47県庁所在地の日最大降水量と年最大降水量

秋田県11地点で日降水量1位を更新

7月15日に秋田県内の11観測所で日降水量1位が更新されました。19世紀に開設された秋田地方気象台では実に86年ぶりの更新です。

所在観測所7月15日従来起年月日統計開始
秋田市仁別330.52162006/7/031985年
藤里町藤里273.0170.02014/7/101978年
仙北市角館243.02212007/9/171976年
男鹿市男鹿238.51632007/9/171976年
秋田市岩見三内234.01691995/8/051976年
八峰町八森227.5172.52022/8/091976年
秋田市雄和193.5187.02017/7/222003年
男鹿市男鹿真山190.5177.02013/9/161985年
秋田市秋田188.5186.81937/8/311882年
北秋田市鷹巣187.51692007/9/171976年
能代市能代180.0136.02013/9/161976年
▲2023/07/15に日降水量1位が更新された11地点

山間部とはいえ330ミリに達したアメダス仁別は1985年開設です。3.3キロほど離れたアメダス太平山から移転しています。

アメダス仁別は旭川ダム
アメダス仁別(地理院タイルを加工)

アメダス仁別は緊急放流の旭川ダム

ややこしいことに、アメダス太平山は山形にもありました。どちらも雨量のみの山岳観測所で、読みも同じ「たいへいざん」です。

観測所観測期間標高
秋田仁別1985/06/14~179
秋田太平山~1984/10/31600
山形太平山~1998/01/29509
▲もう1つのアメダス太平山

アメダス仁別の雨量計はダム管理事務所の建物の屋上に設置されているようです。ストビューではぼんやりと見えるだけです。

旭川ダム

この旭川ダムでは、15日の夕方から緊急放流を余儀なくされました。太平山時代は夏季のみの観測ですが、9年で日降水量の最大値は148ミリです。

アメダス仁別の過去3年の観測値は次のとおりです。

2020年2401.0ミリ317位/1293地点
2021年2323.0ミリ346位/1293地点
2022年2528.5ミリ171位/1285地点
平年値2286.0ミリ
▲アメダス仁別の観測値

秋田は降水量が少ない地域というわけではなく、桧木内(ひのきない)では1979年と2017年に3000ミリ台を観測しています。ただし冬場の降雪が貢献していますので、雨としては数字ほどに多いわけではありません。

47都道府県庁所在地の日最大降水量と年最大降水量

1882年統計開始の秋田地方気象台でも1.7ミリとはいえ日降水量1位が更新されています。そこで、県庁所在地の日最大降水量と年最大降水量を調べてみました。

観測所日最大起年月日年最大起年統計開始平年値
高知628.511998/09/244383.0119981886/012666.41
宮崎587.221939/10/164174.5219931886/012625.52
鹿児島375.02019/07/034022.0319931883/012434.73
金沢234.41964/07/183476.2519171882/022401.54
富山207.71948/07/253123.019851939/012374.25
静岡401.02019/10/123731.2419411940/012327.3
福井201.41933/07/263388.319171897/012299.6
沖縄468.951959/10/163322.019981890/072161.0
熊本480.531957/07/253369.019931890/022007.0
佐賀366.51953/06/252876.020201890/081951.3
鳥取204.02021/07/072689.719451943/011931.3
山口297.01972/07/112731.519721966/041927.7
長崎448.01982/07/232842.019931878/071894.7
岐阜260.21961/06/263448.918961883/011860.7
新潟265.01998/08/042397.019981881/071845.9
松江263.81964/07/182683.019531940/071791.9
秋田188.542023/07/152439.419221882/101741.6
横浜287.21958/09/262535.219411896/101730.8
大分443.71908/08/102859.019931887/011727.0
福岡307.81953/06/252976.519801890/011686.9
徳島471.541891/08/022694.518991891/051619.9
427.02004/09/292332.319591889/071612.9
東京371.91958/09/262229.619381875/061598.2
名古屋428.02000/09/112323.618961890/071578.9
広島339.61926/09/112540.919231879/011572.2
大津170.522022/08/162090.019801977/121566.6
宇都宮325.52019/10/122214.019201890/081524.7
京都288.61959/08/132150.619211880/111522.9
千葉259.51996/09/221910.519911966/041454.7
和歌山353.52000/09/112030.919051879/071414.4
松山215.11943/07/232040.419431890/011404.6
さいたま288.02019/10/121910.019911976/041371.3
水戸276.61938/06/292096.819201897/011367.7
奈良196.552017/10/221790.219591953/051365.1
青森208.02007/11/121972.819471882/011350.7
大阪250.71957/06/262014.520211883/011338.3
盛岡198.02007/09/171702.019901923/091279.9
神戸319.41967/07/092037.520181897/011277.8
仙台312.71948/09/161892.319501926/101276.7
前橋357.41947/09/151776.619551896/121247.4
福島233.52019/10/121621.3418901889/051207.0
山形217.61913/08/271551.4219371889/071206.7
甲府244.51945/10/051876.319381894/081160.75
高松210.52004/10/201618.5319931941/091150.14
岡山187.032011/09/031660.1519231891/011143.13
札幌207.01981/08/231671.519811876/091009.22
長野132.012019/10/121296.9119031889/01965.11
▲県庁所在地の日最大降水量、年最大降水量、年降水量の平年値

秋田は年降水量の平年値では多いほうから18番目です。年最大降水量でも21位ですので、年間の降水量としてはどちらかと言えば多い部類に入ります。

ただ、今回のように短期間に集中的に雨が降るという経験はほぼなかったわけです。人的被害が最小限で済んだのは幸いでした。

なお、年降水量1位が21世紀に観測されたのは47地点中3地点ですが、日降水量1位は15地点です。2019年台風19号を除いても10地点です。やはり豪雨は増えているという認識で差し支えないものと思われます。

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