アメダス高田としては初めての40℃超
2019年はないだろうとも言われていた40℃オーバーが新潟県上越市の高田で観測されました。8月14日12時54分に40.3℃が観測されています。1922年観測開始の高田では、従来の最高気温の記録は1994年8月12日の39.5℃でした。
地名としての「高田」は全都道府県に存在しているようです。地理院地図で「高田」を検索すると746件ヒットします。埼玉は施設名1件のみですが、久喜市吉羽には高田バス停があり、その近くに高田公園もありますので、空白というわけではありません。
現存する基礎自治体で「高田」を含むのは、陸前高田市、大和高田市、安芸高田市、豊後高田市の4つです。上越市の高田は旧・高田市になります。

- 高田市(1911年に高田町が市制施行)→上越市(1971年に直江津市と合併)
- 大和高田市(1948年に高田町が市制施行)
- 豊後高田市(1954年に豊後高田町が市制施行、2005年の合併で2代目・豊後高田市)
- 陸前高田市(1955年に高田町など3町5村が合併)
- 安芸高田市(2004年に高田郡の6町が合併)
このうち陸前と安芸は清音の「たかた」です。元祖・高田市が消滅したあとに発足した安芸高田市は、郡名を新市名に用いて律令国名を冠しています。高田町や高田村は現存しませんので、△△高田市がこれ以上増えることはまず期待?できません。アメダス観測地点の名称としては、上越市の高田のほかに陸前高田と豊後高田があります。
「高田」は人名でも別に珍しいわけではありません。試しに地理院地図で「低田」を検索してみましたがヒットしません。どうやら地名の「低田」はないものと思われます。姓としての「低田」は香川県に数軒あるようです。
アメダス高田
上越市高田の観測ポイントは高田城(公園)の西側にある旧・測候所です。2007年に無人化されています。標高は13mです。

高田は城下町です。高田城は徳川家康の六男・松平忠輝が築城しています。観測所は完全な市街地にあり周囲は民家です。1971年に内陸の高田市と沿岸の直江津市が合併して上越市が成立しています。高田からは新潟市より長野市のほうがはるかに近く、北信にとっての海とはすなわち上越の海です。

地図の赤マーカーは周囲のアメダス観測所です。8月14日の最高気温2位は同じ上越市内の大潟で39.7℃でしたが、こちらは旧・直江津市の区域になります。
平均気温の推移と2020年の観測値
1930年代から10年単位の平均気温等をグラフ化しました。やはり1990年代に顕著な上昇が見られます。

2020年の観測値は次のとおりです。順位はすべて降順です。上越地方は降水日数としては世界有数の地域ですが、年間の総降水量としてはさほど多いわけでもありません。
年降水量 | 3083.5ミリ | 119位 | /1293地点 |
年平均気温 | 14.7℃ | 399位 | /922地点 |
年最高気温 | 39.3℃ | 26位 | /922地点 |
年最低気温 | -4.4℃ | 356位 | /922地点 |
年較差 | 43.7℃ | 390位 | /922地点 |
年平均風速 | 2.4m/s | 332位 | /921地点 |
年日照時間 | 1567.2時間 | 603位 | /841地点 |
日最高気温39℃以上は過去6回観測されています。1984年に2回、2018年1回、2019年2回、2020年1回です。
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