9人立候補した伊東市長選、再選挙の可能性は小さい?

2022品川区長選と2003札幌市長選

首長選挙の法定得票数は公職選挙法第95条第1項第4号により、有効投票総数の4分の1以上と定められています。どの候補も4分の1に達せず、首長選挙が再選挙にもつれたケースは過去7例あるようです。直近では2022年の品川区長選挙がそうでした。

10/2得票得票率12/4得票得票率増減
森沢恭子27,75924.5%40,69538.6%12,936
石田秀男26,30823.2%23,20822.0%-3,100
山本康行24,66921.8%20,05419.0%-4,615
西本貴子18,55916.4%11,38610.8%-7,173
村川浩一8,2797.3%7,0426.7%-1,237
大西光広7,8216.9%
石田慎吾3,1133.0%
▲2022品川区長選挙

1回目1位の森沢氏に流れたのは、主に4位・西本氏の票だったようです。投票率は1回目が35.22%で2回目は32.44%に下がりました。1回目6位の大西氏は2回目では区議補選に出馬しましたが敗れています。

政令指定都市の札幌でも2003年に再選挙が行われています。

4/13得票得票率6/08得票得票率増減
上田文雄172,51221.7%282,17041.67%109,658
石崎岳256,17337.83%
中尾則幸168,47421.2%126,48818.68%-41,986
道見重信159,78720.1%
秋山孝司97,32712.2%
坪井善明76,4059.6%
山口たか67,7858.5%
佐藤宏和54,1266.8%
青山慶二12,3151.82%
▲2003札幌市長選挙

札幌では1回目に7人立候補していましたが、再選挙に臨んだのはそのうち2人だけです。自民系と共産系は候補者を差し替えました。

7回あった再選挙では1979年の富津市長選を唯一の例外として、1回目1位の候補者が当選しています。富津の場合は1回目3位の現職が再選挙を制しました。理屈のうえでは5人以上が立候補すれば再選挙の可能性があります。

法定得票は8000票台?

今回の伊東市長選の立候補者は9人ですが、有力候補者は限られており、それほど票が分散することはないと私は思っています。10月市議選の当日有権者数は5万6471人で、投票率は59.22%でした。5万7000人として計算した法定得票数は次のようになります。

投票率有効投票法定得票
50%28,5007,125
55%31,3507,838
60%34,2008,550
65%37,0509,263
▲法定得票数

前回市長選の投票率は49.65%でした。前回や前々回市長選並みの投票率なら8000票で25%をクリアしますが、今回の投票率はやはり60%前後が期待されるものと思われます。

年齢居住地2025年2021年
利岡正基52南:池
石島明美58北:鎌田9,021
小野達也62北:宇佐美12,90216,369
岩渕完二73南:八幡野
黒坪則之64南:富戸
杉本憲也43北:宇佐美
田久保真紀55南:富戸14,684
大野恭弘58外(伊丹)
鈴木奈々子52外(戸田)
27,58625,390
▲2025年12月の伊東市長選立候補者

もし再選挙になれば、早くても2月中旬の実施となり予算編成に間に合いません。

2・4・3の乱戦

小野氏は自民推薦で、前回から公明と連合が抜けました。公明票は前回市議選で3500票ほどでしたが、それほど流出しないようですので5桁は確保するのでしょう。自民の衆院議員や地元県議も(少なくとも名目上は)支援しています。

市議選に出なかった杉本氏は国民民主と連合静岡が推薦しています。当選すれば、国民民主単独推薦の首長は初めてかもしれません。候補者では最年少ですし市議2期の実績もありますので、「反田久保・非小野」票をまとめられれば1万票超えもあり得ます。

市議選における田久保派の得票合計は多く見ても約4000票です。メディア的には注目されるのでしょうが、法定得票には遠く及ばず供託金没収ラインの10%に届かないこともありそうです。

前々回市長選で善戦した石島氏は、小野氏に対する批判票を集めただけと思われます。今回の選挙公報は「完全無所属」ですが、配偶者は立憲で市議選に当選して任期中に参政党に移り、その参政党も辞めています。

利岡氏はペンション(ゲストハウス)経営ということです。利岡氏と黒坪氏はそれなりの集票があるものと思われます。

アースリーフ

大野氏と鈴木氏は市外からの立候補で、岩渕氏は候補者中最年長の74歳で政治は未経験です。そう多くの支持があるとは思えません。

20%が2人、10%が4人なら、これだけで80%です。絶妙に票が割れると、8例目の再選挙となる可能性はあります。20%が3人になると再選挙の確率は高まりますが、先行するのは2人ですから、どちらか1人あるいは2人とも法定得票はクリアしそうです。

選挙公報の学歴記載

発端が学歴詐称疑惑ですので、選挙公報に記載された学歴だけを切り抜いてみました。選挙公報は学歴記載必須ではありません。

杉本氏の選挙公報
杉本憲也氏
黒坪氏の選挙公報
黒坪則之氏
大野氏の選挙公報
大野恭弘氏
岩渕氏の選挙公報
岩渕完二氏
利岡氏の選挙公報
利岡正基氏
鈴木氏の選挙公報
鈴木奈々子氏

公報以外も調べてみましたが、ラ・サールと函館ラ・サールがいて、立命とIBMが2人ずつです。

田久保氏はもともと公報には学歴を記載していませんでした。学歴詐称が起きがちなケースとしては、卒業証明書の提出が必要な企業への勤務経験がないという共通点はありそうです。バレるものだという認識はないのでしょう。

田久保氏が問われたのは、詐称そのものではなくその後の対応です。辞めると言ったときに辞めてさえいれば、数か月を無駄にすることはありませんでした。

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