「信者の人権を守る二世の会」のシンポジウム

山﨑浩子氏の脱会

旧・統一教会(統一協会)の解散請求をめぐる世論調査では、おおむね8割前後が賛成しています。NHKの調査では反対は1%でした。

毎日新聞22/10/22-23解散請求すべきだ82%
日経・テレ東22/10/28-30解散請求すべきだ78%
時事通信22/11/11-14解散請求すべきだ69.4%
NHK23/09/08-10解散請求に賛成68%
毎日新聞23/09/16-17解散請求に賛成86%
FNN23/09/16-17解散請求に賛成89.7%
▲各社世論調査

天地正教のことを調べているうちに、林真理子・現日大総長と統一教会(統一協会)を退会したばかりの山崎浩子氏との対談記事がヒットしました。「週刊文春」1993年5月20日号です。林氏は「宗教にはクラブ活動のような一面がある」と話を振ります。

これに対して、山崎氏は「ひとつの目標に向かって理想をなし遂げようとしている仲間だという意識が芽生えますから、迫害を受けようとも、神のために信念を貫こうと、意志はますます固まっていきます」と応じています。

【外部リンク】
■六マリアの悲劇・真のサタンは、文鮮明だ!!>山崎浩子 vs 林真理子 独占対談

山崎氏は1992年8月の合同結婚式に参加しています(3万双)。連日ワイドショーネタになっていた時代です。脱会の記者会見は1993年4月でした。ちなみに、当時の「週刊文春」の編集長は花田紀凱氏です。

田中会長は昨年8月の会見で「異常な宗教迫害とも言える偏向報道」と語り、年頭には「宗教迫害の絶頂を迎えていく2023年」と発言しています。そこで、「迫害」を受けている側の意見を承ってみます。

信者の人権を守る二世の会

「信者の人権を守る二世の会」が開いた最初の公開シンポジウムは4月23日です。まず演題の「親子の絆断絶に終止符を」がよくわかりませんが、同会のWebサイトには次のように記されています。

昨年の事件以降、私たちは定義のない「反社会的団体」というレッテルを貼られ、日本に“存在していてはいけない”かのような扱いを受けてきました。「宗教は危険だ」「あなたたちは間違っている」「信仰を捨てろ」と言わんばかりの風潮に私たち二世は自分の存在価値を見失いました。

信者の人権を守る二世の会

自分たちが信仰を捨てれば、信仰を持つ親との絆が断絶してしまうということのようです。なるほど、さすがに1%側の視点です。神道に帰依する夫とキリスト教徒の妻の間に生まれた子供が仏門に入ったとしても、親子であることには変わりはないはずです。

韓鶴子氏の子供は14人です。世帯単位で考えて、教団に残っているのは(1)長男と再婚した文妍娥氏、(2)2男の死後「霊肉結婚」した文薫淑氏、(3)5女の文善進氏の3人と思われます。親子の絆が断絶しているかどうか私には窺い知ることはできませんが、二世信者はそう感じているのかもしれません。

もし、親子で異なる宗教を信仰すると絆の断絶になるのだとしたら、二世の親の世代が統一教会に入ったときにも断絶が生じていることになります。伝道は親子の断絶を産み出すものだと言っているようなものです。

自分たちの伝道は信教の自由で、離れていくのは信教の自由の侵害というのは、あまりに身勝手な論理です。山崎氏も「そんなに声高に信教の自由を唱えるのならば、出る自由だってあるはずでしょう」と一刀両断にしています。信じない自由や誘われない自由もあっていいはずです。

「~二世の会」のシンポジウム

これまで3回の公開シンポジウムが開催されています。

第1回(4/3)「親子の絆断絶に終止符を」
●「家庭連合二世として生まれて」(二世の会代表・小嶌希晶氏)
●「宗教にまるで縁がなかった私が、なぜ旧統一教会の取材にのめりこんだか」(ジャーナリスト・福田ますみ氏)
●「宗教二世の人権とその法的枠組み」(弁護士・徳永信一氏)
●パネルディスカッション(徳永信一、福田ますみ、小嶌希晶、小村聡士の4氏)

小村(おむら)氏は学生団体「勝共UNITE」代表でした。

第2回(6/18)「二世と有識者による”反日カルト”批判についての考察」
●ディベート「日本人は韓国に贖罪意識を持つべきか」(取手市議会議員・細谷典男氏vs弁護士・徳永信一氏)
●パネルディスカッション(細谷典男・徳永信一・小嶌希晶・新田剛の4氏)

細谷氏は県議1期、市議4期です。

第3回(7/30)「国民7割が願う『解散請求』について」
●「解散請求について」(弁護士・中山達樹氏)
●「立法・司法の問題について」(国際歴史論戦研究所会長・杉原誠四郎氏)
●PD1「現役二世の声」(小嶌希晶、長澤洋国、成田紗弥香の3氏)
●PD2「”解散請求”について」(小嶌希晶、長澤洋国、成田紗弥香、杉原誠四郎、徳永信一、中山達樹、福田ますみの各氏)

中山弁護士は白のスーツで登場しています。二世は1995~96年生まれが一番多いのだそうです。山崎氏が参加した3万双の二世でしょう。ということは、1995年の「36万双」や1997年の「4000万双」以降は盛った数字になるわけです。

ここまでのおすすめは、第2回のディベートと第3回の「現役二世の声」です。第4回も予定されています。

第4回(10/1)「宗教学者と語る、家庭連合の過去と現在と未来」
●パネルディスカッション「旧統一教会問題とは」「現役二世が見る教会の姿と現在」「二世が願う教会の未来」(島田裕巳、小嶌希晶、新田剛の各氏、〇〇〇〇)

「島田裕巳 オウム」で検索すれば、どんな内容になるかはだいたい想像できそうですが…

【2023/10/05追記】島田氏の発言は80%以上同意できる至極まっとうなものでした。大変失礼しました。→「統一教会に自主解散を提言した島田裕巳氏」

詳細が語られない「人権被害」

同会のWebサイトには「私のお父さんが職を失いました」「就職先の内定を取り消されました」「住む場所を失いました」「父が病院に行けず…」などの人権侵害があったと記載されています。第3回の質疑応答で鈴木エイト氏がこの件について質問しています。フル動画の2:07:30辺りです。

エイト氏の質問は7/30です。50日以上経過した9/23現在でサイト上では詳細はまだ明らかでありません。

その後、パネリストの福田氏が取材のエイト氏に質問を投げかけ、8/6には松濤本部で緊急シンポジウム「鈴木エイト氏『宗教ヘイト』発言を糾す」が開催されています。ずいぶんスピーディーな対応ですが、こちらは「~二世の会」ではなく世界平和統一家庭連合の主催です。

緊急シンポジウム「鈴木エイト氏『宗教ヘイト』発言を糾す」(8/6)
(出席者)
●「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」代表・後藤徹氏
●国際弁護士・中山達樹氏
●ノンフィクション作家・福田ますみ氏
●「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」広報担当・鴨野守氏
●「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」法務担当・近藤徳茂氏
●拉致監禁被害女性

さて、この緊急シンポジウムの2日前の8月4日、もう1つのシンポジウムが開催されています。会場は市ヶ谷の私学会館だそうです。

『家庭連合信者に人権はないのか』出版記念シンポジウム(8/4)
(パネラー=執筆者)
●弁護士・徳永信一氏
●一般社団法人富山県平和大使協議会代表理事・鴨野守氏
●世界平和統一家庭連合法務局副局長・近藤徳茂氏
●UPF-Japan事務総長・魚谷俊輔氏

「~二世の会」が開いた3回のシンポジウムの会場は、Webサイトでは「東京都内(メールにてお知らせします)」となっていますが、演壇のロゴから市ヶ谷の私学会館(アルカディア)のようです。

なお、「~二世の会」Webサイトで「二世からの意見」をクリックすると、次のような至極真っ当な意見も掲載されています。比率は別にして…。

マスコミも悪いけど、家庭連合にも悪いところがあることを認めて、反省することが必要だと思います。そうでなければ世間は納得しません。

信者の人権を守る二世の会>二世からの意見 20代男性

分派以外の旧・統一教会(統一協会)系サイトで、このスタンスの発言が掲載されているのは初めて見ました。

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