第2波とのせめぎあい-イスラエルは2週間後の日本なのか

新型コロナの新規感染者数を1週間ごとにグラフ化したとき、日本と同じような形のグラフを描いている国があります。イスラエル、ルーマニア、セルビア、オーストラリアです。

イスラエル、ルーマニア、日本、セルビア、オーストラリアの新規感染者数の推移

イスラエルは4月6日までの1週間が第1波のピークで新規感染者は4209人でした。5月25日までの1週間は91人まで落ち込みました。7月6日までの1週間は6308人で第1波を超え、最近の1週間は1万人オーバーの新規感染者が出ています。

ルーマニアは4月13日までの1週間の2576人が第1波のピークです。6月1日までの1週間の1115人がやや浅めながら谷底です。7月6日までの1週間は2641人で第1波を超え、最近の1週間は5191人です。

日本のピークはルーマニアと同じ4月13日までの1週間で3663人です。5月25日までの1週間は213人で、最近の1週間は3581人で完全なリーチ状態です。旧ユーゴのセルビアは4月20日までの1週間の2576人が第1波のピーク、6月1日までの1週間が237人、最近の1週間は2614人と第1波を超えました。日本よりほんの少し先を歩いています。

オーストラリアのピークは3月30日までの1週間で2679人でした。6月8日までの1週間は46人と抑え込んでいたものの、最近の1週間は2177人です。来週には第1波をしのぐものと思われます。

今のイスラエルは2~3週間後の日本を映しているかもしれません。注目する価値はあるはずです。

イスラエル

赤枠のヨルダン川西岸地区とガザ地区はパレスチナ国です。正式に国連加盟していませんが、国連総会のオブザーバー参加は認められています。パレスチナを国家承認していないのは、アジアでは日本、韓国、シンガポール、ミャンマーの4か国です。赤枠内すべてにパレスチナ政府の実効支配が及ぶわけではありません。パレスチナは独自に陽性者数等を発表しています。

シリア国境のオレンジ色はゴラン高原です。レバノンとヨルダンを含めて領有権の争いはありますが、実効支配しているのはイスラエルです。ゴラン高原に関しては、日本を含めて大多数の国がイスラエルによる領有を認めていません。新型コロナの陽性者数等はオレンジは含んで赤は含まないと私は理解しています。

外務省の基礎データによれば、イスラエルの面積は2.2万平方キロ、人口は888万人とされています(ゴラン高原を含むようです)。イスラエルが国内の移動制限を始めたのは3月半ばです。

(追加となった措置)
1 行動制限措置の主な内容(イスラエル保健省発表)
・ 在宅勤務が困難な業務,食料品及び医薬品の調達,医療機関の受診等の真にやむを得ない用件を除き,外出はしないこと。子連れの家族又はペット連れの個人の外出を除く
・ 公園,運動場,ビーチ,プール,図書館,スポーツ施設,博物館,美術館,国立公園(自然保護区),庭園及びその他の公共施設への訪問は禁止
・ 自家用車(私用車)での外出は1人,または,居住を共にする家族のみ同乗が認められる(緊急でない治療のために誰かを移送する必要がある場合を除く)
2 上記1を受けた,公共交通機関(鉄道,バス,ライトレイル)の運行制限の内容(イスラエル運輸省発表)
・ 3月18日以降,平日(日~木)の20時以降の運行を停止
・ 週末は運行せず,木曜日20時から日曜日朝までの運用を停止
【参考情報】
(既に実施されている制限措置)
・ 全ての教育施設の閉鎖
・ 飲食店の営業中止
・ 娯楽施設(モール,映画,劇場,動物園,プール,スポーツジム等)の営業中止

在イスラエル日本国大使館「イスラエル当局による新型コロナウイルスへの対応等に関する情報提供 3/17」

3月25日にはさらに強化されます。

(新たな措置の主な内容:イスラエル保健省発表)
1 新たな措置は3月25日17時から7日間有効
2 居住地からの外出は以下の条件を除き禁止
・ 規則により許可された職場への通勤
・ 食料品,医薬品,その他必要な物品の購入,又は不可欠なサービスの享受
・ 医療サービスの享受
・ 単独又は居所を共にする者との短時間かつ居所から 100m 以内の範囲での外出
・ 親が必要不可欠な外出をせざるを得ず,同子女を居所に残すことができない際の子女の送迎
3 公共交通サービスの制限
・ 公共交通サービスは,現状から 25%に削減
・ タクシーの乗車は,(乗客)一人までとし,医療上必要な場合のみ同乗者を認め,かつ乗客は後部座席に座り窓を開けた状態とする
4 その他制限
・ 公共スペース及び職場において,少なくとも 2 メートルの間隔を人と人の間で維持する
・ 自家用車での不可欠な外出は,最大 2 名まで。職場への送迎サービスも制限を順守する下で許可される
5 禁止事項の違反は刑法犯となり,違反者に罰金を課すことも可能であり,関連規定の執行のため警察官に権限が付与された

在イスラエル日本国大使館「イスラエル当局による新型コロナウイルスへの対応等に関する情報提供 3/25」

これらの規制措置はその後一時的に強化されますが、5月4日以降は段階的に緩和されます。6月から感染者が増え始め、最新の規制は次のとおりです。

● 7月17日、イスラエル政府は、新型コロナウイルス感染者の増加を受け、感染防止のため規制強化策を発表しました。これらの規制のうち、邦人の皆様の生活に影響する主な内容を以下のとおり知らせします。
現在のルールの下では、内閣は新しい制限を即座に課す権限を持っており、その後、クネセット(イスラエル国会)がそれらの承認又は取消しについて決定することができます。今後も制限措置の動向にご注意ください。
1 7月17日17時から適用される制限措置(終了日は明示されていません)
・ スポーツ用のジム及びスタジオの閉鎖(競技選手用を除く)
・ レストラン及び食堂の店内営業・利用の禁止(テイクアウトと宅配サービスのみ営業を許可)
・ ホテル内のレストラン及び食堂内の滞在人数を35%まで制限
2 今後の週末(金曜日17時から日曜日5時(午前)までの期間)適用される制限措置
・ 外出における距離制限は課されない
・ ビーチにおける遊泳の禁止(直近の週末に当たる17日、18日を除く)
・ 商業店舗、モール、小売業、理髪店、美容サロン、図書館、動物園、美術館、展示場、公衆プール、観光地域及びケーブルカーの閉鎖
※ 上記制限は、不可欠なサービスである食料、医薬品、衛生製品店や通信機器を扱う施設等には適用されない。
※ 上記制限は、ホテル内の遊泳プールには適用されない(プールの利用はホテルの宿泊客に限る)。
● また、同日、上記に加えて、感染拡大防止の観点から群衆を減らす方針の下、以下の制限措置も合意されました。
なお、教育機関の閉鎖に関しては現時点で結論が出ておらず、継続審議となっていますので、今後の動向にご注意ください。
1 集まりの制限(閉鎖された空間では最大10人、開放された空間では最大20人まで)
2 官公庁での受付窓口の削減(オンライン受付を除く)
3 官公庁職員の出勤制限(50%)
4 職場における食堂の閉鎖

在イスラエル日本国大使館「イスラエル当局による新型コロナウイルスへの対応等に関する情報提供 7/17」

なお、イスラエルの場合、累積の死亡者数は400人に達していません。

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