活動休止が妥当だとは思わないけれど…

ガキではなく餓鬼

一般的に「がき」という言葉を聞いたときに思い浮かぶのは、子供の俗称としての「ガキ」です。「ガキの使いやあらへんで」の「ガキ」です。すくなくとも私はそうです。「がき」と聞いて、頭頂部に髪がないザンバラで手足は痩せてアバラが浮き上がり腹だけが出ている仏教の「餓鬼」のことだと判断するには文脈を読まなければなりません。

「丁寧な暮らしをする餓鬼」と題する4コマ漫画があります。仏教画で描かれる餓鬼は一般的に首が紐のように細く描かれることが多いはずですが、この漫画のガッキーは首がないと言ってもいいほどです。私の見た限りではガッキーはいつも左を向いています。

【外部リンク】(このリンクは別タブが開きます)
■株式会社KADOKAWA>丁寧な暮らしをする餓鬼

好評のようです。株式会社Qualiaさんはガチャガチャ用に「丁寧な暮らしをする餓鬼」のフィギュアとアクリルキーホルダーを発売しています。6種のキーホルダーは例外なく左向きです。フィギュアは立体ですから、ガッキーの顔の右側を拝めるはずです。

いずれにせよ、「ガキ」ではなく「餓鬼」を言葉で説明しようとするのはなかなか難しいことだろうと思われます。

たこ虹の「家にいるTV」

第1波の緊急事態宣言は4月7日でした。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に発出されています。その翌日から始まったのが、たこやきレインボーの「家にいるTV」です。You Tubeで5月31日まで45回配信されています。6月以降は「家にいるTVリータンズ」として原則土曜日の週1回配信でした。

私はPCに向かっているとき、You Tubeを自動再生しています。いわゆる作業用BGMのつもりですので、視ているのではなく聴いているだけです。基本は自動再生ですから、(私にとって)妙な動画が始まると適宜軌道修正します。見ることはあまりありません。

「家にいるTV」を意識したのは、第2波が終わりかけた8月後半だったと記憶しています。チャンネル登録して、たこ虹の動画を遡るようになりました。第3波が始まった11月にはリアルタイムで見る(聞く)ようになったものと思われます。

たこやきレインボーの5人は、通称「たこ虹ハウス」で共同生活しています。したがって、活動できない自粛期間中でも5人揃って配信に参加することができたわけです。動画の内容は夕食を作って食べるだけです。トークに台本があるわけではありませんが、いろいろブチ込んでくれます。

というわけで、問題の発言があった日も私は聞いていました。リアルタイムではなく30分遅れぐらいだったかもしれません。アイドルの動画で聞ける言葉ではありませんし、えっ?と思ったのは事実です。一部報道で伝えられている「魑魅魍魎」の読み間違いということではありません。

穢多非人発言

「丁寧な暮らしをする餓鬼」のキーホルダーをガチャガチャで見かけたと言った後、「餓鬼」を説明するのに「昔で言う穢多非人」の発言が続いたと私は記憶しています。そのときの私は「丁寧な暮らしをする餓鬼」の漫画を知りませんでしたが、危ない発言だとは思いました。

まず「丁寧な暮らし」と「餓鬼」が容易には結びつかないのです。「ガキ」ではなく「餓鬼」のことなのかと疑い出した頃に不適切発言がありました。アウトかセーフかで言えばアウトです。餓鬼の姿をしているのが穢多非人と聞こえてしまうからです。

このYou Tube動画は問題部分がカットされてアーカイブが残っていたはずです。1月23日の配信分ですが、10日経ってから活動自粛が発表され、問題の動画は削除されています。リアルタイムの視聴者は1000人からせいぜい2000人です。

弊社はこの度の事態を重く受け止め、本人およびご家族と協議の上、春名真依の芸能活動を当面の間自粛することといたしました。
また、所属事務所として、今後二度とこのような事態が起こらないよう、本人ならびにメンバー、スタッフへの教育を徹底し、信頼を取り戻すべく全力でサポートしてまいります。

ご不快に思われた方へ謝罪申し上げますとともに、ファンの皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。

たこやきレインボー>春名真依(たこやきレインボー)に関するご報告とお詫び

「ご不快に思われた方」の強いアクションがなければ、こういうことにはなりません。既視感のある文章構成と言い回し、10日のタイムラグからして、俗に「糾弾」と呼ばれる行為が行われた帰結だろうと想像できます。10日の間に誰かがタレコミに動いたということにもなるはずです。

相手は交渉のプロフェッショナルですから、明示的に活動自粛を求められたわけではないはずです。来月のワンマンライブでは5人揃った姿が見られるものと期待しています。そうでなければ罪と罰のバランスがとれません。萎縮することなく復帰してほしいと願っています。「私は私やねんから」です。

スタダの「…ご報告とお詫び」は非の打ち所がないほどにすぐれた文章です。お詫び文書作成の際の見本になります。私なら、相手方に対してこういう内容で掲載しますということを事前に示します。そうでないと、火に油を注ぐことになりかねないからです。「添削」が入るかもしれませんが、基本的には受け入れます。ここに至るまでにはそれなりのやりとりがあったはずです。すぐれたサンプルにならないはずがありません。

なお、国宝の餓鬼草紙をGoogleアートで見ることができます(↓)。解説付きです。

【外部リンク】
餓鬼草紙(京都国立博物館)Google Arts & Culture

名作は「おかえりなさいませ ご主人様」

「家にいるTV」の最高傑作がこれです。普段の配信と違って、この日は設定がありました。

毎日配信の時期ですから台本などあるはずもなく、リハもないでしょう。設定だけは事前に打ち合わせていたにせよ、99%アドリブの世界です。さすがにこの回は全編を見ました。もう数回は再生しています。これはBGMでは済みませんでした。


【2021/02/23追記】

たこ虹の5人の誕生日は次のとおりです。当人は20歳になったばかりで(ほぼ10代とは言えますが)厳密には10代ではありません。どうせ活動が制約される緊急事態宣言中ですので、活動休止と言ってもそれほどのダメージはありません。

「おかえりなさいませ ご主人様」の前日に配信された「らっしゃい!! 刺身定食!」も傑作の部類です。なぜ、こういう↓ことになったかは43:53から見るとわかります。

たこ虹の家にいるTV#16 らっしゃい!! 刺身定食!

「みなさん、白ごはんのサイズがS、M、L、日本昔ばなしとあるんですけど」と振ったのはまいまい、ビジュアル要素を考えて悪ノリしたのがさくちゃん、練り生姜を日本昔ばなし盛りにしたのがれんれん、魚を捌いて刺身を作ったのがくーちゃん、普段は安定のシェフを務めるのがさきてぃです。

この機会に咲良には「一緒に帰ろう」の2番を作ってほしいものだと思っています。5人揃ったときにフルコーラスで披露するという展開につなげていけばいいのです。

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