南半球初の感染者10万人突破、ブラジルの苦悩

ブラジルの新型コロナ累積感染者数が10万人台に達しました。ブラジルの場合、ヨーロッパ諸国より遅れて流行が広まっており、依然として高止まりのままです。治療中となる要隔離者の割合は約半数であり、流行が先行したトルコ並みに回復者の割合が高くなっています。不思議と言えば不思議な話です。

シリーズ14回目となる各国の致死率や感染率ウォッチです。今回の規定打席は感染者9000人以上の41か国とし(5日前の前回は7000人以上の42か国)、表にはオーストラリア、アルジェリア、ルクセンブルクタイアイスランド、香港、サンマリノ、台湾の8か国を加えました。

国・地域感染者増加数死亡者致死率
全世界3,523,121390,758247,7527.0
アメリカ1,158,341145,75867,6865.8
スペイン217,466-14,66225,26411.6
イタリア210,7179,21228,88413.7
イギリス187,84225,49228,52015.2
フランス168,925-12824,90014.7
ドイツ165,6645,6056,8664.1
ロシア145,26845,8691,3560.9
トルコ126,04511,3923,3972.7
ブラジル101,82628,5917,0516.9
イラン97,4243,7676,2036.4
中国83,964244,6375.5
カナダ60,5049,3543,7956.3
ベルギー50,2672,4087,92415.8
ペルー45,92814,7381,2862.8
インド42,67011,3381,3953.3
オランダ40,7691,7715,07212.4
スイス29,9054981,7625.9
エクアドル29,5385,2801,5645.3
サウジアラビア27,0116,9341840.7
ポルトガル25,2829601,0434.1
メキシコ23,4716,7192,1549.2
スウェーデン22,3172,0152,67912.0
アイルランド21,5061,6291,3036.1
パキスタン20,1864,8974622.3
チリ19,6635,2982601.3
シンガポール18,7783,137180.1
ベラルーシ17,4894,3081030.6
イスラエル16,2374552341.4
オーストリア15,5971956003.8
カタール15,5512,987120.1
日本14,8771,1414873.3
アラブ首長国連邦14,1632,7831260.9
ポーランド13,9371,5226834.9
ルーマニア13,5121,5348035.9
ウクライナ12,3312,4653032.5
インドネシア11,5871,8168647.5
韓国10,801402522.3
バングラデシュ10,1433,0401821.8
デンマーク9,8686624844.9
フィリピン9,4851,2736236.6
セルビア9,4642,8341932.0
オーストラリア6,82377961.4
アルジェリア4,47482546310.3
ルクセンブルク3,82483962.5
タイ2,98740541.8
アイスランド1,7992100.6
香港1,039240.4
サンマリノ58219417.0
台湾436761.4

世界の累積感染者は350万人に達して、死亡者は25万人に迫っています。スペインとフランスは感染者数が訂正されて減少していますので、前回5位のイギリスが4位に浮上しています。前回8位のロシアは7位に上がりました。

震源地の中国はTOP10から消えましたが、ペルーが前回16位から14位、エクアドルが前回19位から18位、メキシコが前回23位から21位と、中南米勢が着実にランクアップを続けています。

感染者増加数2位はロシアで、3位がブラジル、4位イギリス、5位ペルー、6位トルコ、7位インドと続きます。カナダは地味にイーブンペースを維持しており、12位~13位からなかなか動きを見せません。

死亡者数の上位10か国は変わりませんが、ブラジルは前回9位から7位に上がっています。死亡者数1万人台突破の6か国目はブラジルになる可能性が濃厚です。ロシア、ペルー、エクアドル、ポルトガルの4か国が1000人台に達して、死亡者1000人以上は22か国になりました。

表の項目からは外していますが、「回復者/(回復者+死亡者)」で回復率(生還率)を求めています。回復率は、カタールが99.3%、シンガポールが98.7%です。新規感染者が増えているシンガポールですが、死亡者はあまり増えないという状態が続いています。

規定打席未満の国では、ジプチ99.7%、バーレーン99.5%、アイスランド99.4%、ウズベキスタン99.3%、オマーン98.6%、ニュージーランド98.5%、オーストラリア98.4%です。

致死率ではイギリスが前回13.4%で4位でしたが、今回は15.2%の2位に上がっています。致死率上位がベルギー、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スウェーデン、スペインとヨーロッパ本土で独占されている一方、致死率下位が中東や中央アジアで占められている傾向に変化はありません。

人口1万人当たりの感染率では、カタールが55人台、スペインが46人台、アイルランドが44人台、ベルギーは43人台、アメリカが35人台、規定打席未満の国では、サンマリノが171人台、アンドラが97人台、ルクセンブルクが63人台、アイスランドが53人台、マン島が38人台です。

南米ではウルグアイ以外は拡大基調

南米ではウルグアイに収束傾向が見られますが、その他の国はおおむね拡大基調あるいは高止まりです。ブラジルはボルソナロ大統領が経済優先を打ち出しています。コロナ対策には及び腰であり、保健相は解任されています。

ブラジルの人口は約2億人です。大統領の発言どおり全国民の70%が感染するなら、総感染者数は1億4000万人となり、現在の致死率7%を当てはめると98万人が亡くなる計算になります。最初から死者100万人を受容するという考え方もなくはありません。

一方で、さすがに州政府や市長は独自にロックダウンを進めており、アメリカと同様に中央政府と地方の対立が鮮明になっています。州政府がマスク着用義務化を決めたその日に、スーパー店員とマスクをしていない客との間でトラブルになり、警備員が発砲した流れ弾に当たった従業員が死亡するという事件さえ起きています。

サンパウロの理髪店のサインポールは世界標準でした。埋め込んだストビューは2018年4月撮影のものです。理髪店は州によっては許可制で営業が認められるようです。

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