ヨーロッパの第2期ロックダウンは学校閉鎖せず

結局は何かしらの行動制限をかけるしかないのなら、緩やかな制限が長く続くほうが対応しやすいわけです。引っ張れば引っ張るだけより厳しい制限が必要になります。ヨーロッパ5か国の現状を探ってみました。

イギリス

イギリスの新規陽性者数の推移
イギリスの新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大

感染者数7位、死亡者数5位のイギリスは人口1万人当たりの感染者が191人で2%に迫っています。12/2まで4週間の予定でロックダウン中です。第1波との相違は、学校を閉鎖せず、無観客のプロスポーツが認められていることです。

1.11月5日(木)からは,皆が家にいなくてはならない。以下のような特別な理由のみ外出が可能である。
2.非必需品の店、レジャー及びエンターテインメント施設は全て閉鎖される。ただし、クリック&コレクト型のサービスは継続できる。スーパーマーケットなどの生活必需品の店は開いたままであり、買いだめの必要はない。パブ、バー、レストランも持ち帰りやデリバリーを除いて閉じなければならない。
3.可能であれば,自宅で仕事をする必要がある。<略>
4.休日に家から離れることに対する免除はない。仕事,教育,または,その他の法的に許可された免除がない限り,海外または国内を旅行できないことを意味する。<略>
5.職業紹介所,裁判所,市民登録事務所などの公共サービスは引き続き営業する。葬儀と個人の祈りを除く礼拝所での共同礼拝,組織化されたチームスポーツ,または,子どもたちの活動について免除はない。
エリートスポーツは,現在のように観客なしで継続することは認められる。
6.一時解雇制度として知られる,コロナウイルス雇用維持スキームは12月まで継続される。従業員は現在の非就労期間分の給与の80%,最大2,500ポンドまでを受け取ることができる。<略>
7.若者を教育にとどめることは国家の優先事項であり,学齢前施設,学校,専門学校,大学はすべて開いたままとなる。<略>
8.親は,自分たちが働くことができるように,合理的に必要な場合は,認定されたチャイルドケア,あるいは,別の育児活動に引き続きアクセスすることができる。<略>
9.新型コロナウイルス以外の医療ニーズに対する備えを継続することが不可欠である。<略>

在イギリス日本国大使館>イングランドにおけるロックダウンの計画について

フランス

フランスの新規陽性者数の推移
フランスの新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大)

感染者数4位、死亡者数7位のフランスは、人口1万人当たりの感染者が294人で3%目前です。10/17から一部州で夜間外出禁止令が発動され、10/30から全土で外出が規制されています。罰金は初回135ユーロ、15日以内の再販は200ユーロ、30日以内に3度目の違反は3750ユーロと6か月間の禁固刑とされています。135ユーロは16,700円です。

特例外出が認められる理由は以下のとおりです。
(1)自宅と職場あるいは教育・訓練施設、延期不可能な仕事及び試験会場への移動。
(2)職場に必要な備品の購入、営業許可を受けている施設での必需品購入、宅配のための移動。
(3)遠隔で実施できず急を要する診療や検査、薬の購入。
(4)家族のためのやむを得ない理由、脆弱な人への支援、子供の監護のための移動。
(5)障害者及び付き添い人の移動。
(6)集団的スポーツ以外で他人との接近を伴わない個人的な運動や同居人との散歩、ペットのための移動で、1日1時間以内、自宅から1キロ以内で行う短時間の移動。
(7)司法あるいは行政機関からの召喚及び公共機関での手続き
(8)行政機関の要請による公益任務への参加。
(9)子供の学校や課外活動への送り迎え。

在フランス日本国大使館>外出制限について(10月30日以降)

ドイツ

ドイツの新規陽性者数の推移
ドイツの新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大)

ドイツは人口1万人当たりの感染者が91人台で感染者数では世界13位です。英仏にくらべればまだ余裕のあるほうですが、飲食店は閉鎖、飲食以外の店舗も10平米に客1人と制限されています。

(ア)接触制限
 自らの世帯に属する者以外の他者との接触を真に必要な最小限度まで減らすことが求められる。そのため,公共空間における滞在は,自らの世帯ともう一世帯に属する者による最大10人までの場合にのみ許可される。これは拘束力を伴う措置であり,違反行為は罰せられる。
(イ)旅行制限
 不要不急の私的旅行や訪問(親族訪問を含む)の自粛を要請する。これはドイツ国内の移動にも適用され,地域を越える日帰り旅行にも当てはまる。ドイツ国内の宿泊施設の提供は,必要不可欠で,かつ明らかに観光目的でない場合にのみ可能。
(ウ)レジャー・余暇施設の閉鎖 
 以下を含むレジャー・余暇施設等は閉鎖される。
 A 劇場,オペラ座,コンサートハウス等
 B メッセ,映画館,レジャー施設(屋内・屋外),ゲームセンター,カジノ等
 C 風俗店等
 D 公共及び民間のスポーツ施設(ただし,単独,二人組及び同一世帯に属する者によるスポーツ活動を除く)
 E プール,サウナ及び温泉施設
 F フィットネススタジオ等
(エ)娯楽を提供する行事は禁止。プロ・スポーツのイベントは無観客であれば実施可能。
(オ)飲食店の閉鎖
 レストラン,バー,クラブ,ディスコ,パブ及びそれに類する飲食店は閉鎖(デリバリー,持ち帰り,社員食堂の営業は除く)
(カ)ボディケア分野におけるサービス業の閉鎖
 コスメティックスタジオ及びマッサージ店等のボディケア分野におけるサービス業は閉鎖。理髪店は現在の衛生措置の下で営業を継続。
(キ)店舗の営業継続
 店舗は,衛生措置,入店制限及び待機のための行列を防ぐための措置を講じた上で,営業を継続(店舗面積10平方メートルあたりの客数が1人以上とならないことを確保)。
(ク)学校及び幼稚園(Kindergaerten)は開き続ける。
(ケ)特別経済支援
 一時的な閉鎖によって影響を受ける企業,自営業者,団体及び施設に対して,収入の減少を補填するために特別な経済支援を行う。

在ドイツ日本国大使館>新型コロナウイルスに関する最新情報(ドイツ)

スペイン

スペインの新規陽性者数の推移
スペインの新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大)

1万人当たりの感染者数が307人のスペインは感染者数で6位、死亡者数で8位です。マドリード州では24:00から6:00まで、バルセロナのカタルーニャ州では22:00から6:00までの夜間外出が禁止されており、両州とも6名を超える私的及び公的な会合は認められていません。緊急事態宣言の期間は来年5月9日まで延長されています。学校は再開されたままだと思われます。

イタリア

イタリアの新規陽性者数の推移
イタリアの新規陽性者数の推移(Johns Hopkins大)

イタリアは先日、累積感染者が100万人を突破したばかりです。感染者数で10位、死亡者数は6位、1万人あたりの感染者は176人です。ミラノのロンバルディア州はレッドゾーン、フィレンツェのトスカーナ州はオレンジゾーン、ローマのラツィオ州はイエローゾーンに指定されています。

オレンジゾーンとレッドゾーンでは飲食店の営業は禁止され、テイクアウトが22時まで、宅配サービスに制限はありません。イエローゾーンとオレンジゾーンでは夜間外出が禁止、レッドゾーンは終日外出禁止です。移動制限もあり、オレンジゾーンで州をまたぐ移動が禁止されます。

学校に関しては、オレンジゾーンまで対面授業、レッドゾーンでも幼児教育、小学校、中学1年生については対面授業継続ということです。

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