)

レーダー移転後のミイラ男タワーは、ラジオゾンデ受信設備用の高層気象観測塔として活用されていたそうです。解体に伴い、ラジオゾンデの受信施設は庁舎屋上に移されたということです。

【外部リンク】
■北海道建設新聞社>札幌管区気象台の高層気象観測塔解体へ 2020年12月16日
■デイリーポータルZ>気象台に行ってきた 2007.9.17

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