「他社より10%OFF」と言うのなら

大分県日田市の天ケ瀬温泉街で被災住宅に危険度を示す張り紙がされているというニュースは、市が10日に注意喚起を促し、同日のNHKローカルと翌日付の地元紙・大分合同新聞が報じたものです。これに「ねとらば」さんが食いつき、Yahoo!ニュース等で配信されたのが12日です。

▲【2020/07/15追記】その後の毎日新聞やテレビ西日本(FNN系)の報道によれば、張り紙が確認されたのは13軒で、福岡の業者だそうです。

今回の大雨による被害を受けた住宅に、建物の危険度を示す貼り紙(左記写真)が見受けられますが、危険度の判定内容については信頼できる判定結果であるか確認が取れていません。市では7月10日現在、応急危険度判定士の資格を有する職員が危険度判定を行っています。今後、被災された住宅について危険度判定を希望される方は、下記までご連絡ください。

日田市「住宅の貼り紙に注意してください(7月10日午前9時現在)」

張り紙は次のようなものです。おそらく黒塗り部分に業者名や連絡先が記載されているものと思われます。福岡や熊本では出回っていないようです。

偽の住宅危険度評価の張り紙

本当に「他社より10%OFF」なら、地元業者に1000円の見積りをもらって900円で施工してもらえばいいのにと思ったりもしますが、小さく「※ご希望に添えない場合がございます」と付記されています。

本物の危険度評価の張り紙は、紙の色自体が赤(危険)・黃(要注意)・青(調査済)です。「応急危険判定」で画像検索すれば相当数がヒットするはずです。さて、熊本県警の防災情報にはこんなものもありました。

 昨日(7月6日)、八代市坂本町にお住まいの方に対し、業者を名のり、
〇 被災されましたよね
〇 保険請求のお手伝いをさせてください
〇 被害状況の写真撮影に来てもいいですか
などという電話が架かってきています。
 このような電話は、災害に便乗した悪質商法等のアポ電の可能性がありますので、被害に遭わないために
〇 すぐに契約をしない
〇 不要であればきっぱりと断る
〇 会社名などを確認し、インターネットなどで調べる
〇 家族や警察などに相談する
などの防犯対策をお願いします。
八代警察署生活安全課

熊本県警「ゆっぴー安心メール」

 7月7日(火)午後0時頃、人吉市下林町において、男4人が水害の後片付けをしていた民家を訪問し
〇 県からの要請で調査に来ました
〇 浸水高を測らせてください
と声をかけ、家屋を計測したり、写真を撮るという事案が発生しました。
 男達の特徴は、
〇 年齢30代から40代
〇 作業服
〇 ヘルメット着用、計測用機材持参
でした。
 県から要請した事実はありません。
 豪雨災害の発生に伴い、留守宅を狙った空き巣や被災家屋の修理を名目にした悪質商法が懸念されますので
〇 戸締まりを確実に行う
〇 貴重品を自宅に残さない
〇 修理工事等の契約は慎重に行う
などの防犯対策をお願いします。
 また、不審者の訪問を受けた際には、警察へ通報してください。
熊本県警察本部生活安全企画課

熊本県警「ゆっぴー安心メール」

 本日午前11時00分から午前11時30分までの間、熊本県球磨郡あさぎり町において、黄緑色作業着上下の男性2名が「県から委託を受けた〇〇測量の者です。大雨による被害状況の調査を行っています。おたくの被害状況を確認し、写真撮影させてください。」と言い、一般住宅を訪問するという不審者事案が発生しています。
 現時点、県関係者が一般住宅を訪問し、被害状況を調査するという事実はありません。
 今後、このような人物らの訪問があった際は、110番通報もしくは多良木警察署までご連絡ください。
多良木警察署

熊本県警「ゆっぴー安心メール」

このスピード感はさすがに民間業者です。張り紙に記されているお問い合わせの「受付時間」は19:00までです。公的機関で19:00終わりは珍しいかもしれません。

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