管区気象台
管区気象台は札幌、仙台、東京、大阪、福岡の5か所に設けられています。この5分割なら、山口が福岡に属するのは理解の範囲内ですが、三重は大阪ではなく東京の管轄です。いろいろな綱引きがあったのかもしれません。
札幌で気象観測が始まったのは、函館より4年、東京より1年遅れの1876年(明治9年)だそうです。数度の移転を繰り返し、1939年から現在地で観測を続けています。
2019年5月撮影のストビューを埋め込みました。左の鉄塔は北海道開発局で、右のミイラ男タワーが気象台ですが、風速計は北海道開発局の鉄塔に据え付けられているようです。
風速計の高さは59.5mとされています。地盤面からの高さは全国4位です。これだけの市街地で風速観測しようとすると、どうしてもこの高さになってしまうのでしょう。
2001年9月から
札幌では2004年9月8日に50.2m/sの最大瞬間風速を観測しています。広島で60.2m/sを観測した台風18号です。最大瞬間風速は1962年から観測されています。年最大瞬間風速の推移は次のとおりです。
年平均風速は1951年から公開されています。1975年と1992年にも何らかの「変化」があったようですが、1960年前後に関しては何の手がかりもありません。
2001年9月27日から北海道開発局で観測しているはずです。
2020年の観測値
札幌管区気象台の2020年観測値は次のとおりです。年最高気温も年最低気温も下位の部類ですが、年較差ではそこそこの上位です。
年降水量 | 905.0ミリ | 1198位 | /1293地点 |
年平均気温 | 10.0℃ | 718位 | /922地点 |
年最高気温 | 34.3℃ | 649位 | /922地点 |
年最低気温 | -14.9℃ | 761位 | /922地点 |
年較差 | 49.2℃ | 146位 | /922地点 |
年平均風速 | 3.3m/s | 152位 | /921地点 |
年日照時間 | 1764.3時間 | 415位 | /841地点 |
過去3年間の月平均気温をグラフ化してみました。オンシーズンでないと、なかなか行こうという気にはなれません。
10年単位で平均気温の推移をグラフ化しました。1910年代の10年平均は7.0℃ですが、2010年代は9.5℃です。
2021年の観測値
2021年の観測値は次のとおりです。
年降水量 | 1089.0ミリ | 1168位 | /1293地点 |
年平均気温 | 10.2℃ | 704位 | /921地点 |
年最高気温 | 35.1℃ | 492位 | /921地点 |
年最低気温 | -12.6℃ | 668位 | /921地点 |
年較差 | 47.7℃ | 230位 | /921地点 |
年平均風速 | 3.5m/s | 146位 | /920地点 |
日最低気温が25℃以上の日は札幌では過去9回ありますが、2021年は4回ありました。年平均気温の10.2℃は観測史上1位です(統計開始1877年)。日最高気温25℃以上の夏日は27日で、これも観測史上最多でした。
二中公園とは
気象台から徒歩4~5分のところに「二中公園」という小さな公園があります。名前が気になりましたので、調べてみました。
読みは「にちゅう」です。住所的には「北3条西18丁目」ですので住所由来の名称ではありません。ここにはかつて札幌二中があったようです。
1913年(大正2年)「北海道庁立第二札幌中学校」開校
1915年(大正4年)「北海道庁立札幌第二中学校」に改称
1948年(昭和23年)学制改革で「北海道立札幌第二高等学校」に
1950年(昭和25年)「北海道札幌西高等学校」に改称
1960年(昭和35年)火災で校舎が焼失
1962年(昭和37年)札幌西高が現在地(中央区宮の森)に移転
1963年(昭和38年)「札幌女子高等学校」の校舎が竣工
1995年(平成7年)札幌女子高が「札幌龍谷学園高等学校」に改称
札幌二中は札幌西高になり、火災により2キロ西に移転しました。跡地を買い取ったのが西本願寺の龍谷学園ということのようです。1960年の札幌市の人口は61.5万人、1975年には倍増の124万人です。豊平町や手稲町を編入したとはいえ、15年で倍増した時代です。
広い土地に移転すれば規模を拡大できます。跡地には適正規模の学校ができるなら、土地を手放す道としても悪い話ではありません。学校の跡地に学校ができるわけですから、地域住民の理解も得やすいでしょう。
土地の一部を売却せずに公園として残したことになりますが、焼失当時は西高です。西高公園ではなく、なぜ二中公園だったのかはわかりませんでした。まあ、二中の1期生は1960年当時に「いい歳」になっているわけです。
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