400人に1人が感染したサンマリノ

厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について（３月14日12時時点版）」で感染者が100人を超えている国は30か国です。前回集約した3/11時点では22か国でしたから、3日で8か国増えています。多くの欧米諸国ではこの3日で感染者数が倍増しています。

感染者数100人未満ながら死亡者が出ているサンマリノと台湾を加えて32か国を一覧にしました。「致死率」は前回同様、死亡者数を感染者数で割ったものです。「感染率」については、前回は人口10万人当りでしたが、今回は人口1万人当りとしました。「致死率」の降順で並べています。

感染者数では前回9位だった日本が15位に後退し、オランダとデンマークが同数でTOP10入りしています。死亡者数の上位10か国は同じ顔ぶれです。北欧4か国は感染者数が約2500人ですが、死亡者はまだ2人です。

問題になるのは感染者数でも感染率でもなく、死亡者数であり致死率です。イタリアの致死率は6.2％から7.2％に、イランも3.6％から4.5％に上昇しており、状況は悪化しています。3日前には死亡者ゼロだったイラクは8.9％で致死率1位、サンマリノも6.3％で致死率3位です。

人口の多い中国は感染率ではTOP10から外れました。人口3.4万人のサンマリノは桁違いの感染率です。カタールもスペインを抑えて感染率ではTOP10に入りました。

地中海の島国・マルタ共和国はEU加盟国ですが、サンマリノ共和国、バチカン市国、モナコ公国、アンドラ公国はEU非加盟です。ただし、この4か国の通貨はユーロであり、独自デザインのユーロ硬貨の発行が認められています。サンマリノはコレクター向けの切手の発行でも有名です。

サンマリノは長靴型のイタリア半島のふくらはぎ上部に位置しています。バチカンと同じようにイタリアを経由しないとサンマリノには入れません。消費税（付加価値税）がないのもバチカンと同じです。周囲のイタリア国民は国境を越えればタックスフリーで買い物ができるわけです。

GDPの約半分が観光関連だそうですから、イタリアの移動制限はサンマリノには大打撃です。サンマリノの面積は61.2平方キロです。東京都大田区は60.4平方キロですから、将来的に羽田の埋め立てが進めばさらに接近することになります。

ローマからサンマリノまでGoogle Mapでルート検索してみると、車で330キロ4時間だそうです。東京－新潟間とほぼ同じです。人口3.4万人なら瑞穂町より少し多いくらいです。瑞穂町の医療機関は眼科を含めて9件です（歯科は7件）。

はたしてサンマリノ国内にどれだけの医療施設があるものなのか気になります。もしそこで院内感染が起きたら目も当てられない事態となります。国境はこんな感じです。2010年9月のストビューを埋め込みました。壁に「ITALIA」と「S.MARINO」の文字が見えます。

2人の老人は税関職員でもなければ検疫官でもないはずです。イミグレもへったくれもありません。サンマリノとイタリアの国境は昔からこんなものなのでしょう。なお、サンマリノで信号機を確認することはできませんでした。ヨーロッパはラウンドアバウトが主流です。