支流の安達太良川が決壊

「本宮」という地名にうっすらとした記憶がありました。1997年4月19日、私は始発の新幹線を郡山で在来線に乗り換えて本宮駅に到着しました。まだ8時前だったはずです。駅前にはタクシーが1台だけ待っていました。

自販機でドリンクを仕入れているそのスキに、1台だけのタクシーは「乗車」になってしまいました。仕方なく駅前の通りを歩いてみたら、運良くタクシー会社の車庫があり、私は乗客になることができたのでした。

向かった先は「しらさわグリーンパーク」です。私はこの球場に11時間ほど滞在しました。帰りもタクシーでしたので、街の風景の記憶はまったくありません。駅に戻って北に向かう列車に乗り盛岡で泊まって、翌日は花巻に行きました。

当時の駅の所在地は本宮町であり、行き先の球場は白沢村でしたが、2007年に本宮町と白沢村は合併して本宮市になっています。先日の台風19号では駅前が浸水しています。

本宮駅付近(Google Earthプロ)

画像右の太い川が阿武隈川で、西から合流しているのが安達太良川です。安達太良川は左岸の東北本線鉄橋付近で決壊し、本流の阿武隈川は県道28号線の安達橋付近の左岸で越水しています。

ヤマダ電機の本宮店はすでに営業を再開しているようですが、ヨークベニマルの新本宮舘町店は浸水被害で1週間経った今もまだ休業中です。下に埋め込んだストビューは2014年7月撮影のものです。

愛宕神社は高台にあり、その奥に本宮小学校が、さらにその奥には「本宮」の地名の由来とされる安達太良神社があります。愛宕神社の鳥居の貫あたりまで浸水したようです。この神社も創建当時から避難所機能が付与されていたのでしょう。

2018/12/12 海岸から200m、標高1m

さて、本宮の周囲にあるアメダス観測地点は、西25キロの猪苗代、北8キロの二本松、南17キロの郡山です。安達太良川の源流は猪苗代の観測ポイントより手前ですから、猪苗代の数値はあまり参考になりません、

阿武隈川は栃木県境から福島県中通りを南から北に縦断して宮城県に入ります。阿武隈川の本宮観測所における水位の変化に、上流である郡山の降雨量の観測値を並べてみました。本宮観測所の氾濫危険水位は7.9mです。

10/12 11:00 0.70m  9.0mm
10/12 12:00 0.79m  6.5mm
10/12 13.00 0.99m  1.5mm
10/12 14:00 1.60m  4.5mm
10/12 15:00 1.90m  3.0mm
10/12 16:00 2.05m 10.0mm
10/12 17:00 2.50m 13.0mm
10/12 18:00 3.21m 12.0mm
10/12 19:00 4.02m 14.0mm
10/12 20:00 4.75m 19.5mm 大雨特別警報発令
10/12 21:00 5.53m 22.5mm
10/12 22:00 6.35m 22.0mm
10/12 23:00 7.35m 26.5mm
10/12 24:00 8.42m 14.0mm
10/13 01:00 9.22m  9.5mm 阿武隈川から越水
10/13 02:00 9.68m  0.0mm
10/13 03:00 9.70m  0.0mm 安達太良川左岸で内水氾濫、決壊
10/13 04:00 9.57m  0.0mm 大雨特別警報解除
10/13 05:00 9.38m  0.0mm 自衛隊に災害派遣要請
10/13 06:00 9.30m  0.0mm
10/13 07:00 9.21m  0.0mm
10/13 08:00 9.10m  0.0mm
10/13 09:00 8.93m  0.0mm
10/13 10:00 8.81m  0.0mm

午後1時の段階ではまだ1mに満たない水位でした。特別警報が出た午後8時でも氾濫注意水位の5mに達していません。本宮で雨が上がったのも午前1時ぐらいということです。