解除のタイミングと来ないはずがない第4波

アクティブの陽性者数のピークは1月18日

累積陽性者数から死亡者数と退院・療養解除者数を引くと、隔離対象となる陽性者数が算出されます。私はアクティブの陽性者数と呼んできましたが、NHK特設サイトでは「入院中や療養中などの人の数(全国)」、東洋経済Onlineでは「入院治療等を要する者」としてグラフ化されています。

アクティブの陽性者数の推移

1週間ごとの数値を用いましたので、この↑グラフには反映されていませんが、実際のピークは1月18日の71,129人です。11月28日に20,992人で2万人を超え、2月16日が20,331人でした。2月17日は19,272人で2万人を切ったところです。

8/1013,724人第2波のピーク
10/205,031人第2波と第3波の底
11/77,904人札幌ススキノで時短要請(夜10時)
11/1813,833人中川医師会会長「秋の我慢の3連休」
11/2418,426人大阪市と札幌市がGoTo除外
11/2518,565人西村大臣「勝負の3週間」
11/2719,508人大阪で時短始まる(夜9時)
11/2820,992人東京で時短始まる(夜10時)
12/120,601人GoTo東京で高齢者等の自粛呼びかけ
12/1525,142人GoTo28日から全国で停止を発表
12/2731,098人羽田参議院議員が急死
1/746,780人1都3県で緊急事態宣言
1/1363,648人緊急事態宣言を11都府県に拡大
1/1871,129人第3波のピーク
▲アクティブの陽性者数

羽田雄一郎参議院議員が急死したのは12月27日です。検査を受けるために病院に向かっている途中でした。自宅療養者の死亡が報道されるようになったのもこの時期です。新規感染者が上向きのとき、アクティブの陽性者数が3万人に達すると事実上の医療崩壊に至ることがわかったのが第3波です。日本の医療のキャパはその程度ということになります。現実として受け入れるしかないわけです。

西村大臣が「勝負の3週間」と発言したのは11月25日でした。24日にGoToを停止した大阪では27日に時短が始まり東京も翌日から乗っかりますが、東京都と政府がGoTo停止を巡って決断を避けていた時期です。手を打たなければならないタイミングは「勝負の3週間」より前、医師会会長による「秋の我慢の3連休」だったはずです。入口の目安は1万人台半ばです。

新規感染者のピークは1月8日

全国の新規陽性者のピークは1月8日の7,949人です。発症日別の感染者数は全国のデータがありませんが、東京では1月4日がピークです。潜伏期間を5日と考えると感染のピークは12月中ということになります。緊急事態宣言によってピークアウトしたわけではないという冷酷な事実もまた受け入れるしかありません。

どうせワクチン接種は遅れるでしょうから、第4波を想定する必要があります。第4波に備えるためには、下降線にある今のうちに10都府県の一部で緊急事態宣言を解除すべきです。ここで解除するとこうなる、引っ張るとこうなるという2種のデータが得られるからです。

何が正解なのか実際のところはわからないのが実情なのですから、一方ではこれをやり他方ではあれをやることで新たな知見を手に入れるべきです。緊急事態宣言が解除された栃木の場合、まだ反転の兆しは見えていません。解除できるタイミングで解除しないと消耗戦になってしまいます。持久戦は覚悟すべきですが消耗戦は避けるべきです。

韓国ではすでに第4波の兆しが見え始めています。旧正月となるソルラルの関係だと思われます。

韓国の新規陽性者数の推移
韓国の新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大

昨年の経験から日本では3月末の第4波が懸念されます。第4波の前にいったん解除しないと、ダメージは蓄積されるばかりです。効果があるかどうかわからない高価な点滴を打ちながら入院を強いられて基礎体力が削られているのが今の日本の姿のように思われます。

Google予測値の推移

Google予測ではもう底を打って反転に入っています。

Google予測の推移
Google予測の推移

第1波ではかなり怪しい状況で首都圏の緊急事態宣言は解除されました。東京アラートはうやむやに終了して都知事選になだれ込んだわけです。スマートに解除したいなら今のタイミングでしょうし、もう1段下げるつもりでより厳しい制限をかけるのも考え方です。本来は延長の時点でそうすべきでした。

Google予測値は28日間の新規感染者数ですので、これを4で割って1週間当たりとし、さらに人口1万人当たりの数値を求めました。表の右端の「直近」は実際の人口1万人当たり新規感染者数です。東京だけ第3ステージ相当の1.5人(10万人当たりなら15人)を超えています。

2/152/162/172/18直近
北海道0.661.040.901.080.78
茨城0.591.030.991.050.67
栃木0.270.980.800.950.37
群馬0.771.281.291.360.75
埼玉0.931.501.181.471.26
千葉0.581.551.221.651.38
東京1.231.511.291.571.78
神奈川0.691.391.091.380.94
石川0.611.071.391.101.16
岐阜0.401.111.011.060.60
愛知0.430.940.821.010.60
京都0.551.341.101.220.51
大阪0.801.180.991.190.87
兵庫0.581.732.391.960.62
奈良0.381.391.271.190.47
和歌山0.500.941.101.020.39
岡山0.430.961.501.590.19
広島0.271.221.711.490.25
福岡0.871.171.051.210.96
長崎0.341.001.161.150.09
熊本0.581.262.221.720.19
沖縄1.371.841.691.980.69
▲Google予測値の推移

今日2/18のGoogle予測値では、千葉、兵庫、岡山、熊本、沖縄が第3ステージに加わります。兵庫のグラフは次のとおりです。

Google予測値(兵庫 2/18)
Google予測値(兵庫 2/18)

ここまでのV字にはならないだろうと私は思っていますが、こうなってしまったときに3月7日で解除するとモヤモヤが残ります。解除されなくても世間的には緩和に向かっているのが実情です。引っ張って効果がついてくるかどうかについて私は懐疑的に考えています。

もちろん、第4波には入口でタイムリーに対応してほしいと思っていますし、今度こそ一律の協力金ではなく事業規模に応じたものにしてほしいものです(どうせ今のままでしょうけど…)。

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