なぜ旧・統一教会は蒋介石に嫌われたのか?

岸信介元総理と蒋介石元総統

岸信介・元首相の総理在任期間は1957年から1960年です。実弟の佐藤栄作内閣は1964年から1972年までの長期政権となります。岸氏は1979年の総選挙で引退し、1987年に亡くなっています。安倍晋三・元首相の母親は岸信介氏の長女です。

一方、第二次世界大戦後の国共内戦で中国本土を追われた蒋介石(蒋中正)氏は、1975年に死去するまで中華民国総統を務めています。長男・蒋経国氏も1978年から1988年の死去まで台湾の第3代総統です。

日本の総理が在職中に台湾を訪問したのは岸氏と佐藤氏の2人だけです。あえてバナナを持ち出すまでもなく、岸信介氏は台湾あるいは蒋介石氏と濃い関係にあったはずです。

岸家は台湾バナナで…

ところが、岸氏は統一教会(≒勝共連合)を受け入れ、蒋介石氏は拒んでいます。1970年代から1980年代にかけて旧・統一教会(統一協会)は台湾での布教を禁じられており、文鮮明氏が渡台したのは1993年が最初のようです。

文鮮明氏が韓国政府の頭越しに金日成氏と会談したのは1991年です。朝鮮半島の38度線を陸路で越えたのではなく北京経由で平壌に入っています。つまり、「勝共」を掲げる文鮮明氏は、韓国と共に反共最前線であるはずの台湾に行く前に訪中したことになります。

蒋介石・元総統が統一教会を嫌った理由がどこにあるのか気になるわけです。何かを見抜いたのかもしれませんし、単に当時の微妙な米台関係を反映しただけのことかもしれません…。

方相逸・神日本大陸会長

台湾では教団系の政党「天宙和平統一家庭党」が組織されています。地方議員はいるようですが、国会議員=立法委員はいないはずです。2008年の韓国総選挙には「天宙平和統一家庭堂」で参戦していますので、名称的には変わり映えしません。

2020年に「天の父母様聖会」の「神日本大陸会長」に就任したのは、それまで「台湾天一国特使」だった方相逸(パン・サンイル)氏です。日本教会の最高責任者は田中会長ではありません。

2022年撮影の台湾・高雄の教会施設のストビューです。

高雄で同居する生長の家と統一教会

興味深いことに、高雄では「統一教高雄教会」と同じビルに「生長之家高雄教化支部」が入居しています。おそらくは偶然でしょうし、先に入居していたのは「生長の家」側と思われます。

ちなみに、台北では両者まったく別の建物です。台北の教団本部が入居しているビルには「天父母聖会世界和平統一家庭連合会台湾総会」(台湾教会)と「全球和平連盟台湾総会」(UPF台湾)が同居しているようです。

また、台湾の「統一企業」グループは名前がかぶっているだけで、そっち系統ではありません。台湾でセブンイレブンやスタバや無印良品を利用しても良心を傷めることはありません。

中国本土とオーストラリア

中国本土には1990年代半ばから「国際教育基金会」を足場に入り込み、1997年に中国公安部によって邪教認定されたあとも、数年はしぶとく排除を逃れていたようです。今は撤退しているはずの香港の施設はストビューでは確認できませんでした。

オーストラリアは簡単に見つかりました。メルボルン近郊のベルグレーブに統一教会(家庭連合)、天宙平和連合、世界平和女性連合のボードが掲げられています。

オーストラリアの統一教会

なお、一部ネット情報でオーストラリアでは統一教会がカルト認定されていると記されていますが、確認することはできませんでした。おそらくオーストリアの誤りなのだろうと思われます。

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