6/9の香港100万人デモ

香港における一連の抗議活動は、6月9日(日)のいわゆる100万人デモから始まっています。もちろん、いきなり100万人も集まるはずもなく前史はあるわけですが、この日は一種の「記念日」になっているようです。明日でちょうど半年です。

主催者発表が103万人、警察発表が24万人です。どこの国でもこの程度の開きはあるもののようですが、香港では返還後最大規模であることには変わりはないようです。まあ、主催者も警察も正確な数値を把握することはできないはずです。

6/7付「日経」には、デモ主催者の民陣(民間人権陣線)が30万人規模の参加を見込んでいるとの記述があります。6/10付「香港BS」にも、警察は当初予定していた3車線の歩行者天国を6車線に拡大したとの記載があります。

6/9の100万人デモ
6/9の100万人デモ(Google Earthプロ)

おそらくデモ申請の段階では30万人だったのでしょう。見込みより参加者が膨れ上がったのだとすると、その実数の把握は一層困難になるはずです。午後3時開始予定が30分繰り上げ、デモの最後尾が出発したのは午後6時半と伝えられています。

香港当局によれば6/9のデモはビクトリアパーク→添馬公園だけでなく、全土で行われたようです。だとすると、主催者側の数値はこれを含んでいるのかもしれません。また、デモが長時間に渡るなら、その一部だけ参加した人もいたはずです。

垂直都市の香港では各所に歩道橋(正確にはペデストリアンデッキ)があります。歩道橋上でプラカードを掲げている人をカウントすべきなのかという問題もありそうです。一方、警察発表の24万人とはピーク時の数値だそうです。

結局、数値のズレは必ずしも思惑だけに引きずられた「誇大表示」なり「過少申告」なりと決めつけるわけにはいかないものかもしれません。カウントのしようがないのが実情だと思われます。

数値の比率が4対1なら、主催者発表の半分と警察発表の2倍はほぼ一致します。それが真実に近いのかもしれません。香港の人口は約750万人です。6/9の100万人デモの参加者が50万人だったとしても、東京に換算すれば90万人以上です。

デモ隊と警察の衝突は6/9から始まっています。主としてデモ終了後の6月10日未明のことと思われます。3~5月のデモでは衝突したという報道を確認することはできませんでした。この日の逮捕者は19名ということです。

6月12日には立法会で逃亡犯条例の審議が再開される予定でした。6/9という設定はこれを睨んだものであり、デモ終着点の添馬公園は立法会の建物の前で、隣が行政庁です。今日(12月8日)は国際人権デーのデモが行われ、主催の民陣は80万人と発表したそうです。

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