江戸川区と松戸市は隣接自治体だった!

江戸川マジック

小岩が江戸川区だというのは知っています。総武線や千葉街道で江戸川を渡れば市川市です。臨海部の京葉線や首都高臨海線で旧江戸川を越えれば浦安市ですが、東西線や都営新宿線や京葉道路で江戸川を渡ればそこは市川市です。

柴又の対岸は松戸市です。矢切の渡しは、もともと「金町・松戸の渡し」として金町村と松戸村を結んでいたものです。常磐線で金町駅の次は松戸駅です。葛飾区の対岸は松戸市という意識が私にはあります。

江戸川区と市川市、葛飾区と松戸市はそれぞれに濃厚接触?しているわけですが、江戸川区と松戸市がほんのわずかに境界を接しているのを初めて知りました(葛飾区と市川市は接していません)。Google Mapで計測すると20mほどです。

松戸市と江戸川区は江戸川で隣接
江戸川区と松戸市(地理院タイル

柴又は葛飾区、下矢切と栗山は松戸市、国府台(こうのだい)は市川市、地理院地図のロゴのうち2つの「地」は江戸川区です。河川上の境界ですので、接していると言っても名目だけで誰にもそんな実感はないものでしょう。これを見つけて小躍りするのは地理マニアだけです。

認識のギャップが…

松戸市のWebサイトには次のような記述があります。

 松戸市は、都心から20キロメートル圏に位置し、さらに千葉県の東葛地域(北西部)の一翼に位置しています。
 西側は江戸川を挟んで東京都葛飾区、江戸川区、埼玉県三郷市に隣接し、南側は市川市、東側は鎌ケ谷市、東側から北側にかけて柏市・流山市と隣接しています。

松戸市「松戸市の位置・交通・地形・地名の由来」

松戸市は陸続きでない江戸川区をお隣であると認識しています。水面でたった20m接しているだけなのに、7つある隣接自治体の2番目に登場するという高待遇です。

一方の江戸川区Webサイトで松戸市を検索したところ、「江戸川区人口ビジョン」というPDF文書がヒットしました。

江戸川区の転出超過自治体
江戸川区人口ビジョン(14ページ)

少し古いデータですが、上に掲げたグラフでは江戸川区は松戸市を隣接自治体として認識していません(緑の枠囲みがありません)。江戸時代初期まで同じ下総国葛飾郡だったというのに、随分つれない仕打ちです。

ただし、同じページの地図では20mとは思えないほど派手に接しています。また、すくなくとも2005年から2010年の間は、江戸川区から松戸市への転出が松戸市から江戸川区への転出を上回っていたのですから、松戸市としては胸を張っていいわけです。

4か国国境もどき

似たようなケースは、アフリカ南部のナミビア、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナの国境にありました。ボツワナとジンバブエは陸続きですが、ほかは河川が国境になります。

4か国の国境付近を拡大した地図は次のページに掲載済みです。

厳密にはナミビアとジンバブエは国境を接していないようですが、川自体は自由に航行できるはずですので、短時間で4か国を巡ることができます。

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