もっとも遅い猛暑日は10月9日のアメダス糸魚川

10月に観測された猛暑日は過去6回あります。いずれもこの10年の間に観測されたものです。2位との差は大差ですので、さすがに10月の猛暑日はそう容易ではありません。

▲10月の猛暑日

10月最高気温はアメダス三条ですが、もっとも遅い猛暑日はスーパー熱帯夜6回のレコードホルダー・糸魚川です。2013年台風24号は10月7日に与論島を通過、翌8日に対馬海峡に達し、9日は日本海を北上しました。

0時10分から16時までの糸魚川と佐渡島・相川の10分ごとの気温は次のとおりです。深夜にもかかわらず台風の接近で南風に変わり、日の出前から気温が上がっているのは同じですが、フェーンが効いた糸魚川では瞬間的に35℃を超えています。

消防庁による「大火」の定義は「建物の焼損面積33,000㎡（1万坪）以上」だそうです。一般的な山火事ならどれだけ焼失面積が大きくても「大火」になりにくく、小ぢんまりとした集落で全家屋が焼失しても「大火」でないこともあり得るわけです。

2016年12月22日昼前に糸魚川駅北口近くで出火し、全焼120棟を含む147棟を焼いて翌日の夕方に鎮火した火災の焼損面積は30,412㎡でした。このため、消防庁的には「～大火」ではなく、ワンランク落ちる「～大規模火災」です。

ただ、ニュース番組等では普通に「糸魚川大火」と呼ばれています。負傷者17人のうち15人は消防関係者だったそうです。2022年版「消防白書」によれば、直近の「大火」は2021年11月に大阪市此花区で発生した倉庫火災です。

火災は駅の北西側で出火し、南風に煽られて海に向かって延焼しました。アメダス糸魚川は糸魚川駅から東に1キロ以上離れた校庭の隅に設置されています。画像中央の矩形です。ストビューでは風速計の先端しか確認できません。標高8ｍです。

なお、アメダス糸魚川は1987年12月から2013年6月まで市役所付近にあったようです（おそらく市役所そのもの）。それ以前は標高70ｍの山間部です。

糸魚川では今年8月10日に初めて最高気温39℃台に達しています。年平均気温は次のように推移しています。

夏日日数は次のとおりです。

熱帯夜については移転前2010年の43日が糸魚川の観測史上1位でしたが、今年は9/24までで46日です。

海に近いせいか意外にも最低気温はマイナス5.3℃がレコードです。最近では2012年にマイナス4.6℃が観測されています。2020年から2022年の観測値は次のとおりです。

▲糸魚川の2020年観測値

▲糸魚川の2021年観測値