感染者数で世界5位に浮上したロシアは致死率0.9%

世界でもっとも厳しい外出禁止措置と言われていたロシアが新型コロナ感染者数で世界5位になりました。1週間ごとの新規感染者数は次のとおりです(累積感染者数のグラフではありません)。

ロシアの新規感染者数

この定点観測は4日または5日おきにシリーズ15回目です。8回目からロシアは次のように順位を上げています。

22位→18位→15位→10位→10位→8位→7位→5位

ところが、ロシアの致死率はほぼ1%(未満)でさほど変動がありません。一般的には致死率は徐々に上がっていくものです。

0.9%→0.8%→0.8%→0.8%→0.9%→1.0%→0.9%→0.9%

どうやらロシアは最近では1日10万件のPCR検査を続けているようです。日本の検査数は総数で15万件ですが、これだけの大差がつく理由をおおたわ史絵氏が次のように述べています。

海外の検査が速やかに進むひとつの理由には
軍隊の医師の存在があると思う。
彼らは日常的に生物兵器に対する演習として防御服や汚染物の扱いに長けている。
だから迷いが少なく、コロナにも向かっていける。
日本には軍医がいない。
前戦で鍛えられた医師もいない。
大多数の医師は防御服を着た事がない。

ただいまネイチャー中>平和できれいな国の医師たち

日本の検査数が準戦時下にあるはずのイランの感染者数と競り合っていた理由は、この説明ですっきりと氷解します。韓国の大量検査を支えたのは「公衆保険医」と呼ばれる徴兵免除の若い医師たち3000人近くだったとも報じられています。

防衛医科大学校の医学科は募集定員80名ほどです。10学年を総動員しても800人にしかなりません。もともと医師が少ないうえに、非常時に動員できる体制もないということのようです。検体は韓国に空輸すれば済むのでしょうが、検体採取できる医師ごと連れて来ないと1日2万件には達しないのかもしれません。

ただ、韓国と同じように多くの検査で感染拡大を封じ込んだアイスランドは、人口が少ないとはいえ非武装の国です。

国・地域感染者増加数死亡者致死率
全世界3,959,249436,128275,3977.0
アメリカ1,284,708126,36777,1806.0
スペイン222,8575,39126,29911.8
イタリア217,1856,46830,20113.9
イギリス212,62924,78731,31614.7
ロシア198,67653,4081,8270.9
フランス176,2027,27726,23314.9
ドイツ170,5884,9247,5104.4
ブラジル146,89445,06810,0176.8
トルコ135,5699,5243,6892.7
イラン106,2208,7966,5896.2
中国83,976124,6375.5
カナダ67,6747,1704,6976.9
ペルー61,84715,9191,7142.8
インド59,88117,2111,9903.3
ベルギー52,5962,3298,58116.3
オランダ42,5811,8125,44012.8
サウジアラビア35,4328,4212290.6
メキシコ31,5228,0513,16010.0
スイス30,2513461,8236.0
エクアドル28,818-7201,7045.9
パキスタン27,4747,2886182.2
ポルトガル27,4062,1241,1264.1
チリ25,9726,3092941.1
スウェーデン25,9213,6043,22012.4
アイルランド22,5411,0351,4296.3
シンガポール22,4603,682200.1
ベラルーシ22,0524,5631260.6
カタール21,3315,780130.1
アラブ首長国連邦16,7932,6301741.0
イスラエル16,4442072451.5
オーストリア15,8332366153.9
日本15,5756985903.8
ポーランド15,5101,5737775.0
ルーマニア15,1311,6199266.1
ウクライナ14,7102,3793762.6
バングラデシュ13,7703,6272141.6
インドネシア13,6452,0589597.0
韓国10,840392562.4
フィリピン10,6101,1257046.6
デンマーク10,5176495265.0
コロンビア10,0512,3834284.3
南アフリカ8,8952,1121782.0
バーレーン4,5951,21280.2
ルクセンブルク3,871471002.6
ハンガリー3,21317840512.6
アイスランド1,8012100.6
香港1,044540.4
サンマリノ63755416.4

今回の規定打席は感染者1万人以上としました。42か国が該当します(前回は規定打席9000人で41か国)。表には規定打席未満の国から南アフリカ、バーレーン、ルクセンブルク、ハンガリー、アイスランド、香港、サンマリノの7か国を加えました。

ロシアは10日前の前々回は累積感染者数が9万9000人台でした。10日でちょうど倍増して約10万人増えています。次回は2位を狙えるペースです。ただ、死亡者は少ないわけですので、それほどの深刻さはないわけです。

前回10位のブラジル、前回14位のペルー、前回15位のインドが順位を1つ上げています。サウジアラビアは前回の19位から17位、メキシコは前回21位か18位、パキスタンは前回24位から21位、チリは前回25位から23位です。

感染者増加数では、さすがにアメリカにやや陰りが見え、スペインとイタリアは順調に下げ基調をキープしていますが、イギリスはまだ1日5000人ペースで増えています。なお、エクアドルは720人のマイナスです。

死亡者数ではブラジルが6か国目の1万人に達しましたが、まだ5強とは大差があります。追いつくとしても月末です。これまで日本は死亡者数が少ないと言われてきました。日本は感染者数は32位ですが、死亡者数では29位です。

致死率ではベルギーがV6です。16.3%で前回よりさらに悪化しています。規定打席未満のハンガリーも12.6%でやはり悪化しています。メキシコが前回の9.2%から10%に乗ってしまいました。

致死率が低い国ではカタールとシンガポールが0.1%を維持しました。規定打席未満のバーレーン、ジプチ、香港、ウズベキスタン、ガーナ、オーマン、ギニアが0.5%以下です。

人口1万人当たりの感染率では、規定打席未満のサンマリノが187人台となりました。次回で200人台(つまり2%)に到達するかもしれません。外国人労働者の間で感染拡大したというシンガポールは、次回でアメリカの感染率を上回ることになりそうです。

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