東京の新型コロナ新規感染者数が50人超で推移し、第1波の残り火がくすぶり続けています。今日6月30日は東京アラートに代わる新しいモニタリング指標が発表されることになっています。東京アラートには次のような7つの指標がありました。
- 新規陽性者数
- 新規陽性者における接触不明率
- 週単位の陽性者増加比
- 重症患者数
- 入院患者数
- PCR検査の陽性者率
- 受診相談窓口における相談件数
このうちもっとも肝心な数値は私の理解するところでは(4)の重症患者数です。厳密に言えば、患者数ではなく大阪のように病床利用率でなければなりません。あるいは空きベッド数であるべきです。
東京の重症患者数は6月29日時点で13人と発表されています。ピークは4月28日と29日の105人で、6月1日時点では29人でした。重症者数が増えていないのなら、さほど深刻な状況ではありません。
もう1つの重要な指標は(6)の陽性率です。実は陽性率については東京は微妙に上昇傾向にあります。6月29日時点で発表されている6月26日までの数値を新規感染者数とともに1週間単位でグラフ化してみました(移動平均ではありません)。
折れ線グラフの陽性率は右目盛りの%です。東京の陽性率は4月10日の週がピークで、5月22日の週は0.8%でしたが、その後は1.6%→1.6%→1.7%→1.9%→2.7%です。次の1週間もまた増えるのでしょう。陽性率は5%以内でおさえておきたいところです。
これまで大阪の死亡者数は85人で東京は325人ですが、やはり春分の日からの3連休で明暗が分かれています。オリンピックのために東京は検査を控えているのではないかとも言われていた頃です。
東京検査 | 東京陽性 | 大阪検査 | 大阪陽性 | |
3/18(水) | 101 | 4 | 114 | 5 |
3/19(木) | 44 | 5 | 101 | 2 |
3/20(金) | 15 | 6 | 128 | 4 |
3/21(土) | 44 | 0 | 45 | 2 |
3/22(日) | 1 | 0 | 52 | 6 |
3/23(月) | 56 | 12 | 47 | 3 |
3/24(火) | 74 | 14 | 172 | 8 |
3/25(水) | 95 | 27 | 99 | 7 |
3/26(木) | 87 | 27 | 138 | 7 |
3/27(金) | 143 | 32 | 153 | 20 |
3/28(土) | 244 | 49 | 191 | 15 |
3/29(日) | 331 | 46 | 82 | 17 |
12日間 | 1,235 | 222 | 1,322 | 96 |
3連休前日の3月19日は北海道が独自の緊急事態宣言を解除した日ですが、同時に京阪神間の往来自粛要請があった日でもあります。東京は3連休中に60人しか検査していませんが陽性者は6人ですので、この3日間の陽性率は危険水域の10%です。一方の大阪は倍の12人が陽性でしたが陽性率は5.3%です。
この当時、東京の検査数は陰転検査を含む形でしか発表されておらず、陽性率を算出できる態勢にありませんでした。3月24日に五輪の1年延期が決まり、翌25日に「ロックダウン」会見があります。
新しい指標がこの期に及んでという指標でないことを期待しています。
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