どこかで見た光景、多古町の建設残土と太陽光パネル

タイムマシン

Google Earthプロで千葉県多古町南玉造付近のもっとも古い衛星写真は2003年1月撮影のものです。これが原風景です。マーカーは熱海伊豆山より1か月早く崩落した部分ですが、2003年の時点では崩落しようのない低地です。

2003年1月

2011年3月の衛星写真では、東側の森の一部が伐採されており、擁壁っぽいものが設置されているように見えます。擁壁ではなくただの段差かもしれません。

2011年3月

2015年10月の衛星写真では段差が見当たらなくなり、太陽光パネルが設置されました。

2015年10月

2017年1月の衛星写真では樹木の伐採が西に拡大しています。パネル左上で4本の指のように見えるのは重機が沈まないように敷いた鉄板の類だと思われます。

2017年1月

2018年5月の衛星写真では伐採範囲がいっそう拡大しています。4~5段の段差も見えますので、かなりの高さになるはずです。

2018年5月

2019年11月の衛星写真ではパネルが増設されています。また、画像中央部に高い山が築かれています。既存パネルの左側です。

2019年11月

2020年12月の衛星写真では森の伐採が西側に進み、民家に迫っているのがわかります。

2020年12月

成田空港の近く

崩落したのは6月9日のお昼過ぎだそうです。土砂は池に流れ込んだだけでは足りず、県道をも塞ぎました。埋められた谷が崩落したのですから、まさしく熱海を彷彿させます。なお、地図の等高線は5m間隔です。

残土崩落現場(地理院タイルを加工)

現場は成田空港から10キロほど東です。多古町に鉄道駅はありません。タコと言いつつ内陸の町であり、人口は1万4000人台です。直近2019年の町議会議員選挙は定数14名ちょうどの立候補でしたので全員が無投票当選です。町長選挙も過去5回のうち3回が無投票です。

成田空港の東(地理院タイルを加工)

2014年4月撮影のストリートビューを埋め込みました。搬入口付近です。太陽光パネルの設置工事が始まった頃かと思われます。手書きのお知らせ看板を拡大すると「太陽光発電」と読み取れます。

人の名前も判読できます(スマホでは無理かと)ので、ためしにグーグル先生にお伺いを立ててみました。……。まあ、今では所有者が違っているかもしれませんし、ただ単に同姓同名というだけのことかもしれません。

謎ではなかろう、と

私はANNの動画でこの件を知りました(「住宅街に“の盛り土”・・・突然崩落 住民「あぜん」」2021/10/05)。サムネの家の住人は宿泊施設住まいということですが、その費用は町が負担しているのでしょうか。

6月の崩落事故はTBSのニュース動画が残っていました(「工事現場から土砂が崩れる 重機が巻き込まれ男性けが」2021/06/09)。重機の運転手はドクターヘリで運ばれたそうです。

NHKも扱っていたようです。ちっとも謎ではないのに、なぜ「謎の盛り土」なのだろうと思っていたらNHKさんが先に「謎」認定していたようです。

【外部リンク】
■NHK>家を襲う“謎の土” その正体は?(2021年9月21日 21時19分)

すみやかな法整備が求められるわけですが、なぜ法整備が進まないのかという「謎」は残ります。厳罰化されては困る人たちが確実にいるのでしょう。多古町は2018年に残土条例を成立させていますが、遡及効はありません。立法に際しては、過去に許可を受けた行為であっても、現状に鑑みて処罰・指導の対象とする必要があるのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました