よりによってインドとフィリピンに外遊?

ゴールデンウイークの外遊

菅総理がゴールデンウィーク中にインドを訪問し、帰路はフィリピンに寄る計画だと報道されています。首相に限らずGW中の閣僚の外遊は慣例化しており、2019年は13閣僚がGW中またはその前後に海外出張しています。

安倍首相4/22-29仏・伊・米など6か国
茂木特命相4/25-28
麻生財務相4/25-29、5/1-4、5/6-9米・加・仏など4か国
河野外相4/26-29、5/2-6サウジ、エチオピアなど4か国
宮越特命相5/1-4シンガポール
山下法相5/1-5
石井国交相5/1-5中国、ブルネイ
柴山文科相5/1-6
平井特命相5/1-6米、ベルギー、スイス
岩屋防衛相5/2-4ベトナム
片山特命相5/2-6インド、イスラエル
原田環境相5/2-7仏、独
菅官房長官5/9-12
▲第4次安倍第1次改造内閣のGW期間の外遊先

初入閣だった片山さつき氏は、地方創生・規制改革・男女共同参画担当の特命大臣でした。インドとイスラエルにはどうしても行かねばならない差し迫った理由があったものと思われます。

外遊先がインドとフィリピン

ワクチン接種済みの菅総理が行こうとしているインドの新規感染者数のグラフです。インドは長かった第1波を超える1日10万人規模で新規感染者が出ています。

インドの新規感染者の推移
インドの新規感染者の推移(Johns Hopkins大

フィリピンは今、私がもっとも注目している国です。4月2日の1.5万人がピークで、ここ数日の新規感染者が急激に落ち込んでいます。

フィリピンの新規感染者の推移
フィリピンの新規感染者の推移(Johns Hopkins大)

菅総理はわざわざ感染のピーク期に両国を訪問することで、ワクチンの有効性を実証したいのかもしれません。受け入れるインドやフィリピンにとっては迷惑な訪問客になりそうだと私は思ってしまいますが、そこはちゃんと抑えられているに違いありません。

で、日本のグラフです。

日本の新規感染者の推移
日本の新規感染者の推移(Johns Hopkins大)

どう考えても4週間後に外遊する余裕はないだろうというのが私の認識です。総理の判断が求められる場面が訪れるのは確実です。外遊の報道が出てくること自体、官邸の機能不全を示唆するものです。

休校要請の可否

緊急事態宣言もマンボウも「基本的対処方針」に基づいた施策がおこなわれます。これを決めるのは政府です。小池知事が「社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえてきて、中間管理職になったようだった」と語った「天の声」こそが「基本的対処方針」です。

「酒類の提供は11時から19時」「飲食を主として業としている店舗において、カラオケを行う設備を提供している場合、当該設備の利用自粛を要請」などは、すべて「基本的対処方針」に盛り込まれている内容です。

知事の裁量に委ねられる範囲は限りなく狭く、たとえば、学校に関しては次のように定められています。

文部科学省は、学校設置者及び大学等に対して一律に臨時休業を求めるのではなく、地域の感染状況に応じた感染防止策の徹底を要請する。

内閣官房>新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(21/04/01)

イギリス型の変異ウイルスは若年層でも感染すると言われていますが、幸いにも今のところは学校を閉鎖しなければならない事態ではないようです。

大阪の年代別感染者数(大阪府感染症情報センター

一律に休業を求める場合は「基本的対処方針」を変更しなければならず、それは総理の判断です。学校だけの問題ではありません。

特定都道府県又は重点措置区域である都道府県等は、緊急事態措置又はまん延防止等重点措置等を実施するに当たっては、あらかじめ政府と協議し、迅速な情報共有を行う。政府対策本部長は、特定都道府県又は重点措置区域である都道府県等が適切に緊急事態措置又はまん延防止等重点措置を講じることができるよう、専門家の意見を踏まえつつ、総合調整を行うとともに、特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対して、必要な指示を行うものとする

内閣官房>新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(21/04/01)

「政府対策本部長」とは首相のことです。来週の訪米も特別な外交的成果があるとは思えませんが、決定済みの外交日程です。総理の周囲は本当にインドやフィリピンに行かせるのでしょうか。止めたほうがいいと私は思いますけど…。

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