五輪組織委会長の後任は橋本担当相で

組織委員会の規定

森喜朗氏は「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」の会長です。会長を解任できるのは同法人の規定では理事会になります。

第10条 理事会は、一般法人法及び定款に定める次の事項を決議する。
(3) 会長、副会長、専務理事及び常務理事並びに業務執行理事の選定・解職

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会>理事会運営規程

組織委員会に出資しているのは東京都とJOCです。

第5条 当法人の設立に際して設立者が拠出する財産及びその価額は、次のとおりである。
(1) 設立者 東京都
現金 1億5千万円
(2) 設立者 公益財団法人日本オリンピック委員会
現金 1億5千万円

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会>定款

というわけで、政府に対して森氏の更迭を求めるのは筋違いです。積極的に政治介入しろと勧めているようなもので、手続き的には好ましいことではありません。東京都は50%出資者ですから、東京都あるいは小池知事に対して森氏更迭を要求することは正当と思われます。

理事は35名

組織委員会の理事は次の35名です。女性理事は7人ですので、ちょうど5分の1です。

会長元内閣総理大臣森喜朗
副会長衆議院議員遠藤利明
副会長パナソニック株式会社代表取締役社長津賀一宏
副会長公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構顧問河野一郎
副会長公益財団法人日本オリンピック委員会会長山下泰裕
副会長国際パラリンピック委員会理事山脇康
副会長東京都副知事多羅尾光睦
専務理事株式会社大和総研名誉理事武藤敏郎
常務理事元文部科学省スポーツ・青少年局長布村幸彦
常務理事公益財団法人日本オリンピック委員会専務理事福井烈
理事作詞家秋元康
理事麻生セメント株式会社代表取締役会長麻生泰
理事国際オリンピック委員会オリンピックプログラム委員会委員荒木田裕子
理事公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事泉正文
理事福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長王貞治
理事日本政府代表(中東和平担当特使)河野雅治
理事東京都議会議員小山くにひこ
理事東京都議会議員髙島なおき
理事株式会社コモンズ代表取締役会長高橋治之
理事公益財団法人日本オリンピック委員会副会長田嶋幸三
理事オリンピアン田中理恵
理事オリンピアン谷本歩実
理事トヨタ紡織株式会社取締役会長豊田周平
理事東京都オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治
理事公益財団法人日本障がい者スポーツ協会
日本パラリンピック委員会参事
中森邦男
理事パラリンピアン成田真由美
理事写真家蜷川実花
理事衆議院議員馳浩
理事東京都議会議員東村邦浩
理事公益社団法人関西経済連合会会長松本正義
理事参議院議員丸川珠代
理事スポーツ庁長官室伏広治
理事公益財団法人日本スポーツ協会常務理事ヨーコ・ゼッターランド
理事公益財団法人日本陸上競技連盟会長横川浩
理事国際オリンピック委員会委員渡邉守成
▲組織委員会の理事35名

高橋治之氏は電通の元専務です。なお、御手洗冨士夫名誉会長(経団連名誉会長)は非理事です。

評議員会

理事とは別に6名による評議員会が設けられています。男女比は5:1です。もともとは5:2だったのか、それとも5:2にしたかったのかはわかりませんけど…。

評議員公益財団法人日本サッカー協会相談役川淵三郎
評議員公益財団法人トヨタ財団顧問遠山敦子
評議員公益財団法人日本オリンピック委員会名誉委員木村興治
評議員公益財団法人日本オリンピック委員会名誉委員福田富昭
評議員東京都副知事梶原洋
評議員東京都副知事武市敬
▲組織委員会の評議員6名

川淵氏はここに名を連ねています。理事の選任・解任は評議員会の権限です。理事の資格を喪失すれば自動的に会長でもなくなることになるはずです。東京都にメールが行くのはいたって妥当ということになります。

ちなみに1964年東京オリンピック組織委員会の会長は、初代が津島壽一氏(大蔵官僚→参議院議員)、2代目は財界の安川第五郎氏です。1972年札幌冬季五輪と1998年長野冬季五輪では経団連会長でした。今回は御手洗氏が辞退したために森氏に落ち着いています。

森氏が「余人を持って代えがたい」というより、敗戦処理登板になりそうな役回りをこのタイミングで誰が引き受けるだろうかというのが実情のように思われます。外部からのリリーフ登板は現実的ではありません。

森氏は無能ではない

森氏は自民党幹事長を2度務めています。1回目は野党だった細川内閣のときです。羽田内閣で連立から離脱した社会党と閣外協力に転じた新党さきがけを抱き込んで与党復帰を果たしました。2度目の就任は最後の単独政権・小渕内閣です。小渕再改造内閣では公明党を取り込んでいます。

総理在任時は史上最低の支持率を記録しながら小泉内閣につないだことで後見人のポジションに収まり、森派の清和会は党内最大派閥となります。今に至る自公の枠組みと清和会支配は森氏によって始まっています。

生年初当選初入閣引退没年
羽田孜1935196988農水20122017
亀井静香1936197994運輸2017(84歳)
山崎拓1936197289防衛2009(84歳)
小渕恵三1937196379総務20002000
森喜朗1937196983文部2012(83歳)
橋本龍太郎1937196378厚生20052006
加藤紘一1939197284防衛20122016
小泉純一郎1942197288厚生2009(79歳)
小沢一郎1942196985自治現職(78歳)
▲同年代の政治家

組織委員会の設立は2014年ですので、森氏は政界引退後に会長に就任しています。政界から後任を探すと安倍氏ぐらいですが、いっそのこと一般社団法人日本コンディショニング協会の名誉理事だった昭恵夫人ではどうだろうと思わなくもありません。

立場上、最後は断れないのではないかと思われるのが橋本聖子五輪担当相です。これまでの経緯はすべてご存知でしょうし、この期に及んでは政府主導になっても致し方ないところです。敗戦処理になるなら、むしろ政府主導であるべきです。

森市には触れられたくない過去があるはずです。今回の発言とそれがワンセットで海外に発信されると抜き差しならない自体に陥る懸念があります。

萩生田文科相は9日の会見で次のように述べています。萩生田氏は小泉政権下の2003年11月総選挙が初当選です。自民党は公示前247議席を10議席減らしましたが、森派は衆議院では第1派閥に並びました。森派は町村派→細田派と受け継がれています。

1年延長になって厳しい経済情勢の中でも多くのスポンサー企業の皆さんが足並みも乱れずお付き合いいただいたのも、経済界の皆さんがご信頼いただいていた大きな証し

文部科学省>萩生田文部科学大臣会見(令和3年2月9日)(リンク先はYou Tube動画7:10)

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