横浜より夏は暑く冬は寒いのが東京

東京管区気象台は清瀬に移転

気象庁は2020年に大手町から虎ノ門に移転しています(元の所在地は自衛隊によるワクチン接種会場の隣です)。気象庁内にあった関東・中部の1都16県を管轄する東京管区気象台も2019年に清瀬に移転しました。観測地点は「地域気象観測所一覧」最新版に次のように記載されています。

気象観測所一覧
気象庁>地域気象観測所一覧(2021/03)

「東京」の現在の観測地点は北の丸公園です。上段が降水量と気温、下段が日照と風向風速になります。緯度は同じで経度が0.1分離れています。

アメダス東京

画像中央の◇に見える部分が気温と降水量などのメインの観測露場です。盛土になっており、盛土込みで標高25mのようです。風向風速計と日照計は右下に見える星型の建物(科学技術館)の屋上に設置されているそうです。標高20mで風速計の高さが地盤面から35.3mということです。画像左上の八角形は武道館です。

「東京」の降水量と気温については2014年12月2日に移転するまで当時の気象庁で観測されていました。旧・気象庁庁舎と北の丸公園は直線距離で1キロ弱です。風速と日照は2007年から北の丸公園での観測です。

海の見える丘公園の裏に横浜地方気象台

横浜地方気象台は、港の見える丘公園と外人墓地の間の高台です。標高39mで風速計の高さは19.8mだそうです。

横浜地方気象台
横浜地方気象台(地理院タイルを加工)

入口の看板には使わなくなった風向風速計の添えられています。2020年12月撮影のストビューです。

横浜地方気象台

横浜地方気象台は関東大震災で被災・消失し、1927年11月に現在地に移転しているようです。「東京」と「横浜」の観測地点は30キロ弱離れています。両者の過去50年間の観測値を比較してみました。

年降水量

降水量は横浜の42勝8敗です。

東京と横浜の年降水量
年平均気温

平均気温は東京の観測地点が気象庁だった時代には東京の43勝1分けですが、北の丸公園に移転してからは横浜の6戦全勝です。やはりビル街の大手町では北の丸公園より暑くなるようです。

東京と横浜の年平均気温
年最高気温

年最高気温は50年間で東京の46勝3敗1分けでした。東京の移転前の平均が1.2℃差、移転後の平均が1.3℃差ですので、年最高気温に関しては移転はあまり影響していないものと思われます。

東京と横浜の年最高気温
年最低気温

最低気温は次のとおりです。移転前の44年では東京の35勝9敗ですが、移転後は横浜の6連勝です。どうやら公園の冬は寒いようです(都市化により冬が暖かくなるというほうが適切ですが…)。

東京と横浜の年最低気温

観測露場が正式に移転する前の2年間、気象庁と北の丸公園の双方で観測が行われており、「熱帯夜は、北の丸公園の方が大幅に少ない」「冬日は、北の丸公園の方が大幅に多い」ことが指摘されています。平均気温では0.9℃違うようです。

【外部リンク】
■気象庁>「東京」の観測地点の移転について

日照時間

日照時間については、両者の差の平均は移転前の37年間が74.5時間、移転後の13年では106.9時間です。

東京と横浜の日照時間

2020年の観測値

東京の2020年観測値は次のとおりです。

年降水量1590.0ミリ775位/1293地点
年平均気温16.5℃200位/922地点
年最高気温37.3℃215位/922地点
年最低気温-2.1℃185位/922地点
年較差39.4℃693位/922地点
年平均風速2.8m/s238位/921地点
年日照時間1889.5時間306位/841地点
▲東京の2020年観測値

横浜は次のとおりです。年最低気温の0℃は下関と同じです。このため、横浜の年較差は小さいほうから全国92位です。ちなみに、大阪の最低気温は-0.1℃、名古屋は-2.2℃でした。

年降水量1687.5ミリ715位/1293地点
年平均気温17.0℃144位/922地点
年最高気温36.4℃370位/922地点
年最低気温0.0℃73位/922地点
年較差36.4℃829位/922地点
年平均風速3.6m/s123位/921地点
年日照時間2005.1時間193位/841地点
▲横浜の2020年観測値

気温の要素だけなら北の丸公園より海の見える丘公園のほうが「快適」なようです。

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