後任の衆議院議長候補は石破氏VS甘利氏?

衆議院議長

共同通信の世論調査(10/8・9)で、細田博之衆院議長の説明が「十分ではない」は87.0%、「十分だ」8.1%だそうです。国論を二分するどころか、ウクライナ東南部4州の透明な投票箱の住民投票に匹敵するような数値です。

田崎史郎氏は「僕は43年、政治記者をやる中で本当に最低の議長だとずっと思っているんですね」(10/7ひるおび)、「僕は43年間、政治を見てきて16人の議長も見てきたけど、これほど品位にかける議長はいないです。本来なら辞めるべき」(10/8ウェイクアップ)と厳しく発言しています。

田崎氏は灘尾議長のときに新人記者だったようです。

議長就任日内閣主な経歴
58前尾繁三郎1973/05/29田中幹事長
59保利茂1976/12/24福田官房長官
60.61灘尾弘吉1979/02/01大平文相
62福田一1980/07/17鈴木法相
63福永健司1983/12/26中曽根官房長官
64坂田道太1985/01/24中曽根文相
65原健三郎1986/07/22中曽根労相
66田村元1989/06/02宇野通産相
67桜内義雄1990/02/27海部幹事長
68土井たか子1993/08/06細川党首
69伊藤宗一郎1996/11/07橋本防衛庁長官
70綿貫民輔2000/07/04幹事長
71.72河野洋平2003/11/19小泉総裁
73横路孝弘2009/09/16鳩山北海道知事
74伊吹文明2012/12/26安倍幹事長
75町村信孝2014/12/24安倍官房長官
76.77大島理森2015/04/21安倍幹事長
78細田博之2021/11/10岸田幹事長
▲1973年以降の衆議院議長

昔の文相や法相もそうですが、議長もまた埃の出ないタイプが多かったわけです(そうでないタイプもいないわけではありませんが…)。細田氏が議長に就いたのは、派閥会長を退任して「一丁上がり」のポストが用意されたということだったはずです。

1946年生まれの前任者・大島氏は2021年総選挙で引退しました。細田氏は1944年生まれの後期高齢者です。

紙対応

細田氏は9月29日にペーパー1枚で旧・統一教会(統一協会)との接点を認め、10月7日に追加の調査結果を伝言ゲームで公表しました。

(1)祝電
・2017年10月15日(広島県)、2018年9月9日(鳥取県)日韓トンネル実現中国連絡協議会大会
・2021年6月20日(島根県)島根県平和大使協議会
(2)広報紙誌
・2019年12月、世界日報社より憲法改正問題に関するインタビュー記事の取材
(3-2)関連団体の会合に出席・挨拶あり
・2014年2月23日 島根県平和大使協議会(島根県)
・2016年3月6日 島根県平和大使協議会(島根県)
・2019年10月5日 太平洋文明圏時代式典(愛知県)
・2018年10月25日 国際勝共連合創立50周年記念大会(都内)
・2019年3月19日、2018年3月23日、2017年3月22日 世界平和女性連合会会合(都内)
・2021年6月11日 日本・世界平和議員連合懇談会(議員会館)
(7)選挙におけるボランティア支援
地元の関係団体が選挙において私を支持するとの意向があったことは事実であるが、具体的にどのような支援をおこなっていたかは確認できておらず、少なくとも、選挙事務所における選挙運動においては、旧統一教会やその関連団体による活動への参加は認められなかった。
(8)選挙支援の依頼、組織的支援・動員等の受け入れ
選挙支援の依頼を行ったことはないほか、組織的支援や動員等を受け入れたことはない。
(9)9月29日付の説明において記載した「日韓海底トンネル推進議員連盟」顧問については「日韓トンネル研究会」顧問の誤りであったことが判明したため、訂正する(現在は顧問を辞任している)。

遅きに失したとはいえ、これはこれで受け入れていいのではないかと思われます。

2016年参院選

細田氏に関しては、どの会合に参加した・していないは、あまり重要ではありません。2016年参議院選挙で教団票を差配したのではないかと取り沙汰されているからです。

2016年2019年2022年
徳茂雅之521,060柘植芳文600,189赤松健528,053
青山繁晴481,890山田太郎539,566長谷川秀治414,371
片山さつき393,382和田政宗288,080青山繁晴373,786
中西哲392,433佐藤正久237,432片山さつき298,091
今井絵理子319,359佐藤信秋232,548足立敏之247,755
足立敏之293,735橋本聖子225,617自見英子213,369
山谷えり子249,844山田俊男217,619藤木真也187,740
藤木真也236,119有村治子206,221山田宏175,871
自見英子210,562宮本周司202,122友納理緒174,335
進藤金日子182,467石田昌宏189,893山谷えり子172,640
高階恵美子177,810北村経夫178,210井上義行165,062
山田宏149,833本田顕子159,596進藤金日子150,759
藤井基之142,132衛藤晟一154,578今井絵理子148,630
阿達雅志139,110羽生田俊152,807阿達雅志138,994
宇都隆史137,993宮崎雅夫137,502神谷政幸127,188
小川克巳130,101山東昭子133,645越智俊之118,710
宮島喜文122,833赤池誠章131,727藤井一博特定1
水落敏栄114,485三木亨特定1梶原大介特定2
園田修光101,154三浦靖特定2
▲自民党の参議院比例区当選者

宮島氏は2016年参院選で教団の支援を受けたことを認めています。今年の参院選でも公認済みでしたが、選挙直前の4月になって出馬を見送りました。宮島氏の今回の出馬辞退は、教団票が期待できないからだとされています。今年は安倍派でしたが、6年前は細田派でした。

2016年の参院選で教団票を宮島氏に回したのが細田議長ではないかという疑惑があります。今年の参院選で教団の支援を受けた井上義行氏は、2019年参院選では8万8000票弱で落選でした。今年は約7万7000票増やして当選しています。

使い古された退路しか

衆議院議長公邸

細田氏が6年前の差配を認めるのは、今年は誰だったかを白状するのとほぼ同じことです。ダンマリを決め込むしかないのは理解できないわけでもありません。教団票を振り分けたからといって、触法行為ではないのです。

墓場まで持って行くつもりなら、もはや病気になるしかありません。78歳の後期高齢者ですから、検査入院すれば何かしらの病気は見つかるはずです。

瀬戸際大臣とは異なり、三権の長ですので、総理も口出しできないのが議長の立場です。自ら決めるしかありません。議長も法相も文科相も、誰でもいいわけでないというのは先人の知恵でした。このまま沈黙を続けて、まだ予算委員会も始まっていないのに議長不信任案の提出まで行くのでしょうか。細田氏の場合は他の案件もあります。

【外部リンク】
■青山繁晴の道すがらエッセイ>自由民主党の立候補者と ( 旧 ) 統一教会の関係をめぐって、わたしが参院選の前に行動したこと 2022-07-18

青山氏の言う「派閥の長」が2016年の細田氏だとすれば、教団の支援を断ったのはあの人に違いありません。青山氏に手紙を送った細田氏の認識は、福田達夫氏とあまり変わらないようです。

2018年7月撮影のストビューです。自民党島根1区支部(通称・細田会館)前の掲示板になります。

後任の議長候補は、石破茂氏か甘利明氏になりそうです。あとは額賀福志郎氏、船田元氏、中谷元氏、林幹雄氏ぐらいです。石破氏なら最年少議長かもしれません。

【2022/10/13追記】当選14回の細田重雄・島根県議が12日付で来春の統一地方選不出馬を表明しています。84歳ですから既定路線でしょうが、細田議長の実父・細田吉蔵氏の秘書から転じた重雄氏は国家老の役割を担っていたはずです。

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