人口37%の札幌が感染者6割を占める北海道

北海道には9つの総合振興局と4つの振興局があります。かつての14支庁が2010年度から名前を変えています。網走支庁→オホーツク振興局のように「改姓&改名」のパターンもあります。空知支庁の幌加内町は上川総合振興局に、留萌支庁の幌延町は宗谷総合振興局に「移籍」しています。

平成の大合併では太平洋側・渡島(おしま)支庁の八雲町と日本海側・檜山支庁の熊石町が合併したために檜山支庁は分断されて飛地が生じていましたが、渡島と檜山の統合は実現していません。総合振興局と振興局は同格とされています。

北海道には30の保健所があります。札幌、旭川、函館、小樽は市の保健所であり、残る26か所は道の保健所です。札幌市は石狩振興局に属します。石狩管内には札幌市を含めて6市あります。江別市と石狩市は江別保健所の管轄、千歳市と北広島市と恵庭市は千歳保健所の管轄です。

新型コロナ感染者に関しては、市の4保健所は独自に、道の26保健所は道が一括して発表しているものと思われます。各市町村のWebサイトにはそれぞれの感染者数が掲載されていますが、道のWebサイトから拾った石狩管内713人と一致しません。「石狩管内」で発表されているケースがあるからです。兵庫県と同じようなパターンです。

というわけで、残念ですが市町村別のMAPは諦めて、振興局別にしました。

北海道の新型コロナ感染者マップ
北海道の感染者マップ(地理院タイルで作図)

石狩が713人、オホーツクが55人、上川が41人、後志(しりべし)が23人、釧路が18人、空知と胆振(いぶり)が16人、渡島が15人、宗谷が5人、留萌が4人、十勝が3人、日高と根室が2人、檜山は0人です。道外9人と非公表23人でトータル945人となります。宗谷5人のうち3人は利尻島です。

人口では全道に占める札幌の割合は約37%ですが、感染者数の割合は58%以上です。都市部集中の傾向は北海道でも顕著です。3月19日に北海道独自の緊急事態宣言を解除するまでは157中68人が札幌で43.3%、3月20日以降は788人中483人で61.1%です。

第2波がより札幌に集中しているのは、やはり院内感染に起因するところが大きいものと思われます。第1波の際は医療従事者の感染は見られたもののそこで止まっていましたが、第2波では複数の院内感染に発展しています。

院内感染が起こると感染者の数も増え、それが入院患者に及んだ場合には死亡者も出やすくなるだけでなく、その医療機関が自宅待機で一部機能停止に陥り、近隣の医療機関を圧迫するという悪循環が待ち受けています。

北海道 累積感染者945人(検査数7,359件)
福岡県 累積感染者641人(検査数8,815件)
愛知県 累積感染者491人(検査数6,959件)

累積感染者数は5/9、検査件数は5/6現在です。感染者数が北海道の3分の2の福岡より総検査件数は少なく、感染者数が約半分の愛知との比較では検査件数にさほどの差はありません。落ち着いてきたとはいえ、課題は残しているわけです。

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