福島県浜通りの北端・新地町はほとんど宮城

津波で流出、移設された常磐線の新地駅

常磐線新地駅の駅舎は東日本大震災の津波で流出し、停車中だった2両編成の車両2本も流されています。乗客は乗り合わせていた警察官が高台に誘導し、乗務員は跨線橋に避難して、幸いにも人的被害は免れたそうです。当時の駅舎は海岸線から600mほどでした。

残された跨線橋と流された車両

ピンクの矢印が残された跨線橋、L字とV字は津波に押し流された車両になります。駅舎は移設され、この区間の常磐線は2016年12月に運行を再開しています。

従来の線路敷は県道に転換されたようです。画像中央下部に見えるのが新駅舎です。Wikipedia「新地駅」のページには次のように記載されています。

12月10日:相馬駅 – 浜吉田駅間運行再開[11]。旧駅舎から約300m西側(地図)に移設された新駅舎で営業を再開[12][11]。

Wikipedia>新地駅(2021/02/17閲覧)

西に300mという計画が当初はあったのでしょうが、実際には南南西に動いています。乗務員が避難した跨線橋付近の2011年11月撮影のストビューを埋め込みました。

「旧地」を探せ

「新」がある以上、「旧」に相当するものがあるはずです。福島県相馬郡の新地町(しんちまち)は1889年の町村制施行の際に谷地小屋村(やちごやむら)、今泉村、小川村、杉目村、大戸浜村が合併して成立しています(当時は新地村)。

新地町役場の所在地は「新地町谷地小屋字樋掛田」ですが、役場より少し内陸にある新地郵便局は「谷地小屋字新地」です。小字としての「新地」を合併後の新しい村の名前に据えるのは、埼玉と千葉と茨城が合併して大宮県を名乗るようなものです。

新地に対する旧地(本地)に該当するのは、谷地小屋字原か谷地小屋字上ノ台、あるいは旧・小川村ではないかと思われますが、定かではありません。

新地町は福島県の浜通り北端にあります。福島空港より仙台空港がはるかに近く、県庁所在地の福島市より仙台のほうが近いという立地です。ほとんど宮城県ですが、分水嶺は県境に沿っています。

アメダス新地(地理院タイルを加工)

アメダス新地は2011年6月の観測開始です。震災後に設けられた臨時観測所の扱いになっているようで、日照時間の観測はしていません。アメダスは気象観測ですので空白地帯を埋めようというだけのことで、地震による危険度が特別に高い地域と見なされているわけではないはずです。たまたま今回は震度6強でした。

アメダス新地

アメダス観測所は町役場の敷地内にあり、標高は10mです。町のWebサイトには次のように記載されていました。

気候は春夏秋冬を通して温暖で平均気温は12℃、大変過ごしやすい気候です。

新地町>町の概要

2020年の月平均気温を仙台や福島と比較してみました。冬は3地点でもっとも暖かく、夏は内陸の福島や都市化の進んだ仙台より涼しくなっています。 「大変」はともかく 「過ごしやすい」は誇張ではありません。

新地、仙台、福島の月平均気温

2020年の観測値は次のとおりです。

年降水量1631.0ミリ749位/1293地点
年平均気温13.5℃501位/922地点
年平均風速2.0m/s494位/921地点
▲アメダス新地の2020年の観測値

年平均気温は通年観測初年度となる2012年から2014年まで12℃台でしたが、このところ3年連続で13℃台です。概要は書き換えたほうがいいのかもしれません、ほとんど宮城という立地にしては 「温暖」だと言えそうです。

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