隣の芝生は本当に青い-東京の陽性率の推移

よりによって年度末に緊急事態宣言を出せるものではないというのは、現実的な感覚として理解できます。4/1説が出回るのもそういう背景があるのでしょう。私は医師会や大阪府知事の判断を支持します。封鎖は別の問題として、4/1で出せないなら4/2です。

中国がWHOに対して新型コロナに関する最初の報告をしたのは12月31日です。即日、台湾政府は注意喚起を発し、武漢からの帰国便に対して検疫官の機内立ち入り検査を実施しています。日本の厚労省が最初の注意喚起を行ったのは正月休み明けの1月6日でした。

日本政府が小中高校の一斉休業を要請したのは2月27日です。春節明けの新学期スタートを延期していた台湾では2月25日に学校を再開しています。延期中に全校施設を消毒のうえ、マスクや消毒液だけでなく非接触式体温計まで配布するという手際の良さです。隣の芝生は青く見えます。

東京都の防災ホームページから拾ってみました。

3/3(火曜日)自宅療養
3/4(水曜日)出勤(マスク着用あり)、その後都内医療機関C受診
3/5(木曜日)~3/6(金曜日)出勤(マスク着用あり)
3/7(土曜日)~3/9(月曜日)自宅療養
3/10(火曜日)都内医療機関C再診
3/11(水曜日)自宅療養
3/12(木曜日)出勤(マスク着用あり)
3/13(金曜日)都内医療機関Dを受診し、そのまま入院
3/15(日曜日)陽性判明

(第86報)新型コロナウイルスに関連した患者の発生について

60代の男性教員です。3/10の再診時に検査に回しておけば、3/12の出勤はなく職場での濃厚接触者も少なくて済み、家庭内感染のリスクも軽減できるはずです。

3/2(月曜日)~3/9(月曜日)自宅療養
3/10(火曜日)都内医療機関G受診
3/11(水曜日)~3/15(日曜日)自宅療養
3/16(月曜日)都内医療機関G再診
3/17(火曜日)自宅療養
3/18(水曜日)都内医療機関G再診、その後都内医療機関H受診
3/19(木曜日)陽性判明、都内医療機関I入院

(第97報)新型コロナウイルスに関連した患者の発生について

50代自営業の女性です。自営業がもし個人商店だとすれば、自宅療養しても家族を通じて感染を広げる可能性はあるわけです。

3/6(金曜日)夜中に発症
3/7(土曜日)~9(月曜日)自宅療養
3/10(火曜日)~13(金曜日)出勤(マスク着用)
3/14(土曜日)~15(日曜日)自宅療養
3/16(月曜日)都内医療機関P受診
3/17(火曜日)~18(水曜日)自宅療養
3/19(木曜日)都内医療機関Q受診
3/20(金曜日)~22(日曜日)在宅療養
3/23(月曜日)陽性判明、都内医療機関R入院

(第104報)新型コロナウイルスに関連した患者の発生について

40代女性会社員です。発症から陽性確定まで2週間以上かかっています。ここまで引っ張れば家庭内感染は避けられないでしょう。こうした形での公表は3月24日が最後です。

東京の新規感染者数は3/25から3/29まで41人→47人→40人→63人→68人と推移しています。詳しい公表ができない段階に入ったわけです。東京の検査数は次のとおりです。

東京の検査数
新型コロナウイルス病原体検査 実施日別状況

3/30の東京の新規感染者は13人に減りました。昨日の検査数はまだ公表されていません。100人しか検査しないのなら、100人以上の感染者が出るはずがないという理屈になります。クラスターつぶしの作戦は東京では破綻しつつあります。

東京の検査数と陽性率

【2020/04/03追記】
東京都の検査数については「都内の最新動向」の検査実施人数のグラフで読み取ることができます。3月30日の検査数は41人でした。陽性患者数のグラフに示された数値を検査実施人数で割って陽性率を算出したかったのですが、検査ゼロなのに陽性ありの日があります。検体採取の日と検査結果の判明にタイムラグがあるためだと思われます。

そこで、検査数と陽性確認者の3日間の合計値で陽性率を算出してみました。カッコ内は3日間最終日の検査数と陽性者数です。陽性率が10%未満なら検査が追いついていないとは言えないと思っていますが、20%以上では検査不足を指摘されても仕方がないはずです。

3/12-14 7%(検査71、陽性10)
3/13-15 12%(検査0、陽性3)
3/14-16 14%(検査19、陽性0)
3/15-17 17%(検査71、陽性12)
3/16-18 11%(検査105、陽性9)
3/17-19 12%(検査49、陽性7)
3/18-20 16%(検査15、陽性11)
3/19-21 23%(検査44、陽性7)
3/20-22 34%(検査0、陽性2)
3/21-23 25%(検査56、陽性16)
3/22-24 27%(検査74、陽性17)
3/23-25 33%(検査95、陽性41)
3/24-26 41%(検査87、陽性47)
3/25-27 39%(検査143、陽性40)
3/26-28 32%(検査244、陽性63)
3/27-29 24%(検査330、陽性68)
3/28-30 23%(検査41、陽性13)
3/29-31 31%(検査145、陽性78)
30-4/01 45%(検査164、陽性66)
31-4/02 31%(検査469、陽性97)

愛知の検査数と陽性率

【2020/04/13追記】
愛知県では3月23日から4月9日までの18日間で、検査数3052件のうち陽性数が157件ですので、陽性率は8.9%です。東京の検査数は3月23日~25日の3日間で225件ですが、愛知は446件です。3月31日~4月2日の3日間では東京778件に対して愛知は580件です。愛知県の人口は東京の55%程度です。

3/23 2.2%(検査93、陽性2)
3/24 1.6%(検査189、陽性3)
3/25 3.7%(検査164、陽性6)
3/26 1.7%(検査181、陽性3)
3/27 1.1%(検査182、陽性2)
3/28 2.9%(検査140、陽性4)
3/29 5.6%(検査54、陽性3)
3/30 3.1%(検査98、陽性3)
3/31 3.3%(検査239、陽性8)
4/01 4.0%(検査126、陽性5)
4/02 3.3%(検査215、陽性7)
4/03 6.0%(検査199、陽性12)
4/04 9.1%(検査209、陽性19)
4/05 10.3%(検査68、陽性7)
4/06 8.9%(検査123、陽性11)
4/07 7.9%(検査266、陽性21)
4/08 7.6%(検査262、陽性20)
4/09 8.6%(検査244、陽性21)

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