今どこにいるのか、現在地が一番知りたいわけですが、なかなか誰も語ってくれませんので、チャレンジしてみます。7月11日付では東京の検査数と陽性率から、3月の3連休あたりに相当すると判断しています(感染者数だけに着目した場合です)。
今回は大阪の数値を使います。大阪の新規感染者数の最大値は4月9日の92人です。実際の発症のピークは3月末です(大阪では発症日も公表されています)。7都府県に緊急事態宣言が発出されたのは4月7日、全国に拡大されたのが4月16日でした。大阪の要隔離者数は次のように推移しています。
要隔離者数とは、累積感染者数から死亡者と退院者(療養解除者)を引いた数です。大阪の場合、4月12日から22日までの間は次のような6区分で総陽性者の内訳が公表されていました。
4月23日以降は次のように9区分されています。上のグラフでは「調整中」や「確認中」をすべて「入院」扱いしました。つまり、グラフの「入院」とは「軽症・中等症」です。
グラフから大阪の要隔離者数のピークが4月下旬の前半であることがわかります。(1)発症のピークが3月末、(2)陽性判明のピークは4月10日前後、(3)医療機関にかかる負荷のピークは4月20日から25日という、このタイムラグが肝心です。(2)から(3)を予測しなければなりません。
では、今の大阪の状況はどうなっているのでしょうか。7月のグラフは次のとおりです。
7月20日時点で要隔離者数は452人です。4月8日が403人(重症29人)、9日が494人(重症35人)ですので、要隔離者数だけで言えば、今の大阪は4月10日前後の位置にあります。ただし、4月と決定的に異なるのは重傷者数です。
もっとも、福祉施設でクラスターが発生すれば重傷者が一気に増える懸念は残ります。大阪の場合、フェイズ1で30床、フェイズ2で85床、フェイズ3で150床、フェイズ4で215床の重症病床を確保することになっています。
軽症・中等症用の病床もまだ余裕はありそうですが、1日50人平均のペースで増えるなら7月末には700床が埋まり、病床使用率が50%を超えることになるはずです。重傷者病床より軽症・中等症用のベッドのほうが先に埋まるかもしれません。
7月いっぱいは陽性者が増え続けるはずです。宿泊療養施設は712室確保しているという報道が16日にありました。もともとは3棟確保されていましたが、6月初めには宿泊療養者がゼロになっていました。解約していたはずですが、13日に2棟目を確保したようです。
大阪は陽性者の属性や症状、発症日を公表しており、真っ白な東京とはかなり様相が異なります。フェイズ1からフェイズ2への移行の条件は定められていますが、その日はそんなに遠くはなさそうです。大阪がフェイズ2のうちはまだそれほど深刻な事態ではありません。
人口当たりの医療体制がもっとも脆弱な埼玉では、すでにフェイズ2に移行しています(3段階の2番目)。梅雨明けして8月の声を聞く頃には「経済優先」はギブアップを迫られることになるのではないかというのが私の見通しです。
東京だけ除外でいいはずがないGoToトラベルはますますgdgdな迷走を続けることが見込まれます。公明党がダメージを負って秋の解散は消え、2年延ばせばよかったのに1年延期にした五輪中止も決めなければならず、八方塞がりで内閣改造を迎えることになりそうです。
まあ、夏休みにロックダウンしても影響は少ないものかもしれません。だからGoToを前倒したのかと裏読みしたくなるほどの混迷ぶりです。
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