第5波で見えたこと、検査数の少ない東京は入院率が高い

陽性者数は東京より大阪が多いけれど

三大都市圏7都府県の直近1週間の新規陽性者数です。

10/110/210/310/410/510/610/7週計
埼玉105735043677568481
千葉75665843525243389
東京200196161871441491431080
神奈川1158286517786102599
愛知88887222628061473
大阪241184136961762091651207
兵庫83895926717687491
▲最近1週間の7都府県の新規陽性者数

東京より大阪のほうが多いわけですが、新規陽性者数1週間移動平均のピークが東京は8月19日、大阪は9月1日です。ピークが遅かった大阪が多くても不思議ではありません。

4月1日時点の東京の人口は14,064,696人、大阪は8,842,523人です。その比率は61.4%対38.6%です。10月1日時点の累積陽性者数は東京が375,616人で大阪は199,698人ですので、比率は65.3%対34.7%になります。

検査数が少ない東京

10月1日時点のPCR検査人数は、東京が3,622,469人で大阪が3,399,732人です。比率は51.6%対48.4%となり、両者にさほどの差はありません。これら3要素をグラフ化すると次のようになります。

東京と大阪の人口、検査人数、陽性者数の比率
東京と大阪の人口、検査人数、陽性者数の比率

去年5月以降の検査人数の推移は次のとおりです。

東京と大阪の月別検査人数
東京と大阪の月別検査人数

直近1週間移動平均の検査人数は、東京が約6500人/日で大阪が約1万人/日です。年内に大阪の総検査人数は東京の総検査人数を上回るかもしれません。累積の陽性率は東京の9.7%に対して大阪は5.8%です。

大阪の倍近い入院率のウラ

病床逼迫が収まっていた9月29日時点の療養状況です(厚労省>新型コロナウイルス感染症患者の療養状況、病床数等に関する調査結果)。

東京 大阪 
S療養者数3,532人4,150人
A入院者数1,181人731人
B重傷者数388人274人
C宿泊療養486人795人
D自宅療養1,374人2,347人
E療養先調整中491人277人
A/S33.4%17.6%
B/S11.0%6.6%
B/A32.9%37.5%
E/S13.9%6.7%
▲東京と大阪の療養状況(9/29)

重傷者数Bは入院者数Aの一部ですので、S=A+C+D+Eの等式が成立します。「A/S」はいわゆる入院率であり、大阪は東京の半分程度です。病床は逼迫していないのですから、必要なら入院できるはずです。「B/A」の重症比率は東京と大阪でさほど差はありません。検査数の少ない東京は分母の療養者数が少ないために入院率が高くなっていると解釈するのが妥当です。

「E/S」は調整中の比率です。療養者数Sが少ない東京のほうが調整中Eは実数でも大阪より多いということは、患者を振り分ける処理能力が十分ではないと評価するしかありません。

宿泊療養施設の確保室数

病床確保は難しいことかもしれませんが、宿泊療養施設はその気になれば確保できることだと思われます(埼玉は難しいかもしれません)。9/29時点で2000室以上を確保している6都道府県の即応確保室数の推移を調べてみました。

7/77/218/48/189/19/159/29
北海道2,3852,3852,3852,3852,3852,3702,370
東京2,8002,9403,0803,2303,3103,3103,310
神奈川1,6571,6571,6571,9062,4282,4282,428
大阪1,8781,8784,0764,7166,1317,0918,407
兵庫1,4751,0001,2001,4751,7231,8632,011
福岡2,1062,1062,1062,1062,1062,1062,106
▲6都道府県の宿泊療養施設即応確保室数

どうやら兵庫のセンチュリー知事さんは宿泊療養施設を減らしていたようです。新知事は8/1就任です。大阪は第5波で4倍以上増やしていますが、東京は18%増です。

一部で噂されているように、もし都知事が国政に転出するならそれは東京都民にとって歓迎すべきことだろうと思われます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました