大阪の時短要請は半月と2区で足りるのか

時短要請

第3波に関する大阪府の時短要請はおおむね次のような内容です。

  • 11月27日(金)から12月11日(金)までの15日間
  • 大阪市北区および中央区内の接待を伴う飲食店と酒類の提供を行う飲食店
  • 21時以降翌朝5時までの営業時間短縮要請
    (ガイドラインを遵守していない店舗には休業要請)

当然に出てくる疑問は対象エリアの問題です。北区と中央区を対象とする理由について、Q&Aには次のように記されていますが、必ずしも明解ではありません。本当はもう少し範囲を広げたかったのでしょうが、懐事情が反映したのかもしれません。大阪市は行政区ごとの陽性者数を発表していません。

大阪市のご意見を聞きながら、大阪府内でもターミナル駅の乗降客が多いことや、店舗数が集中し、多くの人が集まる地域であることから、感染リスクが高まる「5つの場面」である「飲酒を伴う懇親会等」「大人数の長時間に及ぶ飲食」のリスクを抑制していくため、営業時間短縮を要請し、府域への感染拡大を抑制することとしたものです。

大阪府>休業要請コールセンターFAQ(休業要請について)

北区と中央区が対象ということは、天王寺や京橋は含まれず、なんばパークスも対象外です。赤枠内が北区と中央区、ピンクのマーカーは新大阪、赤が大阪(梅田)、青が京橋、紫が難波、オレンジが天王寺になります。

大阪市北区と中央区
北区と中央区(地理院タイルを加工)

ホテルニューオータニ大阪は中央区です。個室のあるレストランでも時短対象です。コロナ以前なら肩が触れ合うような京橋の立ち飲み屋は都島区ですから通常営業です。どこで区切ったとしても、感染リスクの少ない店舗が時短や休業要請に巻き込まれてしまうことはあるわけですが、いつまでもこれでいいとは思えません。

ビジネスパーク付近

2週間前なら2区でもよかったのでしょうが、拡大した今となってはせめてプラス5区ぐらいでないと効果は期待できないのかもしれません。札幌同様に大阪でも延長と拡大が待っているような気がします。

「O&A」には「対象エリアを限定する場合、その客は対象エリア外の店に移動するだけだが効果はあるのか?」という問いも用意されています。それはそうでしょう。私もそう思います。

感染リスクが高まる「5つの場面」である「飲酒を伴う懇親会等」「大人数の長時間に及ぶ飲食」のリスクを抑制していくため、営業時間短縮を要請し、府域への感染拡大を抑制することとしたもので、効果があると考えています。

大阪府>休業要請コールセンターFAQ(休業要請について)

これでは受け答えするオペレーターが気の毒になります。結果的には、密を作るだけになってしまうのかもしれません。

牛丼チェーンやネカフェなどは酒類提供をやめて深夜営業を続けるようですが、21時以降に限って酒類提供しないのはアウトということです。営業を続けても罰金などのペナルティはありません(GoToイートからは外されるものと思われます)。

今回の大阪の協力金は1事業者当たりではなく1店舗当たりで支給されるそうです。もう年が暮れようとしているのに、まだ法整備のための審議さえ始まっていないのは怠慢でしかありません。

大阪の陽性率

大阪府が発表している陽性率の計算が合わないことに気づきました。11月26日の場合、6.7%と発表されていますが、私のExcelでは6.62%です。

月日検査確認PCR抗原陽性陽性率計算
11/1033703026207502266.8%6.71%
11/1133133527775362567.8%7.73%
11/1229612124475142317.9%7.80%
11/1329194123845352639.1%9.01%
11/14264333217047328510.9%10.78%
11/15184720154929826614.6%14.40%
11/1613431141202735.5%5.44%
11/173982294510372696.8%6.76%
11/18420635076992736.6%6.49%
11/19362829057233389.4%9.32%
11/20436234768863708.5%8.48%
11/213737284789041511.2%11.11%
11/222611227933249018.9%18.77%
11/231544135618828118.4%18.20%
11/24218116695122109.7%9.63%
11/255827460812193185.5%5.46%
11/264926392110053266.7%6.62%
▲大阪府の新規陽性者数等

大阪府は独自の患者情報管理システム(kintone)で管理・公表していましたが、11月16日から政府のシステム(HER-SYSとG-MIS)に合流しました。独自の時代は陽性率の分母となる検査数に陰性確認と再陽性検査を含めておらず、合流後は再陽性検査を含めているようです。つまり、陰性確認の検査数を分母から除外しているために、発表される陽性率が若干高くなるわけです。

私は陽性率計算では再陽性検査を除いたほうが合理的だと考えます。また、先にできた府独自のシステムが1つなのに、あとから開発・運用を始めた政府のシステムが2つあるのはどういうことなのかという点も気になります。

そう言えば、東京と大阪では重傷者の定義が異なることも知られています。東京の場合は過少申告していることになります。

東京=人工呼吸器+ECMO
政府=人工呼吸器+ECMO+ICU
大阪=人工呼吸器+ECMO+ICU+気管挿管

国によって違うのは当然のことだと理解できますし、広く解釈することも悪いことではありません。わざわざ少なく報告するのは理解不能です。少なくとも先々週まで東京は重傷者の少なさがアピールポイントだったはずですが、ここ最近は急激に増えています。

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