統一教会に「黒いところはない」と言うけれど…

第三者「的」

旧・統一教会(統一協会)の教会改革推進本部長に就任した勅使河原秀行氏が、教団顧問弁護士の福本修也氏とともに松濤本部での記者会見に臨んだのは去年9月22日です。

任命されたばかりの17人の二世教区長がズラッと並んだのは、勅使河原氏が単独で臨んだ10月20日の会見です。68教区のうち20教区で二世を昇格させたという話でした。誰しもが奇異に感じたのは女性が1人もいないということだったかもしれません。

その直後、第三者な視点で教団改革のアドバイスをもらうとして2人のアメリカ人弁護士とともに紹介されたのが中山達樹氏です。「第三者は勅使河原氏が強調していました。文字起こししてみます。

かねてより何か改革を進めるにあたって、第三者的な検査や査定が必要じゃないかというご指摘がございました。現時点においてまだ完全な第三者の査定を受ける状況には至っておりませんけれども、第三者的な立場と視点でアドバイスを頂くということで国際的なリーガルチームを編成いたしました。あそこに座っておられる先生方をですね、今回一緒に改革を推進していただくということでお願いしています。

THE PAGE>旧統一教会が会見「質問権」行使表明で受け止め説明(2022年10月20日)

勅使河原氏のこの話を聞く限りは、これまで教団が何をしてきたかを調べてほしいということではなく、改革が妥当なものかどうかアドバイスしてほしいとしか解釈できません。少なくとも私はそのように解釈しました。

この会見の場では17人の新任教区長も3人の弁護士も、お披露目だけで一切発言はありませんでした。こういうことを頼まれた、だからこうしたいのだという所信表明はなかったのです。

【2023/09/02追記】中山弁護士は白いスーツがトレードマークのようですが、この日は白ではありませんでした。

反転攻勢?

中山弁護士へのインタビュー記事が「弁護士ドットコム」に掲載されています。

ただ、少なくとも、2009年以後はトップの意思で黒いことをしてはいません。内部規定はクリーンで、人事評価は下からの評判を元にしているくらいです。

実際、2009年以降に行われた献金について、ほとんど新たな訴訟は起きていません。ただ、15年以上前の判決を見れば個々人の行き過ぎもあったようにも読み取れるし、過去の活動には改善の余地もあったと思います。それは反省すべきところだし、今も現在進行形で反省しています。悪いところがあったらご指摘くださいということです。

弁護士ドットコム>統一教会に「黒いところはない」「解散命令あり得ない」依頼を受けた中山弁護士が断言 2023年08月26日

光言社サイトには22分に及ぶ動画もあります。ゴルバチョフや金日成のくだりなど内容的には従来の教団の主張そのものですから、第三者視点とは思えません。もとは韓国の世界本部から依頼だったそうです。結局、主導しているのはそっちのようです。

私が一番知りたいのは、中山氏はそもそも何を依頼されているのかということです。次に知りたいのはこれまで何をしてきたのか、です。

松濤本部で教団側から渡される資料を読むだけなら「黒い」ところは見つからないはずです。公表されている貸借対照表からB勘定の存在を疑うよりもっと難しい話だからです。

末端信者からヒアリングしたとか、地方教会に行ってみたとかという話も出てきません。もちろん、求められていないことをする必要はないわけです。

光言社の動画で、中山氏は日本やアメリカやヨーロッパなど多くの教団関係者と会ったが悪い人はいないと語っています。韓国人とは会っていないのかと突っ込みたくなりますが、(会った範囲で)悪い人が1人もいないというのは弁護士が語る話ではないように思われます。

【2023/09/06追記】中山弁護士による去年12月14日付の文部科学大臣宛「申入書」が教団サイトで公開されています(9/5付)。この「申入書」によれば、中山氏が世界本部から依頼を受けたのは去年9月だそうです。3か月で解散要件を満たさないとの「申入書」を提出していることになります。手際よく調査が進んだのでしょう。

光言社ビル→二世圏祝福推進センター

ただ、純粋な法律論としては大いにあり得る主張です。関係遮断とか民法の不法行為を含むとか、岸田首相のリーダーシップ?にはネット初期の顔文字
「ヾ(- -;)」を使いたくなるシーンがあったわけです。

手順としては、国会に調査特別委員会を立ち上げて国政調査権に基づく調査を地道に続けるべきだったろうと思います。「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」は2004年から継続して設置されています。

(1)何が起きていて、(2)どんな問題があり、(3)どういう対処が必要なのかという議論に進むのが王道です。国会や国税や警察のような強制力のある調査なら話は早そうですが、質問権の行使では(1)さえウヤムヤにされそうです。

36ページのブックレット「拝啓 岸田文雄首相 家庭連合に、解散請求の要件なし」が光言社から220円で出版されています。お求めやすい価格です。松濤本部の裏には今も「光言社ビル」の表札が掲げられた建物があります。

光言社ビル

少なくとも1階部分は2015年から「二世圏祝福推進センター」として使われている建物です。

二世圏祝福推進センター

株式会社光言社の本店所在地は松濤本部の向かい側にあるトツネビルです。その隣が愛美書店と渋谷家庭教会の宮坂ビルになります。勅使河原氏は光言社の取締役だそうです。

勅使河原秀行(てしがわら ひでゆき、1963-)1992年の合同結婚式に参加も破談、1995年「36万双」。人事部長(2014-15)。総合企画局副局長(2016)。教会改革推進本部本部長(2022-23)。元は天理教徒、カープを通じて入教。

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