国民民主党・玉木代表が指摘する政策活動費3つの穴

政策活動費

今回の裏金事件で国会議員としては唯一逮捕され、自民党を除名されたのが池田佳隆・前衆議院議員です。池田氏の事務所は不記載の理由を「自民党から派閥を経て支払われる政策活動費だと認識して収支報告書には記載していなかった」とコメントしています(外部リンクA)。

12月14日に総務大臣を辞任した鈴木淳司氏も活動費として配られたもので、裏金として受け取ったという認識はなかった」と述べています(外部リンクB)。

【外部リンク】
■(A)時事通信>「政策活動費で記載不要」=秘書ら、派閥から説明と供述―安倍派パーティー収入問題 2023/12/15
■(B)日刊スポーツ>鈴木淳司前総務相の“キックバックは文化”発言にSNSで怒り「恥ずかしくないのか?」「違法な裏金です」 2023/12/15

維新の政策活動費は主に飲食代に使われるようですが、自民党の政策活動費は党幹部に数千万単位で支払われ、そこから先の流れがわかりません。その一部はいわゆる餅代・氷代として幹事長から各派閥に渡され、派閥経由で各議員に配られるもののようです。

そうでなければ、党から直接に政策活動費を受け取る立場にない池田氏側から政策活動費という言葉が出てくるはずがありません。派閥がキックバック不記載を指示した際、「(盆暮れと同様に)政策活動費だから記載しなくてもいい」と言っていたに違いありません。

つまり、政策活動費はそれ自体が裏金そのものであり、今回のキックバック不記載の温床でもあったはずです。

この「政策活動費」という文言は現行の政治資金規正法の条文には存在せず、総務省と自民党の解釈では適法扱いされていました。衆議院を通過した政治資金規正法修正案では「政策活動費」が10年後に領収証等を公開するとして合法化されています。

3つの穴

自民党の政策活動費は2022年の総額が14億1630万円です。最少額が150万であり、大半は数千万単位です。修正前の自民党案が「50万以下を除く」としていたのは、それほど深い意味があったわけではないはずです。

自民党の政策活動費
「自由民主党本部」収支報告書(令和4年分)

参議院に送られた修正案には、政策活動費に関して3つの穴があるという国民民主党・玉木代表の説明がわかりやすいものでした。

玉木代表が指摘する3つの穴

玉木氏が指摘する3つの穴は次のとおりです。

(1)たとえば12月9日に3000万を受け取った茂木幹事長が2800万だけ使い、200万の使い残しが生じたとしても、この200万の報告義務はなく茂木氏が課税されることもない。
(2)人件費、光熱水費、事務所費などの用途に使えば(使ったことにすれば)報告義務がない。
(3)政策活動費を選挙運動に使うことが妨げられていない。

他党あるいは無所属の候補者への寄付は表には出せないものでしょうから、一定額の非公開は容認できないわけでもありませんが、維新案にあったはずの上限5000万が消えてしまったことは納得しかねるところです。

14億が5000万に縮減されるのなら評価できます。個人的には、上限設定額次第では10年後黒塗りも(非公開でも)経過措置としては許容範囲と考えています。維新がこだわるべきだったのは50万以下ではなく5000万以下のほうです。

動画

■国民民主党>Go!Go!こくみんライブ〜まだまだ穴だらけ!?激論!政治資金規正法〜(玉木雄一郎・礒﨑哲史・竹詰仁) 2024/06/06

動画は18:13からスタートします。

なお、現行の政治資金規正法には「政治活動(選挙運動を含む。)」の文言が4か所あります(玉木氏は3か所と発言しています)。また、静岡のM議員(宮沢博行氏)が「政策活動費だから不記載にした」旨の発言をしたことは私には確認できませんでした。おそらく鈴木氏との勘違いと思われます。

玉木雄一郎寒川事務所

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